≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡
= 中国やスペイン(旧宗主国)の影響を受け、「純粋な」フィリピン料理を挙げることは難しい =
- フィリピン人の国民食アドボはスペイン料理のアドバードが起源、豚や鶏を料理する -
アドボのレシピはあまりに多様なため、「最も一般的な作り方」は存在しない
【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】
(文=中川明紀・ライター、編集者 イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ フィリピンの“サリサリ”な豚肉料理 =3/4= ◆◇
15世紀末までキリスト教徒とイスラム教徒の攻防が続いたが、キリスト教徒が勢力を強めると、カトリックによって国家を統合するためにイスラム教徒やユダヤ教徒を迫害。信仰心をはかるため、彼らが口にしない豚肉食を推奨したという。フィリピンは東南アジアでは珍しく、8割以上がカトリックだ。
「ふだん、母がよくつくってくれたのはシニガンやアドボですが、うちのレストランではボピスやシシッグが人気です。どちらも豚の耳やほほ肉、内臓を使った料理。誕生日などちょっと特別な日に食べたり、大人はお酒のおつまみにしたりしますよ」
香草を使わないのはちょっと意外だった。これはスペインの影響を強く受けた歴史が背景にあるようだ。フィリピンはマゼラン率いるスペイン船が来航したことをきっかけに、1571年にスペインの植民地となった。それは19世紀末に米西戦争(アメリカ・スペイン戦争)でスペインがアメリカに敗れるまで続いた。
そのため、スペイン由来の料理がよく食べられているのだ。アドボもスペイン語で「マリネ」、つまり肉や魚、野菜を香辛料、酢、ワインなどを合わせた液に漬け込んだ料理という意味を持ち、スペインでは肉をマリネして焼いた料理をアドバードというらしい。酢をよく使うのは暑い土地で保存性を高めるための知恵かもしれない。
豚肉が好まれるのもスペインの影響だといえる。スペインは8世紀にイスラム教徒の支配下に置かれた。その後、15世紀末までキリスト教徒とイスラム教徒の攻防が続いたが、キリスト教徒が勢力を強めると、カトリックによって国家を統合するためにイスラム教徒やユダヤ教徒を迫害。信仰心をはかるため、彼らが口にしない豚肉食を推奨したという。フィリピンは東南アジアでは珍しく、8割以上がカトリックだ。
「ふだん、母がよくつくってくれたのはシニガンやアドボですが、うちのレストランではボピスやシシッグが人気です。どちらも豚の耳やほほ肉、内臓を使った料理。誕生日などちょっと特別な日に食べたり、大人はお酒のおつまみにしたりしますよ」
結婚式には豚の丸焼きが欠かせないらしい。特に豚の頭はごちそうで、クリスマスや誕生日のパーティーには必ずあるそうだ。豚の頭がテーブルに載っている光景はなかなかの迫力だろうと想像するが、アンナさんの店にも注文が多いという。「うちは全国に発送しているんですよ。お店にも関東一円からお客さんがくるんです」。
次回に続く・・・・・・
◇ Sinigang na Baboy Recipe | Filipino Cooking ◇
・・・・・・ https://youtu.be/9u4c_xobFLo ・・・・・
//////参考資料///////
■□ 参考資料:フィリピン料理(3/4) □■
主な料理=肉・魚介=
肉類では豚肉が最上とされ、次いでアヒル、鶏肉の順に珍重されている。食材を無駄なく使うフィリピン料理にはレバー、胃袋、肺臓、腎臓、腸などの内臓を使った料理も多く存在する。 酢を入れた豚肉の煮込み料理はパクシウと総称される。豚の丸焼きであるレチョンはフィリピンの祝祭(フィエスタ)に欠かせない料理であり、レチョンの皮を素手で上手にはがして食べられるかどうかがマナーの物差しになっていたと言われている。
肉料理 : アドボ - 醤油と酢を使った煮込み料理 / レチョン(lechon) - 豚の丸焼き / トシーノ(tocino)-豚肉の燻製(ベーコンの一種) / カレカレ(kari-kari) - 牛のテール肉のピーナッツソース煮(サヤインゲン、ナス、タマネギなどの野菜が入れられる) / カルデレータ(kaldereta) - ヤギなどの肉を使ったシチュー(スペイン料理の魚のシチューに由来) / ティノラン・マノック - ショウガやレモングラスを入れた鶏肉の煮込み / レリアノン・マノック(rellenong manok) - 骨を抜いた鶏の中に豚肉(ソーセージ、みじん切りにした野菜、ゆで卵などを詰めてオーブンで焼いた特別な行事で出される料理) / エンブティード(embtido) - フィリピン風のミートローフ / バロット(balut) - 孵化する直前のアヒルを茹でたもの / シシグ(sisig) / ボピス(bopis) / パクシウ(paksiw)
島国であるフィリピンは海産物に恵まれ、様々な魚介類が市場に並んでいる。魚は主要な副菜になっており、主要なタンパク源でもある。漁師が獲れたての魚をさばく場合を除き、生魚が食べられることはあまりない。キニラウ(キラウィン)は、生魚の切り身やカキにカラマンシーの汁、ニンニク、ショウガ、タマネギ、トウガラシ、食塩などで味を付けた酢じめである。
シバエビは炒め物やビーフンの具材として欠かせず、淡水に棲む小エビは野菜とともにウコイというかき揚げにされる。ウコイは日本料理のかき揚げと異なり、エビの頭と殻からとった出汁で衣をとく点に特徴がある。
魚介類 : エスカベッセ - 魚の唐揚げの甘酢あんかけ(揚げた=茹でた=魚のマリネであるスペイン料理のエスカベシュとは異なる) / キニラウ(キラウィン、kinilaw/kilawin)- 魚介類の酢締め / レリェノン・アリマサッ(レリアノン・アリマンゴ、rellenong alimango) - カニの身とタマネギなどを炒めて甲羅に詰め、卵の衣をつけて揚げた料理 / フィッシュ・ボール - 魚のすり身を丸めた団子を串に刺して揚げた料理 / ズワム(swam) - 田や湖で獲れたクホールと呼ばれるタニシに似た貝とジュウロクササゲを炊き合わせた簡素な料理 / イニハウナンプシット(Inihaw na pusit) - イカの丸焼き
・・・・・続く
◆ FILIPINO FOOD! what i eat in a day/フィリピン料理のレシピ紹介 ◆
・・・・・・ https://youtu.be/NGRVVf1Qk-w ・・・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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