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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =198=

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≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡ 

= 中国やスペイン(旧宗主国)の影響を受け、「純粋な」フィリピン料理を挙げることは難しい = 

- フィリピン人の国民食アドボはスペイン料理のアドバードが起源、豚や鶏を料理する - 

アドボのレシピはあまりに多様なため、「最も一般的な作り方」は存在しない

【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】

(文=中川明紀・ライター、編集者  イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ フィリピンの“サリサリ”な豚肉料理 =1/4= ◆◇

 都内で用事を終えた帰り、小腹を満たそうとフラフラと駅前を物色していた時のこと。あきらかに異国のにおいがする派手な看板が目に留まった。ガラス戸越しに覗くと棚には食材や調味料、日用雑貨が並んでいて、イートインスペースもある。おもしろそうなので中へと入る。

 「ここはサリサリストアですよ」

  レジに立っていた店員さんが教えてくれた。「サリサリ」はフィリピンの言語の一つ、タガログ語で「いろいろな」という意味で、サリサリストアとは「いろいろな物がある店」、つまりフィリピンのコンビニエンスストアというわけだ。駅の売店のような店から食堂を併設したところまで、規模はさまざまだが、フィリピンには小さな集落にも必ずサリサリストアがあるらしい。

  さっそくイートインのメニューを見る。肉や魚の料理とご飯がプレートに載ったセットメニューが中心のようだ。せっかくならフィリピンのソウルフードが食べたい。しかし、返ってきたのは予想外の言葉だった。 「ちょうど今、従業員みんなで食事をとったところでご飯がなくなっちゃったのよ」

  えーっ! 食べちゃったって、まだ日も暮れてないよ。まかない早すぎるだろ……。心の中でツッコミつつも、ないのであれば仕方がない。気を取り直し、ソウルフードだけでも尋ねてみる。

「シニガンはとてもよく食べますよ。あと、アドボもみんな大好きね」

  シニガンは知っている。酸味の強いスープだ。以前、上野のアメヤ横丁でインスタントのシニガンスープの素を買ってつくったことがある(前記参照)。アドボは煮込み料理らしい。店員さんは、「うちはファストフード中心でシニガンやアドボはつくっていないのよ」という。

  でも、聞いたら食べたくなるじゃないか。そこで調べてたどり着いたのが、埼玉県戸田市にある「アナスサリサリストア」だ。レストランが併設されたサリサリストアで、メニューも豊富と聞いて訪れたのである。

 中は先日の店と同様に調味料や瓶詰、スナック菓子がずらり。冷蔵庫には飲料のほか、マンゴー、パパイヤといった果物も置かれている。どれも日本のコンビニやスーパーでは見かけないものばかりでおもしろい。「これだ、これだ」とアメ横で買ったものと同じシニガンスープの素を手に取って見ていると、声をかけられた。

「シニガンはフィリピン人にとって、日本人の味噌汁のように身近な料理なんですよ」

  振り向くと笑顔で立っていたのは石川アンナさん。首都・マニラ出身で店を経営する輸入会社「アナス・トレーディング」の副社長だ。ソウルフードを知りたいという私のお願いに快く応じてくれたアンナさんに、シニガンについて聞く。

次回に続く・・・・・・

◇ フィリピン料理『ポークアドボ』 ◇

・・・・・・ https://youtu.be/QnAgu0Boh7o ・・・・・

//////参考資料///////

■□ 参考資料:フィリピン料理(1/4) □■

フィリピン料理は、中国やかつての宗主国であるスペインの食文化の影響を受けている。他の東南アジア諸国では様々な王朝の宮廷の料理人が洗練された料理を作り出していたが、統一国家が形成されていなかったフィリピンに「宮廷料理」は存在しない。スペイン統治下のフィリピンではカトリックの布教を背景とする同化政策が進行し、テーブルと椅子で食事を摂る食習慣、カトリックの行事で出される特別な食事、調理技術などがフィリピンの食文化に導入された。

支配階級であるスペイン人の食文化はフィリピン人のエリート層に受け入れられ、他方で交易のためにフィリピンを訪れた中国人の食文化は庶民の家庭で受け入れられていく。その後、19世紀はフィリピン人の食文化に大きな変化が起こった時期と考えられており、フィリピン化されたスペイン料理と中華料理が一般家庭に普及していった。

19世紀末から第二次世界大戦後までフィリピンを統治したアメリカの食文化は、スペイン、中国ほどの影響は及ぼさなかった。アメリカの影響を受けて、マヨネーズで和えたジャガイモと鶏肉のサラダ、豆料理がフィリピンでも食べられるようになる。

スペインからフィリピンにラードやオリーブオイルを使って炒める料理法がもたらされ、フィリピン料理に脂肪とコレストロールが多く含まれる一因にスペインからの影響が挙げられている。複数の地域にまたがって食べられている国民食ともいえる料理にはスペイン風の名前が付けられており、ほとんどがスペイン統治時代に成立した料理である。

スペイン料理のコシードに酷似する牛肉、鶏肉、野菜などをニンニク入りのソースで煮込んだプチェーロはフィリピンを代表する料理の一つに数えられ、庶民の味覚として親しまれている。しかし、スペイン風の名前が付いたフィリピン料理の多くは、調理方法や素材がスペイン料理と大きく異なっている。

・・・・・続く

◆  【フィリピン料理】アドボの作り方adobo ◆

・・・・・・ https://youtu.be/_KldjqP7PB4 ・・・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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