≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡
= カナダの国旗のデザインにもなっているサトウカエデ =
- この樹液を原材料とした甘味料・メープルシロップ(maple syrup) -
サラッとしていて自然の風味が強く、カロリー/256kcal/100g、糖質/68g/100g
【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】
(文=中川明紀・ライター、編集者 イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ カナダの春はメープルシロップと共に =2/3= ◆◇
「我が家では週に3回はブレックファーストに登場します。パンケーキやワッフルにかけて食べるんです。カナダではスーパーでワッフルが買えるので、ブレックファーストの定番ですね。だいたい500ミリリットルの缶を5~6個常備しているんですが、主人は缶が減っていると心配になるようで、『補充したほうがいいんじゃない?』とよく言われますよ(笑)」
「そんなにすぐになくなるの?」と思うが、ベーコンやソーセージにかけたりもするという。なんだかすごく甘そうだけれど旨みを引き立てるらしい。なかにはスクランブルエッグにかける人もいるとかで、「目玉焼きに何をかけるか論争」にカナダ人が参戦したらメープルシロップが加わるのかもしれない。ちなみに私はソース派です。
「それから私はシロップを使ったお菓子もよくつくります。今日もメープルシロップスクウェアをつくってきたのでぜひ食べてみてください」
そうジュリーさんは言って、テーブルの上に25センチ四方の皿を置いた。メープルシロップスクウェアはクッキー生地にメープルシロップ、ブラウンシュガー、卵、ナッツなどを混ぜたものを流し込んでオーブンで焼いたお菓子。ジュリーさんが家族のためによくつくるという逸品の登場にうれしくなって覗き込むと、メープルの独特な甘い香りにふわっと包まれた。
さっそく一ついただく。見た目はフランス菓子のフロランタンにも似ているが、口当たりはもっとさくっとしていてやわらかい。シロップがぎゅっと濃縮されたような贅沢な味わいながらナチュラルな甘みでくどさはなく、もう一つとついつい手が伸びてしまう。
このメープルシロップスクウェアには計量カップ1カップ半(カナダの1カップは250ミリリットル)のメープルシロップが使われているとジュリーさん。「料理だとカボチャのポタージュに入れたりしますし、クリスマスにはメープルシロップを使ったトマトペーストで豆を煮ます。この豆料理は父の大好物なんです」という。そう聞くとストックを心配するご主人にも納得。
さらにはシロップを固体になるまで煮詰めたメープルシュガー、クリーム状にしたメープルバターと呼ばれている商品などもあって、シュガーはベリー類に、バターはパンにと使い分けているというからもうすごい。「日本人にとっての醤油と同じように生活に欠かせないものなんですね」。私がそういうとジュリーさんは「そうそう」と頷きながらも、こう答えた。
「それだけじゃありません。カナダ人にとってメープルシロップは春を感じるものでもあるんです」
サトウカエデが糖分を含んだ樹液を流出するのは雪解けの季節、3月中旬頃のほんの10~20日の間だけだという。つまり、採取された樹液を煮詰めたつくりたてのメープルシロップが世に出るのは春。冬が長く寒いカナダにとって待望の季節が到来する頃なのだ。
明日に続く・・・・・・・
◇ How to Make Maple Syrup ◇
・・・https://youtu.be/d74a6uKAz2o・・・
//////参考資料///////
■□ 参考資料: メープルシロップ(2/3) □■
1リットルのメープルシロップを作るためには40リットルの樹液が必要になる。採取シーズン序盤は高い糖分を含む樹液が取れるが、後半になるにつれて糖分が薄くなり、最終的に約半分まで下がる。この糖分の薄い樹液を品質基準を満たすまで煮詰めると、シーズン序盤に採れた樹液よりも長時間加熱する事になり、色と風味が濃いものができる。
近年は、逆浸透装置である程度水分を抜いてから濃縮させる製法が普及したため、以前ほど長時間煮詰めることはなくなった。
ケベック州は世界最大の産地で、2001年には1,560万リットルの収穫量があった。ケベックやオンタリオ州のメープルシロップ産地では、シロップ収穫は文化の一部となっており、毎年2月の収穫の時期にはシュガーシャックで祭りが催される。シロップ収穫期間中、ホットケーキやワッフルを食べさせるシュガーシャックも多く、人気のあるシュガーシャックには行列ができる。
ケベック州やオンタリオ州では、雪の上にメープルシロップを流しかけ、棒に巻きつけたりそのまま棒状で食べたりする「メープルタフィー」が存在する。
地球温暖化が進むとカエデの分布が現在よりも北に移動することが予想されるため、メープルシロップの産地では温暖化の地域経済に与える影響が懸念されている。
変わり種 : ケンタッキー州では胡桃(クルミ)の木から採取したウォールナット・シロップ (Walnut Syrup) という変わり種もある。また、シベリアやアラスカでは樺の木 (Birch tree) から採取したシロップがある。いずれもメープルシロップには及ばないが、貴重な糖分を得る方法となっている。
さらに、カナダの一部の州では、樹木から採取した樹液に紅葉したカエデをつけ込むことで、一般的なシロップよりも色彩を派手にしたクリムゾンメープルシロップ(crimson maple Syrup)を作る風習が受け継がれている。
模造品 : 純正品のメープルシロップは200mlあたり800円台からの購入が可能な比較的高価なものであるが、コーンシロップにメープルの風味や香りを添加した模造品が"ケーキシロップ"などとの名称で純正品より広く、かつ200mlあたり200円台からという安さで広まっている。
・・・・・明日・次節に続く
メイプルシロップを作ろう!採取編(メイプルシロップの作り方) ◆・・・https://youtu.be/Vgxs20gxgYQ・・・
=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/7dabb30067ca142b1e5439bb7806fed6
後節へ移行 : http://blog.goo._not-yet//222//
----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【壺公夢想;如水総覧】 :http://thubokou.wordpress.com
【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/
【疑心暗鬼;如水創作】 :http://bogoda.jugem.jp/
下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます=ウィキペディア=に移行
================================================
・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
================================================