≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡
= カナダの国旗のデザインにもなっているサトウカエデ =
- この樹液を原材料とした甘味料・メープルシロップ(maple syrup) -
サラッとしていて自然の風味が強く、カロリー/256kcal/100g、糖質/68g/100g
【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】
(文=中川明紀・ライター、編集者 イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ カナダの春はメープルシロップと共に =3/3= ◆◇
「この時期になるとケベックではこぞってシュガーシャックが行われます。シュガーシャックは日本語で『砂糖小屋』という意味。メープルシロップをつくっている小屋のことです。参加者はそこで生産現場を見学したり、雪が残るメープルの森を散策したりしてから食事をする。この年の新しいメープルシロップを味わうことが目的なので、パンや豚肉、ベーコン、フライドポテトなどすべての料理にシロップが使われているんですよ」
ボリューム満点の料理を食べたあとは再び外に出る。そして、メープルタフィーを食べるという。メープルタフィーとはシロップをさらに煮詰めてとろりとさせたもの。これを雪でつくった台の上に落とし、冷えて固まりそうなところを木の棒でクルクルッと巻いてキャンディーのようにして食べるそうだ。
「シュガーシャックではもう何も入らないってくらい、お腹いっぱいになるまでメープルシロップを楽しみます。外で遊んで、つくりたてのメープルシロップを味わって春が来たことを実感する。メープルシロップはカナダの生活の象徴ともいうべきものなんです」
カナダに欧州からの入植が始まったのは17世紀初頭のこと。先住民はそのはるか昔からサトウカエデの樹液を採取していたという。メープルシロップはミネラルやビタミン、ポリフェノールが豊富な栄養食品としても注目されているが、先住民はこの甘い樹液が栄養に富んでいることも知っていた。その先住民から樹液の採取法を教わった入植者が煮詰めるようになって、メープルシロップが生まれたようだ。
そしていまや国内はおろか世界に広まっているカナダのメープルシロップ。国内の9割を生産するケベック州では限りある自然資源を維持するため、ケベック・メープルシロップ生産者協会が生産者をまとめ、メープルシロップの品質保持や生産調整に努めている。
「石油産出国の利益を守るための組織、OPEC(石油輸出国機構)みたいなものかもしれませんね。しかもカナダ人にとっては石油より大切なものといえます」
ジュリーさんの話を聞いて思い出した。すでにお気づきの方もいるだろうが、カナダの国旗にはメープルリーフがあしらわれている。1965年から採用されているこの国旗は、公募したデザインをベースに議論を重ねてつくられたものだという。メープルシロップがいかに身近で大切なものであるかを、まさに国旗が象徴しているのだ。
近年、ナチュラルな甘みや栄養価の高さからメープルシロップは日本でも注目されている。言われてみれば東京の新宿などではメープルシロップを使ったスイーツの店をみかけるようになったし、料理研究家の有元葉子さんは以前からメープルシロップを使った和食のレシピを紹介している。
「季節を大事にする日本の人たちは、きっとメープルシロップに込めた私たちの思いを感じてくれるでしょう。メープルシロップを通じてカナダという国をもっと知ってもらえたらうれしい」とジュリーさんは言った。カナダにも日本にももうすぐ雪解けの季節がやってくる。
※ HyLife Pork TABLE(ハイライフ ポーク テーブル) 東京都渋谷区猿楽町10-1 マンサード代官山2階
次回“古代ギリシャ人も好きだった?フェタチーズ”に続く・・・・・
よき新年を迎えてください・・・・・・・
◇ Making Maple Candy | Où se trouve: Garland Sugar Shack ◇
・・・https://youtu.be/fNZYlXaQ6gM・・・
//////参考資料///////
■□ 参考資料: メープルシロップ(3/3) □■
日本のメープルシロップ
メープルシロップは日本のカエデ類から製造することもできる。ただ日本のカエデから取れる樹液は、サトウカエデに比べ糖分の含有量が少なく(イタヤカエデの場合、サトウカエデの約半分)、経済性が著しく劣る。このため、サトウカエデから作った製品に比べると割高で、地域特産品といった付加価値をもたせないと商業的に流通させることは難しい。
2017年現在、日本で恒常的にメープルシロップを製造・販売しているのは、埼玉県秩父市および山形県金山町である。秩父市のメープルシロップはイタヤカエデ、オオモミジ、ウリハダカエデ、ヒナウチワカエデなどが原料で、金山町の製品はイタヤカエデから作られている。かつては青森県十和田湖周辺でアカイタヤを原料としたメープルシロップも存在した。
森の贈り物 ・ メープルシロップ
森は私たちに贈り物をくれます。秋には華やかに朱や黄色の衣をまといます。そして、実った木の実を落とします。雪解けの頃になると、楓(カエデ)からほんのり甘い樹液が浸み出します。
森は何と気前が良いのでしょう。
メープルシロップは、楓(カエデ)の樹液を40分の1まで濃縮して作ったシロップ。一滴一滴に、楓(カエデ)の命が宿っています。
秩父では5種類の楓(カエデ)から樹液を採取しています。爽やかな甘さと黒糖に似た風味は日本人好みの味で、本場カナダのメープルシロップにも劣らない風味。秩父の山の滋養によって、カナダ産にはないカリウムやカルシウムといったミネラルを多く含んでいるのが特徴です。
2月から3月にかけての数週間だけ、楓(カエデ)は地中の水分を吸い上げ、木に穴を開けるとポタポタと樹液が流れ出てくるそうです。樹液にはミネラルやカルシウムなど豊富な栄養素が含まれており、40分の1まで煮詰めるとメープルシロップに。樹液はそのままお水の代わり飲んでも、沸かして紅茶を淹れても美味。
国土の約67%を森林が占める日本。大半は林業の衰退に伴って荒廃が進んでおり、杉やヒノキの手入れや広葉樹林への再生も困難な状況に。秩父の森も例外ではありませんでした。スギやヒノキの「伐る林業」と、楓(カエデ)の樹液の「伐らない林業」の複合化を目指し、秩父の森を本来あるべき姿に戻そうとしています。
楓(カエデ)は地中深くまで根を張るため山の保水力を高め、土砂崩れなどが起きにくくなり、森が健康かつ豊かになります。私たちがメープルシロップを食べることで、森にお返しが出来るかもしれません。楓(カエデ)を植えてから、樹液が採れるまでには15年~20年かかるそうです。
・・・・・よいお年を
Making Maple Syrup・ Garland Sugar Shack ◆Making Maple Syrup | Où se trouve: Garland Sugar Shack
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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