もしも目の前の光景がホントかウソかまるっきりわからなくなってしまったら――
予め用意した「過去」の映像を「現実」と差し替えて・・・・
何が現実かをカンペキにわからなくする装置がついに開発された
その「代替現実」システムを発明した藤井直敬!!
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂
(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆藤井直敬(ex) / 参考資料: VRに隠された壮大なる野望とは (3/3) ◆◇
=人類に1個フェーズを突き抜けさせる男 藤井直敬 / 文:武田篤典=
上記(前記)のような まさに、狙いどおりの実験環境ができたのだ。
このエイリアンヘッドはSR(代替現実)としてかなり話題になり、たくさんのメディアで取材され、理研の藤井さんのところにはクリエイターとか広告代理店とかいろいろな属性の人たちが、毎週体験しに来るようになった。
「それがほぼ2年続いて、延べ1,000人以上の人が理研で体験してくれました。SRって分かりやすくて面白いから誰がやっても盛り上がるんですよ。それで体験後には大体1時間ぐらいのブレストをしました。僕が体験者を受け入れていたのは、この技術を使ってなにか面白いことをやってくれる人がいればいいなと思っていたから。そこのお手伝いができるなら素晴らしいなと。でも誰も手を挙げなかったんです。こんな面白いのにどうするんだよ! って(笑)」
やがて起業することに考えが至った。
ハコスコがダンボールであった意味
そもそもの目的だった「社会脳」の方はどうなったかというと、「なんか面倒臭くなっちゃって(笑)」うっちゃってしまったという。それほどSRが面白かったのだ。
「自分自身が体験してすごく不安になったんですよね。見ているものが現実なのか仮想なのかがまったく分からなかったし、そんな体験は今までしたことがなかったから、これは人の本質にものすごく大きな影響を与えるテクノロジーだと思った。どこまで発展していくか分からないなって」
また、いい加減、研究のスピードの遅さにうんざりしていたという。
「基礎研究ってひとつのスパンが約5年かかるんですね。実験が終わって結果が出て、論文が世に出るだけでもへたしたら1、2年かかる。というのも、できるだけいい雑誌で発表したいから、上から順に当たるんですが、1誌に投げて戻ってくるのに何カ月もかかる。ダメなら次、ダメなら次ってやってるうちにすぐ2年経つ。そういうタイムスパンで仕事をしていくと、僕、今50過ぎなんですけど、仮に65歳まで働くとしたら、あと3回ぐらいしか回せないじゃないですか」
2年かけていろいろな人に体験してもらって、また、このシステムを使った「ミラージュ」というアートパフォーマンスをつくって、自ら生み出したシステムの面白さを世の中に問うたけれど、「面白い!」という答えしか返ってこなかった。それは藤井さん自身を面白がらせてくれるものはなかった。だから、「もっと多くの人に体験してもらわないといけない」と思ったのである。
それで、巨大なデバイスと研究室限定での体験という足枷から自由になるために、ダンボールに着目したのだ。だが起業して2年、まだ「これは!」という使い方には出合っていないという。
「360度に最適な映像表現をつくれるのは、これまでテレビとかをつくってきた人とは違う気がしていて。彼らは映像のプロという自負があるんですが、作品を見ると"それでいいのかなあ・・・・・・"って。まだ僕たちはこの技術の使い方はわかってないのかもしれません。でも最近、レッドブルのクリフダイビングの映像を見て、"プロがつくるってこういうことなんだな"って思い知らされました」
"こういうこと"とは、どういうことか。まあ見てみてください、と藤井さんは言いスマホを差し出す。おお、ドローンが崖に沿って上空高く登ったかと思えば、ダイバーを捉え、カメラは絶妙のタイミングでダイバーの主観に替わる。ダイブ! ぐんぐん海面が近づき、そのまま水中へ・・・・・・。素材といい、編集の間といい、ものすごく気持ちいい! ぜひ、スマホで見てみてください。
そしてハコスコと人類は次なるフェーズへ
「どこまで発展していくかわからない」と言いつつ、藤井さんは静観しているわけではない。実は、エイリアンヘッドに似たSRの機能を、誰でもフリーで落とせる「ハコスコ」のアプリに、昨年末からすでに実装ずみなのだという。ハコスコ自体の認知も上がり、VRにもまあまあ慣れてきている状況をさらに進化させようとしているのだ。
「僕らもベタな映像を配信していて、体験者は"あ、また360度の動画ね"ってご覧になると思うんですが、気づいたら"今自分が見てるものって現実なの? 仮想なの?"っていうSRに切り替わるような仕組みを作るのに2年半かかって、ようやく去年の暮れに実装しました。僕らが理研でやっていたような実験を、普通の人が自宅で体験できるようになってきたんです」
と、藤井さん、自身のスマホを見せてくれる。そこには切り抜かれた藤井さんの映像。これをライブカメラに合成することができるのだ。そしてハコスコビューワーにはめてみると、目の前の風景に藤井さんがいるように見える。
「映像ベースだけで判断すると、ライブで僕がそこにいるのと変わらないんですよ。それを映像と混ぜたり切り替えたりできる。もうデータを取ろうとか、そういうことは諦めていて、今興味があるのは、普通の人が現実と仮想の区別がつかなくなったときに、現実の世界とどう関わっていくのかという点です。
理研でSRの実験をやってたときに面白かったのは、見ているものが現実か嘘か分からなくなった瞬間にはみんなフリーズしちゃうんです。だけど、そこで話しかけられると"もしかしたらこの藤井さんは映像かもしれないけど、答えないと失礼だよな"って思って、とにかくコミュニケーションを始める。現実であろうと仮想であろうと、人は気にしなくなるんですね。
大袈裟なようですけど、世界の認識の仕方がまるっきり変わる。人間がそのフェーズを突き抜けるところを何度も理研で見てきて、それがスマートフォンとダンボールでできればすごいなと」
ファーストステップのゴールはそこだという。その後の野望を聞くと、「空間のあちこちに情報を貼り付けたり埋め込んだりすること」と、藤井さんは言った。ヒントはマイクロソフトのホロレンズ。検索されたし。
ハコスコのほうは、人がそれと認識しないうちに現実と仮想の間で知覚をグラングランにし、揚げ句、人類を次のフェーズに連れて行くという、その神のごとき仕組みを実践していくため、今後SRのワークショップを展開していくとのこと。
「今年の夏ごろまでに面白そうなのをいくつか出せればいいなと。ただのVR体験アプリだと思っているかもしれませんが、皆さんが知らないだけで、落としたアプリの中には"その仕組み"は確かに実装されていますからね(笑)」
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◆ 仮想現実の先に、ソニーが描く新しい世界 - Project Lindbergh - ◆
動画のURL: https://youtu.be/Dmo5Hq4ROBk
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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