≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡
= 遠い異国の地にいる時、ふと懐かしくなる料理がある。 我が味噌汁のように =
- ひとくち口にすれば体が喜び、心が落ち着き、自分のルーツを実感するまさに“魂の食” -
ヒマラヤ・タクラマカン・北極圏の地を彷徨った小生、“味噌汁の味”に己が自分のルーツを実感した
一昨年に中断した《ソウルフード巡礼の旅へ》再び、ナビ無しで
【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】
(文=中川明紀・ライター、編集者 イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 医者要らず?ケニア・カンバ族の食事情 =3/4= ◆◇
肉や魚を買うにしてもその日に食べる分だけだし、翌日の予定がよっぽど忙しくない限りは作り置きもしないから、冷蔵庫に入っているのは飲み物くらいだとフローレンスさんはいう。ウソーもムキモもそれなりに時間を要する料理だし、常備菜が大活躍する日本の食卓から見ると考え難いことだが、なぜなのだろうか。
「カンバ族が住んでいる地域は町から離れていて、病院がほとんどないんです。お医者さんに来てもらうまですごく時間がかかるから、病気にならないように体を大事にする。そのために栄養や鮮度にこだわっているんですよ」
だからフローレンスさんは、店でもなるべく新鮮なものを使うように心がけているという。カンバ族の料理は「医食同源」なのだ。
そう思うとますます体に力がみなぎってきた気がする単純な私。そういえば、ムキモも他の部族に広がっているんだよな。確認するとフローレンスさんは頷く。「イリオという名でも呼ばれていて、広く食べられています。ケニアで最も人口が多いキクユ族では、ジャガイモの代わりにプランテイン(調理用バナナ)を使うこともあるようです」
調べてみると、ムキモ(イリオ)はもともとキクユ族の料理だったという説もあるのだが、いずれにせよ、ケニアの地に根付いた料理であることは間違いないようだ。「部族によって言葉や文化が違っても同じ国に住み、いわばお隣さんのようなもの。食べ物をシェアしたりするうちに伝わっていったのでしょうね」とフローレンスさんはいう。
「もともとアフリカの多くの地域では現在のような国の概念がなく、部族ごとに集団で暮らしていました。お金もなく、物々交換だったから、砂糖が欲しかったらその土地に行って、自分がつくった服などと交換する。そうやって文化が行き来していたのだと思います」
それが、15世紀半ばに欧州各国がアフリカに進出。19世紀に入ると競うように植民地化していく。現在のアフリカの国のほとんどは列強によって分割されたものなのだ。「たまたまその土地に移動していたがために国境から出ることができず、とどまってしまった部族もいます。だからケニアには言葉も文化も異なる多数の部族が共存しているんですよ」
そんな複雑な歴史の中でも彼らはそれぞれの文化を大切にしてきた。しかし、外から入ってきた文化も拒絶していたわけではないようだ。
「たとえば、植民地時代に連れてこられたインド人がもたらしたサモサは、ケニアでもポピュラーなスナックです。でも、私たちが食べるサモサはカンバテイスト。いまでは自分たちの料理だと思っています」
そういえば、ムキモに使うジャガイモもコーンもアフリカ大陸の原産ではない。手に入るもの、与えられたものをうまく活用して自分たちの文化を紡いでいったのだ。もちろん、それはケニアに限らず世界中で見られること。ただ、体を内側から元気にしてくれるウソーやムキモには、複雑な歴史を重ねてきたケニア、そしてカンバの人びとのたくましさが宿っている気がした。
明日に続く…
◇ ゆったり料理 アフリカ料理「ピラウ&カチュンバリ ◇
・・・・・・ https://youtu.be/1zzat5a5mgo ・・・・・
//////参考資料///////
■□ 参考資料:ケニアの主要な民族(3/4) □■
民族の家族的な単位は男系の民族あるいはクラン(clan)の下にサブクラン(sub-clan)、更にその下にリネージ(lineage)というように血縁による縦のつながりが重層的に見られるものであり、これにリイカ(参照: #割礼)というバリ同士を横につなげる機能を果たす集団が加わり、民族全体の一体性が強固なものとされてきた。
伝統的に結婚の際は男性が女性の実家に対して婚資(bride price あるいは bridewealth)を払う習わしが存在する。支払いは数本のサトウキビやヒョウタン数本分の蜂蜜酒、ヤギや羊数十頭などで行われる。故に資産のない男は結婚することができず、=良い娘は貧乏人の門を素通りしていった=ということわざが生まれた。なお、かつては男性が婚資を支払った後に娘が嫁に出されたが、現代においては先に娘が嫁いでから男性が長期的に婚資の支払いを行う例が多い。
また伝統的に一夫多妻制が存在し、民族学者でもあったジョモ・ケニヤッタは「キクユは幼少の頃から、男になるというのはできる限り多くの妻たちとの家庭を愛して保つことであると教えられていた」と述べている]。そのため、一人の男に対して妻が複数人いることを前提とした=女房二人は毒の壺二個=ということわざが存在する。
キクユ族の個人名の構成は、様々な例外は存在するが、基本的には「洗礼名+父方あるいは母方の祖父母の個人名+父親の個人名」という形をとり、姓は存在しない。2番目の祖父母の個人名は生まれた子の性別に対応する方が選ばれる。
例外の一つとしては一つ前に生まれた子供が死亡してから同性の子が生まれた場合が挙げられる。この場合も二番目の名前の相続は一応行われるが、新生児に前の子と同じ不幸が降りかかることを恐れて日常のみならず公式にも用いられるニックネームがつけられる。このニックネームは男児の場合はカリウキ(Kariũki/甦ったやつ〉、女児の場合はジョキ(Njoki)〈戻ってきたやつ〉が主に用いられる。
なお、一部の名前は当人および親族のクラン名が分かるものとなっている(例: ワンジル (Wanjiru) の名を持つ者はアンジル (Anjiru) クランの出身である)(参照: キクユ族#部族組織)。
・・・・・続く
◆ アフリカの食「アンバシャ」 ◆
・・・・・・ https://youtu.be/D31E8NHGnf0 ・・・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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