≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡
= 東京は世界でも屈指の、多様な食文化が集まる街だ=
- 中東料理を食べるのならパレスチナ料理 -
パレスチナの家庭料理が衝撃的に旨い
【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】
(文=中川明紀・ライター、編集者 イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 愛と知恵が詰まったパレスチナおふくろの味 =2/3= ◆◇
確かに炒飯のようにいい意味で飾り気がなく、身近に感じられる料理だ。しかし、このマンサフに強く家族を感じるポイントはどこにあるのだろうか。スドゥキさんに尋ねる。
「実は、一般的なマンサフとは見た目も作り方もまったく違うんです」
答えに対して怪訝な顔をする私にスドゥキさんはメニューを指さした。そこにはサフランライスのように黄色く炊いたライスにホワイトソースを絡めた肉を盛りつけた料理が写っていた。いま食べたマンサフとは違う料理に見えるが、「これが一般的なマンサフです」とスドゥキさんはいう。
「ジャミードという乾燥ヨーグルトを溶かしたソースで煮込んだラム肉を、スパイスで炊いたライスにかけています。ライスの下にはシュラクというクレープのように薄いパンを敷き詰めるんですよ」
パレスチナをはじめ周辺国で食べられ、ヨルダンでも国民的な料理とされているマンサフは、アラビア半島の砂漠地帯に住む民族「ベドウィン」の料理の流れを汲んでいるといわれる。遊牧民である彼らにとって羊も乳製品であるヨーグルトも欠かせない食材だ。
「マンサフとは『大きな皿』という意味。パレスチナではお祝いの時によく食べます。結婚式の際には必ずといっていいほど出席者に振る舞われますが、パレスチナでは町中の人が参列するので1500人以上集まることも珍しくない。だからつくるのが大変なんです。今は専門の業者が調理しているけれど、羊も40頭くらい用意するんですよ。できあがったマンサフは大皿に盛って8人くらいで囲み、一緒に食べるんです」
1500人とはすごい規模だが、ハレの日に料理をみんなで囲むのは幸せを分かち合うようでいいなあ、と思う。しかし、そうすると私が食べたマンサフは何なのか。
「これは僕の実家、マンスール家のマンサフなんです」
私の問いにそう答えて、スドゥキさんは相好を崩した。「僕は11人兄弟と人数が多く家も貧しかったので、高価なラム肉はなかなか食べられませんでした。そこで僕らがマンサフを食べたいというと、お母さんは鶏肉のマンサフをつくってくれたんです。鶏肉をより美味しく食べられるようにとヨーグルトよりもスパイスを多めに使って。兄弟はみんなお母さんのマンサフが大好きで月に3回くらい食べていましたよ」
マンサフ自体は鶏肉や山羊肉でつくることもあるらしい。しかし、つくる過程もまるで違う。つまり、スドゥキさんの母のオリジナルマンサフなのだ。聞けば、スドゥキさんが料理を覚え、日本で店を開くことになったのも母の味を求める思いがあったからだという。
11人兄弟の7番目として生まれ育ったスドゥキさんは家計を助けるため、14歳の時に家を出てイスラエルの養鶏場で働き始めた。従業員のまとめ役を任せられるなど仕事は充実していたが、家族と離れて暮らしていると恋しくなるのは母の料理。そこで帰省するたびにキッチンに入って手伝いをしながら母の味を覚え、自分でつくるようになったという。
次回に続く・・・・・・
◇ 本格アラブのパンmade arabic bread at home ◇
・・・https://youtu.be/xJBSAAhYnsQ・・・
//////参考資料///////
■□参考資料:パレスチナ料理(2/3) □■
パレスチナ料理=野菜の料理=
ファラーフェル: ヒヨコマメのコロッケ。欧米では一般的なベジタリアン料理になっている。 / ババ・ガンヌージュ: 焼いて皮をむいたナスをすり潰してオリーブオイル、タヒーニ、香辛料を混ぜたペースト。代表的なメッゼのひとつ。
タブーリ: パセリとブルグールのサラダ。代表的なメッゼのひとつ。 / カルナビート・マクリー(揚げカリフラワー): カリフラワーを食べやすい大きさに切って素揚げにしたもの。 / バシンジャン・マクリー(揚げナス): ナスを食べやすい大きさに切って素揚げにしたもの。
ミハシー: 香辛料を効かせた肉や米、野菜をキャベツやブドウなどの葉で包んだ料理。中をくりぬいた野菜(ナス、ピーマン、ズッキーニなど)を用いることもある。いわゆるドルマと同じ。メッゼのひとつ。ブドウの葉のミハシーを特にワラク・イナブと呼ぶ。
フンムス・ビッタヒーニ(フンムス): ヒヨコマメとタヒーニのペースト。代表的なメッゼのひとつ。 / ムサッカア(ムサカ): ナスやズッキーニを使ったグラタンに似た料理。バルカン半島のムサカとは異なり、肉やベシャメルソースを使わないが、ヒヨコマメが入ることがある。ムナッザラ(منزلة)とも呼ばれる。
シュールバ: スープ。野菜のシュールバの他、キシュク、肉団子、キッビのシュールバがある。
=卵の料理=
イッジ: 刻んだハーブ、カリフラワー、ズッキーニ、ヨーグルト、白身魚、くずしたキッビ、ウシやヒツジの脳などを溶き卵と混ぜて耐熱皿に入れ、焼いた料理。スペインのトルティージャやイタリアのフリッタータ、イランのククと類似する。
=肉の料理=
ケバーブ: 中東で広く食べられている肉の串焼き。 / シャーウェルマー: 調理法はトルコのドネルケバブと同じだが、タラトール(タヒーニとニンニク、レモン汁のソース)を添える。
キッビ、キッベ: ブルグールと挽肉(主に子羊肉)を混ぜて作る料理の総称。ラグビーボール型にして揚げたキッビ・マクリーイェ(كبة مقلية)、耐熱皿に入れて焼いたキッビ・ビッセーニーイェ(كبة بالصينية)、生のまま食べるキッビ・ナッイーェ(كبة نية)などがある。メッゼのひとつ。
カフタ: ミートボール状の挽肉料理。串に刺して焼く、煮込む、オーブンで焼くなどの調理法がある。 / サンブーサク: 挽き肉や白いチーズを詰めて焼くか、油で揚げた小型の半月形のパイ。ナッツや果物を詰めて菓子とすることもある。
スフィーハ: ピザと似た挽肉のパイ。ラハム・ビ=アジーンとも呼ばれる。 / ファターイル: 円形にのばしたパン生地の上に具をのせ、三角形に折り畳んで閉じたパイ。挽肉、ホウレンソウ、フレッシュチーズなどを詰める。
・・・・・明日・次節に続く
◆ Learn Arabic Food in House ◆
・・・https://youtu.be/znk8h80j808・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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