ゲリラ豪雨・竜巻・落雷・ひょう_大きな被害をもたらす突発的な悪天候
狭いエリアで起こる激しい天気は、“雲の王”とも呼ばれる積乱雲が原因だ
“気候変動に伴う極端気象に強い都市創り”という防災対策上、切実で現実的な研究
主にゲリラ豪雨や竜巻の予報技術の確立に取り組む真木雅之
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂
(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆真木雅之(04) / 第2回 ゲリラ豪雨が観測できる魔法のレーダ =2/3= ◆◇
造船技士志望の若者が、観天望気に目覚め、気象レーダという人工の目を使った研究に手を染めるまでの物語。そこから先、長年の研究史を「省略」させていただいて現在の一大プロジェクトに話を移すと、その中核にあるのが、新型のレーダ観測機器だということになる。
「Xバンド(マイクロ波の一種で、波長3センチほど)のマルチパラメータレーダを首都圏に重点的に配置した観測網が整いました。防災科研が持っているレーダだけでなく、国交省、中央大学、電力中央研究所、防衛大学校、山梨大学、日本気象協会などのものも併せて、X-NETというネットワークをつくり、世界でも最初の大都市での稠密観測を試みています。現在、7台のMPレーダと2台のドップラーレーダがネットワークにつながっています」
Xバンドというのは、使う電波の波長(周波数と言い換えてもいい)だからなんとなく分かったつもりになるが、耳慣れないMP(マルチパラメータ)とはいかなるものか。
「従来型のドップラーレーダに比べて、得られる情報が多いのと、雨量などの推定が正確になるのが特徴です。Xバンドは雨による減衰が激しくて、気象観測に向かないと言われていたんですが、マルチパラメータの観測では、その弱点を補う以上のメリットがあることが実証されて、評価されるようになりました。マルチというからには、これまでのレーダでは得ることができなかった情報を引き出します」
ドップラーレーダと呼ばれる従来型観測レーダは、降雨から反射してくる電波を捉えるものだった。発した電波が反射してくる強度から雨の位置や強さを推定する。さらにドップラー効果で帰ってきた電波の波長(周波数)がどれだけ変わったかもみて、雨がどの方向に動いているか情報を得る。電波強度プラスアルファなので、シングルパラメータ、あるいはダブルパラメータくらいか。なお、ドップラー効果とは、サイレンを鳴らした車とすれ違った時に急に音の高さが変わる、だれでも経験したことがある経験の背後にある物理現象だ。
一方、MPレーダでは、レーダである以上、電波を発するのは当然として、その反射を水平・垂直の偏波に分けて観測・比較することから多くの情報を取り出す。偏波について少しだけ説明すると、電磁波は(もちろん光も含めて)「波」であるわけだが、ぼくたちが海の波から想像するのとは違う。通常の状態では、進行方向の上下左右360度すべての方向に振幅している。水平偏波、垂直偏波というのは、その水平成分と垂直成分ということだ。
「落下する雨粒は空気抵抗の影響で、上下につぶれた形をしているんですね。このつぶれ具合は雨粒が大きくなるほどはっきりしてきます。大きな雨粒が多いと、水平偏波での観測と垂直偏波での観測で反射の強さが違ってきます。これは反射因子差と呼ばれるパラメータです。さらに重要なパラメータとして偏波間位相差があります。これは水平偏波と垂直偏波の伝わり方、つまり速度がどのくらい違うかを表すパラメータで、大きな雨粒が偏平な形をしていることから発生する現象です。このように、反射因子差と偏波間位相差は雲の中の雨粒そのものの形や大きさの情報を反映しているパラメータですので、この情報を利用することにより雨の強さをより正確に求めることができます。Xバンドの波長は3センチほどでして、ほかの波長に比べて偏波間位相差を感度良く測定できる波長です」
・・・・・・明日に続く・・・
■□参考資料: 異常気象と地球温暖化の関係について(2/4) □■
地球環境研究センター 気候変動リスク評価研究室長 江守正多
地球温暖化とのかかわり
しかし、近年、極端な高温や大雨の頻度が長期的に増加する傾向の背景には、地球温暖化が関わっているとみられます。地球温暖化により、長期的な傾向としては地球の平均気温が上がっています。すると、地域ごとの気温は不規則に変動しながらも、極端に暑くなる頻度が徐々に増えてきます。雨に関していうと、地球温暖化による長期的な気温の上昇にともなって、大気中の水蒸気が増えます。すると、雨をもたらす低気圧などの強さが変わらなかったとしても、水蒸気が多い分だけ割増で雨が降る傾向になり、大雨の頻度が徐々に増えていきます。
地球温暖化のしくみ
地球温暖化は、二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に増加することで、赤外線が地球から宇宙に逃げにくくなり、地表付近の気温が上昇する現象です。現在、大気中の二酸化炭素濃度は400ppmに達しており、これは産業革命前の値、280ppmのおよそ4割増しです。この原因が、人間活動による石炭、石油、天然ガスなど化石燃料の燃焼にともなう二酸化炭素の排出であることは間違いありません。一方、世界の平均気温は、産業革命前から0.8℃程度上昇しており、1980年代、90年代には特に気温上昇が顕著でした。今世紀に入って気温上昇が鈍っていますが、その理由の大きな部分は、熱が海の深層に運ばれているためと考えられます。逆に、今後、海の深層の熱が地表付近に出てくると、再び顕著な気温上昇が生じることになります。 ・・・・・・明日に続く
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◆ 【20分でわかる!温暖化のホント】 ③ ◆
動画のURL: https://youtu.be/bZnHsyIoe_A
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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