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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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皇帝ペンギンの潜水戦略_学究達=261=/塩見こずえ(10/11)

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長くて27分以上、深さにして560m以上 鳥類でいちばんの潜水能力

-65℃の氷原上で身を寄せ合い、雪しかない絶食状態にて繁殖地で抱卵するオス

卵が孵化する約120日間で体重は40%以上減少、再び海洋に戻る途中に死ぬオスがいる

オスだけが抱卵するコウテイペンギン、その潜水戦略を解き明かす塩見こずえ

【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂

(文=川端裕人/写真=藤谷清美、塩見こずえ(調査) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 塩見こずえ(10) /  第5回 オウサマペンギンもオオミズナギドリも =1/2= ◆◇

 塩見さんは、コウテイペンギンばかり研究しているわけではない。

 外国の基地に行かねばならない研究である以上、毎年、呼んでもらうのは難しいし、季節も南極の夏の2カ月間くらい限定だ。

 そこで、普段は、日本国内のオオミズナギドリの研究に力を注いでいる。これも、バイオロギングによる研究で、「オオミズナギドリは距離に応じて島に帰り始める時刻を変える」「オオミズナギドリのスケジュール管理」といった切り口で、すでにおおやけにされている。塩見さん自身が、バイオロギングの研究会報告に書いた一文が秀逸だ。

──私が関東での暮らしにおいて何よりも辛いと感じるのは、飲み会の後、電車で帰らなければならないことです。家からどのくらい離れた場所で飲んでいるかによって終電時刻は変わるので、それを逃すことがないよう気を付けるのがめんどくさいのです……(中略)。

   時には飲み足りないこともありますが、終電を逃せば心身もしくは財布にダメージを受けることになるので、だいたいちゃんと帰ります。遠ければ早めに飲み会場を去るし、近ければ遅くまで粘ります。……今回私たちは、繁殖地から海へ餌獲りに出かける海鳥が、これと似たような行動調節を行っていることを発見しました。

 といった具合。

 コウテイペンギンの研究でも見られたように、「行動を変えるタイミングや、その判断」について関心を抱き続けている。

 また、ことペンギンについても、塩見さんは2011年1月から3月にかけてフランス領クローゼ諸島に出かけ、オウサマペンギン(キングペンギン)の野生の営巣地でバイオロギングの調査をした。クローゼ諸島はインド洋のはるか南に浮かぶ島々で、ペンギン好きには有名なオウサマペンギンの営巣地のひとつだ。南極での「ペンギン牧場」とは違い、営巣中の完全に野生のオウサマペンギンにデータロガーを取り付けた。

「コウテイペンギンのように氷の下を潜るのではなく、氷のない開けた海での採餌トリップです。野生の親鳥が出かけて戻ってくる間の潜水経路のデータを取りました。全部で7個体でデータが得られていて、そのうち2個体はトリップを全部カバーできています。

   オウサマペンギンの採餌トリップは、営巣地から400キロくらい南まで、1週間くらいかけて行って帰ってくるんですが、最大到達点あたりでグニャグニャ餌とりをたくさんしてるんじゃないかという動きをしてましたね。いい漁場だという見込みがあって、そっちに向かうんでしょう。これを、トリップ全体のスケールと、1回1回の潜水経路のスケール、2つのスケールで見たら、新しいことがわかるんじゃないかなと思っています」

 この件は、まだ論文としては発表されていないので、ここまで。

 オウサマペンギンの往復800キロにもなろうかという採餌トリップのデータからは何が見えてくるのか。塩見さんの解析結果と考察を、楽しみに待ちたい。

・・・・・明日に続く・・・・・

■□参考資料: ペンギンは海のハンター? (4/5) □■

__水中での意外な生態や驚異の潜水能力とは__

水中に特化した身体 : 流線型のフォルム

ラグビーボールのような体型で「どこがウエストだ?」と言いたくなりそうな身体をしているペンギンですが、意外とこの体型は速く泳ぐのに適した体となります。この流線型のフォルムが水の抵抗をかなり抑えてくれるので、陸上では邪魔で歩きにくい体だとしても水中ではスイスイと泳ぐことが出来るのです。

しかし、この体型を手に入れるために失ったものもあります。みなさんはどの部分になるか分かりますか?

実は『足』の部分になります。

ペンギンはもともと長い足を持っているのですが、流線型のフォルムを手に入れるためにわざと折りたたんで体の中に入れ込んでいます。外見はまっすぐに立っているように見えますが、実は常に膝を曲げて中腰のような姿勢で歩いているという訳なんです。

ペンギンの象徴とも言える『よちよち歩き』は水中で素早く泳げるようになるために支払った代償なのかもしれませんね…

驚異の潜水能力 : 潜る深さは○○○m以上

ペンギンの種類によって潜れる深さは様々ですが、どのペンギンにもある程度の深さまで潜れる潜水能力が備わっています。その中で計測上もっとも深く潜った記録がコウテイペンギンの計測記録で、その深さはなんと564m!

How does a penguin launch itself from the sea?  https://youtu.be/snAvGxz7D04 

素潜りのスペシャリスト集団である海女さんたちでも30m潜ればすごい方なのに、魚類でなく鳥類のペンギンがここまで深く潜れるなんて驚きですよね!ちなみに、光が届かない深海まで潜ってペンギンが何をしているのかは現在の科学でも未だ解明されていません。何のために深く潜るのか今でも謎なんです。

魚を追いかけるのに夢中になってて気付いたら564mまで来ちゃった…なんてことはまさか無いでしょうからね(笑)

肺呼吸なのに長く潜れる

ペンギンも人間と同じように肺で呼吸をする生き物なので深く潜るためには息を長く止める必要があります。ペンギンには長い間息を止めるための様々な機能が備わっているので長時間呼吸をしなくても大丈夫なのですが、その息を止める時間の長さが驚異的。

人間が息を我慢した場合30~60秒程度で限界を迎えますが、ペンギンはなんと最高で27分間息を止めることが出来たそうです…恐ろしいタイムですね。

ギネスの世界記録で22分22秒の間息を止めることが出来たという超人的な人もいるみたいですが、じっと動かずに22分息を止める人間とエサを探し回って27分息を止めるペンギンを比べればその差は歴然ですね。でも、どうやったらそこまで長く潜れていられるのでしょうか。

あの体のどこにその秘密が隠されているのか気になりますが、実はペンギンが深く潜れる秘密はペンギンの血液と筋肉、あと生まれつき備わっている体温の調節機能に理由が隠されています。

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◆ 皇帝ペンギンの営巣地を訪ねる旅 ◆

動画のURL: https://youtu.be/BfMVriXtoJc    

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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