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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =209=

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≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡ 

= 朝には道ばたでパンを売る姿がよく見られ、ジャガイモ・トウモロコシが主食= 

- 豚肉は高級な食材とされる。クイと呼ばれる天竺鼠の一種も食用としている - 

民族の発酵酒“チチャ” にかける情熱は強く、ボリビア料理を彩る

【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】

(文=中川明紀・ライター、編集者  イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 口に広がる汁の旨みがたまらない!ボリビアの朝ごはん =2/3= ◆◇

 おっと、日本では声に出して言うのを躊躇してしまう名前。しかし、ほんわかと香る甘い匂い……これは桃だ。「そうそう、干した桃にお砂糖と水、シナモン、クローブを加えて煮出した飲み物です。もともと私が住んでいたサンタ・クルス(サンタ・クルス・デ・ラ・シエラの略。ボリビア東部の都市)が発祥だと思う。でも今は全国的に愛されている飲み物なんですよ」とロクサナさん。

 さっそくいただくと甘くて冷たいモコチンチが疲れた体にしみわたる。後味をさっぱりさせるシナモンには血行促進や発汗作用の効果があり、夏バテ防止にもいい。ボリビアにはモコチンチを売る屋台がそこかしこにあるという。過去にはある政府高官が「アメリカのコカ・コーラを飲まずにモコチンチを飲め」といった内容の発言をしたこともあるらしい。発言の良し悪しはさておき、それほど国民に浸透した飲み物なのだろう。

 モコチンチを飲んで落ち着いたところでソウルフードについて尋ねる。日曜を選んで訪れたのは、事前に問い合わせた時に店ではこの料理を土日にしかつくってないと聞いたからだ。「ボリビアにもいろいろな料理があるけれど、これは毎朝のように食べる身近なもの」と言って知名さんはその料理を出してくれた。

「サルテーニャです」

 餃子を大きくしたような形の調理パンと言えばわかりやすいだろうか。南米の多くの国でエンパナーダというミートパイのようなスナックが愛されているのだが、それによく似ている。サルテーニャは「ボリビア版エンパナーダ」なのだろうか。そう聞くと、ロクサナさんは「違う、違う」と大きく首を振った。

「エンパナーダはボリビアでもよく食べられているけれど、サルテーニャとは違う料理なんですよ。エンパナーダは揚げますが、サルテーニャはオーブンで焼くんです。生地も違います」

今までいくつかの国のエンパナーダを食べたがパラグアイでは揚げていて(前記参照)、チリでは焼いたものを食べたが、揚げることもあるらしい(前記参照)。同じエンパナーダでも国によって違うんだなあ、と思いながらサルテーニャをいただく。

「あ、汁が多いので気を付けて!」

 知名さんの声が耳に届く前に私はサルテーニャにかぶりついていた。その瞬間、顔面にブシュッと汁が飛び散る。驚きながらかじったサルテーニャを見ると、スープを生地で包んだかのようなつゆだくぶり。熱々でなくてよかった……。

 しかしこの汁、具の旨みが出ていてなんと味わい深いことか。中を見ると鶏肉にタマネギ、ゆで卵、ジャガイモなんかも入っている。「ボリビアの人はみんな、縦にしてかじりながら上手に汁を吸って食べるんです。慣れてない場合はスプーンを使うといいですよ」と知名さん。そして、このたっぷりな汁こそがサルテーニャの特徴だという。

「この汁を閉じ込めるために小麦粉、おもに中力粉にラードを混ぜて生地をつくるんです。エンパナーダの生地に使うのはバターやオリーブオイルなので、サルテーニャの具を入れたら汁が染み出てベタベタになってしまうんですよ」

 なるほど、だから「生地が違う」と言っていたのか。確かに生地がしっかりとスープを包み込んでいる。現在はオーブンがあるが、知名さんが移住した頃は土でつくった窯でサルテーニャを焼いていたそうだ。しかし、毎朝のように食べるということは、朝からこれをつくっているのか。

次回に続く

◇ Cómo hacer SOPA DE QUINUA ◇

・・・https://youtu.be/4dlvwfjFJoY?list=PLXvn69OpNCNTBBWVb1aq4oG6KU0r-Bww9・・・

//////参考資料///////

■□ 参考資料: ボリビアの食文化 □■

食文化

食文化としては、パンジャガイモトウモロコシを主食とし、副食として主に牛肉鶏肉を食べる。豚肉は高級な食材とされる。クイと呼ばれる天竺鼠の一種も食用としている。暖かい地方ではユカイモ(キャッサバ)やパパイアマンゴーなども食べる。内陸国のため、魚介類ではチチカカ湖のトゥルーチャ(の一種)やペヘレイといった川魚が食べられる。海産物は主にチリなどから輸入される。

朝には道ばたでパンを売る姿がよく見られ、高地ではサルテーニャが、低地ではクニャペがよく売られている。

第二次世界大戦前後にドイツなどから逃れてきた人たち(戦前はユダヤ人、戦後はナチスの残党)がビールを広めた結果、ラパスでは「パセーニャ (Paceña)」、オルロでは「ウァリ (Huari)」、コチャバンバでは「タキーニャ (Taquiña)」、サンタクルスでは「ドゥカル (Ducal)」など、それぞれの都市を代表するビールの銘柄がある。

ビール以外の酒類としては、スペイン侵略以前から飲まれているチチャという発酵酒や、ブドウを蒸留して作ったシンガニや、中米から輸入したロン (Ron)(ラム酒)などが飲まれる。 ボリビア人のチチャにかける情熱は強く、チチャを侮辱したイギリスの公使が、暴君メルガレホによりロバの背中に裸にしてくくりつけられ、スクレの市中を引き回しにされた事件がある。

また、アルゼンチンに近いタリハはボリビア屈指のワインの産地であり、ワインも好まれている。

・・・・・明日・次節に続く

◆   RECETA: SAJTA DE POLLO A MI ESTILO (deli!) ◆

・・・https://youtu.be/P7Mh82U95Tc?list=PLXvn69OpNCNTBBWVb1aq4oG6KU0r-Bww9・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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