≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡
= 数世紀に及ぶ外部世界の相互作用の結果 世界で最も多様性に富んだ料理を生んだ=
- ベルベル、スペイン、コルシカ、ポルトガル、ムーア、中東、地中海、アフリカの混合料理 -
数千年来輸入され続けた香辛料が独自のモロッコ料理を彩る
【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】
(文=中川明紀・ライター、編集者 イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ モロッコの金曜日は“クスクスの日” =1/3= ◆◇
猛暑が続く7月30日の昼下がり、私は東京駅の近くにあるホテルを訪れた。この日は北アフリカのモロッコ王国の国王、モハメッド6世の即位記念日。モロッコのナショナルデーであり、このホテルでモロッコ王国大使館主催のレセプションが行われていた。
私がこのようなイベントにいるのは、もちろんモロッコのソウルフードを求めてのこと。会場でモロッコの代表的な料理が振る舞われると聞いて参加させていただいたのだ。
「モロッコを代表する料理といえばタジンとクスクスです」
そう教えてくれたのは、このイベントに誘ってくれたヒシャム・リフキーさん。東京・西麻布のモロッコ料理店「ル マグレブ シャンデリア」のオーナーシェフで、モロッコ王国大使館のイベントなどでも料理を手掛けている。「タジン鍋が少し前に日本でも流行りましたよね」とヒシャムさん。そうそう、円錐形のフタが特徴的な「タジン鍋」でつくる料理がヘルシーで美味しいと、一時期大ブームになった。
「タジン鍋で煮込む料理をタジンというんです。簡単にいえば、野菜を使えば野菜タジン、鶏肉がメインならチキンタジンといった感じですね」
タジン鍋は蒸気が逃げにくい構造のため、あまり水を加えなくても食材の水分を利用して調理できる。水分が循環するので油を引かなくても焦げる心配があまりない。これがヘルシーだと言われる理由だが、モロッコではそういった認識はないらしい。
「モロッコ料理はオリーブオイルをよく使いますからね。タジンは週に4~5回食べるとても身近な料理で種類も豊富。南は野菜、山側は豆、海側は魚のタジンが多いなど、特産物の違いによって多少の差はあるかもしれませんが、基本的にどの家庭もその時に旬で新鮮な食材を使ってつくっていると思いますよ」
調理法的には蒸し料理に近いけれど、ヒシャムさんは「煮込む」というから和食でいう煮物のような感覚かもしれない。ただ、お祝いや特別な儀式の時に食べるタジンもあるという。レセプションにもそのタジンが供されていた。
「お肉とドライフルーツのタジンです。今日は牛肉ですが、ラム肉のほうが一般的。お肉とプルーンやイチジクなどのドライフルーツと一緒に煮込んだ、ちょっと甘いタジンなんですよ」
見れば肉の上にプルーンやレーズンがたっぷりのっているではないか。「甘い肉かあ……」と恐る恐る口に入れると、おやっ、甘くない。いや、確かに甘いのだがその甘さが肉の味に深みを与えている。さらにフルーツが本来持つ酸味とシナモンなどのスパイスが絶妙で、飲み込んだ後に心地よい余韻を残す。そして、フォークだけでスッと切れる肉のやわらかさ。素材のうま味を逃がさずに煮込むタジン鍋だからこそ、この味が生まれるのかもしれない。
「スパイスもモロッコ料理には欠かせません。例えば、クミンは魚料理には使うけれどチキンには合わないなど、スパイスは食材との相性や使う分量によって料理の完成度を変えてしまうから、すごく重要なんですよ」
次回に続く・・・・・・
◇ Making couscous in a Moroccan house ◇
・・・・・・https://youtu.be/zITV6f4kCbc ・・・・・
//////参考資料///////
■□ 参考資料:モロッコ料理 □■
モロッコ料理は、地中海料理、中世アラブ料理、ベルベル料理とアンダルシア料理が元になっている。オスマン帝国の支配を受けなかったため、アルジェリア料理やチュニジア料理に比べてトルコ料理の影響が少ない。
モロッコ料理では、クミン、パプリカ、サフランがよく用いられ、ハリッサはクスクスに添える程度で、料理にあまり使わないためチュニジア料理ほど辛くない。よく使われるハーブにイタリアンパセリやコリアンダーリーフがある。料理に干しぶどう、デーツ、アーモンド、レモンの塩漬け、オリーブをよく用いるのも特徴的である。東地中海地方(マシュリク)のアラブ料理とは異なり、ヨーグルトの消費は少ない。主食は主にパンである。
モロッコ料理では牛肉と羊肉が最もよく用いられる肉である。マグリブで育てられている羊の種類は、脂肪のほとんどを尻尾の近くに蓄える。そのため、羊肉特有の臭みはあまり強くない。鶏肉や鳩の肉もよく食べられる。南部ではラクダを食用とする。
ミントと砂糖を入れた緑茶(アッツァイ)はとても人気があり、茶葉は中国緑茶の珠茶や珍眉茶が好まれる。
モロッコ料理の食材 : ワルカ- 紙のように薄いパイ生地。バスティラやデザートに用いる。東地中海のフィロに似ているが、製法が違う。 / アルガン油 - アカテツ科アルガンノキの種子から絞った油。クスクスやサラダに用いる他、パンにつけて食べる。 / スメン- 澄ましバター。ハーブを練り込んだものや何年も醗酵させたものがある。 / ルアス=ル=ハーヌート)- カルダモン、メース、ナツメグ、シナモン、唐辛子などをブレンドした調味料。 / メルゲーズ- 羊肉や牛肉の辛いソーセージ。
・・・・・明日に続く
◆ 香り豊かなクスクスの作り方 ◆
・・・・・・ https://youtu.be/1OreAXZS6nw ・・・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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