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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =199=

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≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡ 

= 中国やスペイン(旧宗主国)の影響を受け、「純粋な」フィリピン料理を挙げることは難しい = 

- フィリピン人の国民食アドボはスペイン料理のアドバードが起源、豚や鶏を料理する - 

アドボのレシピはあまりに多様なため、「最も一般的な作り方」は存在しない

【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】

(文=中川明紀・ライター、編集者  イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ フィリピンの“サリサリ”な豚肉料理 =2/4=

 振り向くと笑顔で立っていたのは石川アンナさん。ソウルフードを知りたいという私のお願いに快く応じてくれたアンナさんに、シニガンについて聞く。 「シニガンはタマリンドを使ったスープです。豚肉を水に入れて火をかけ、さらに大根やほうれん草、ナスなどの野菜を入れます。そこに塩、コショウなどの調味料とタマリンドの汁で味をつけてじっくり煮込む。入れる野菜は家庭によってさまざま。お肉も豚肉がポピュラーだけど、牛や鶏でもいいし、魚とかエビを入れることもありますよ」

 タマリンドはアフリカ原産とされるマメ科の植物。サヤのような殻の中にある果実はねっとりとして酸味が強く、料理やお菓子の味付けなどに使われる(甘みが強い種類もある)。疲労回復や整腸効果があり、古くから薬としても重用されてきたらしい。

「タマリンドは日本では手に入りにくいのでシニガンスープの素を使ったりするけれど、本当は茹でたタマリンドの果実をつぶして使うのが一番美味しい」とアンナさん。フィリピンでは毎日食べる人もいるほどなじみ深い料理だという。

 せっかくなのでアンナさんと一緒にお店でランチをとることにした。大きな器で出されたシニガンをお椀によそって飲むと、確かに酸味が強いが、やわらかく煮こまれた豚肉の旨みと野菜の甘みが相まって滋味深い。後味はさっぱりしていて常夏のフィリピンにぴったりな味わいなのもうなずけるなあ……って、アンナさんはシニガンをご飯にかけて食べているではないか。

「フィリピンではご飯におかずを載せ、混ぜて食べるんですよ」。味噌汁というよりお茶漬けか。いや、ご飯に味噌汁かけて食べるのもうまいけど。

 アンナさんは豚肉のアドボも同様にして食べていた。アドボとは醤油と酢で肉や野菜を煮込んだ料理のことを指し、やはり日常的によく食べる家庭料理。肉は鶏でも牛でもいいが、豚が多いようだ。「フィリピンの人はみんな豚肉が好き。豚肉のアドボは日本の豚の角煮に似ているわね」とアンナさん。確かに醤油の黒々とした見た目は角煮そのもの。口の中で崩れるほどやわらかい豚肉はニンニクの風味が効いたややしょっぱめの味で……これまた酢の酸味がしっかりきいている。フィリピン料理は酸味が特徴なのだろうか。

「そうですね。酸っぱい、しょっぱい、甘いものが多いかもしれません。お菓子はすごく甘いものが多いですよ。その反面、辛い料理は少ないですね。ほかの東南アジアの国と違ってパクチーなどの香草もあまり使いません。よく使うのはローレル(月桂樹)くらいかしら」

 香草を使わないのはちょっと意外だった。これはスペインの影響を強く受けた歴史が背景にあるようだ。フィリピンはマゼラン率いるスペイン船が来航したことをきっかけに、1571年にスペインの植民地となった。それは19世紀末に米西戦争(アメリカ・スペイン戦争)でスペインがアメリカに敗れるまで続いた。

次回に続く・・・・・・

◇ Pork Sinigang Cooking Tutorial. ◇

・・・・・・ https://youtu.be/8GwkMBJNJ4c ・・・・・

//////参考資料///////

■□ 参考資料:フィリピン料理(2/4) □■

「アサド」はスペイン語では「ロースト」を意味し、セゴビア名物の豚の丸焼き「コチニーリョ・アサド」などの料理が知られているが、フィリピンでの「アサド」は中国系移民が伝えた叉焼を意味している。フィリピン料理の一つであるアドボは野菜、魚介類などの様々な食材を醤油で煮込み、ニンニクで風味を付けた料理であるが、スペイン料理に「アドボ」という名前の料理は無く、漬け汁を意味する言葉「adobar」に由来する。

チョリソー・デ・ビルバオは様々なフィリピン料理に使われる油分の多いソーセージだが、スペインのビルバオで同じ種類のソーセージは作られていない。

スペイン料理と同じく、フィリピン化された中国由来の料理も多い。スペイン人の来航以前から中国から料理、料理法を輸入していたフィリピン料理には使用する野菜、米食の位置付けなどで中国料理と共通する点が多いが、それらのフィリピン料理が中国料理に連なるとは言い難い。スペイン統治時代、レストランでは客であるスペイン人のために中国料理にスペイン風の名前が付けられ、フィリピン風のアレンジを経て現在はフィリピン料理として親しまれている。

フィリピン料理にはパンシット・カントンという具の多い焼きそばがあるが、広東料理にパンシット・カントンに相当する料理は無い。フィリピン料理には丸い中華鍋が使われるが、中国風の短時間の炒め方はあまり行われない。

外国からの影響を一切受けていない、「純粋な」フィリピン料理を挙げることは難しい。16世紀の航海者フェルディナンド・マゼランの航海に同行したアントニオ・ピガフェッタはパラワン島で米を調理した料理でもてなされたことを記録し、マゼラン一行が食べた料理はスマン、カラマイ、クチンタの名前で後の時代でも親しまれている。

牛のテール肉(あるいは胃袋)を煮込んでピーナッツソースで味付けしたカレカレ(カリカリ)は純フィリピン料理の1つに数えられるが、欧米の食文化に憧れる一部のフィリピン人はカレカレを蔑視している。伝統的にフィリピンでは手食(Kamayan)が行われていたが、スプーンとフォークを使った食事が一般的になっている。

フィリピンには出来立ての熱い料理をすぐに食べる習慣は無く、全ての料理は冷ました後に食べられている。大皿に盛られた料理を各人が自分の小皿にとって食べるフィリピン料理の形式は、かつての共食儀礼の名残だと言われている。皿に盛られた副菜のほとんどは一口大に切り分けられているため、皿にとった料理をナイフで切る必要はない。

・・・・・続く

◆ sinigang / シニガンの作り方 ◆

・・・・・・ https://youtu.be/bmFJdkggjCU ・・・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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