2050年までに、サッカー世界チャンピオンチームに勝てる人型ロボットチームを作ろう!
小説『銀河のワールドカップ』のモチーフにもなったそのシミュレーションリーグ
1997年にスタートした「ロボカップ」大会、「チーム・ヘリオス」が完全優勝を果たした
ロボカップ サッカーシミュレーションリーグ 秋山英久・中島智晴
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂
(文・写真・動画=川端裕人 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 秋山英久&中島智晴(06) / 第3回 “スルッと抜ける”ドリブルの秘密 =2/3= ◆◇
中島さんは言う。
「例えば、僕がやった研究の中でいうと、最初、真っすぐ行くのと、ターンするのしか教えていない状況で、動くボールを追いかけなさいっていう指示を出したことがあるんです。実は、動くボールを追いかけるのは結構難しくてですね、最初はうまくいかない。で、うまくいかないときに『駄目じゃないか』って怒ってやるんです。プログラムに怒るっていうのは変ですけど、マイナスの点数をあげる、と。で、ボールに近づけたらちょっと褒めてあげる、プラスの点数をあげる。こういうのを繰り返していくと、勝手にプレイヤーが動き方を覚えてくる。このタイミングで真っすぐに行けばいいし、このタイミングで曲がればいいというふうに。それで、ボールに追いつくことができると。動物に調教するのと同じで、エサをあげるとか、罰するとかいうかわりに数値で表しているという点で違うだけなんですね」
ちなみに、今の動物園・水族館では、例えば、ゾウやイルカをトレーニングするのに、「叱る」「罰を与える」よりも、良い行動が出来た時に褒美を与えることが推奨されているのだけれど(これは動物にかかわる倫理の問題)相手がコンピュータのプログラムであるエージェントなら、昔からある、褒めて叱る方法になんら問題はないのだろう。
「で、ポイントは、ほめたり叱ったりしている僕は、本当はエージェントがどう動くのがいいのかなんて分かっていないんです。でも、今の動きは良かった、悪かったと評価し続けるだけでも、エージェントは勝手に動き方を覚えるという。そこが重要なんです。で、試合の前に、ボールを追いかける動きを練習させて、ある程度動けるようになったら、そのエージェントをそのまま持っていって試合をする、と」
動画: Spinning Kicker In RoboCupJunior Soccer Open https://youtu.be/Cvr9OlNaKdM
ここで説明してもらったものは、強化学習と呼ばれる手法で、エージェントが将来人間に勝つ技術を身につけるためにはとても重要な要素の一つであるらしい。なお、試合ごとにランダムに決まるのは、選手のスタミナだとか、足の速さだとか、そういったものの配分なので、中島さんが動き方を覚えさせた部分がリセットされるわけではない。念のため。
さらに、試合になると、ヘリオスのエージェントは、独自に自分のプレイを評価する関数のようなものを持っていて、「良かった」「悪かった」と自己分析して、どんどん賢くなっていく。あるいは、相手が予期しないパターンで攻撃してきた時にそれに対応するために自分の行動パターンを適応させていく……と当初ぼくは考えていたわけだ。ただここの部分は、ちょっと先走りすぎていたのは前回も述べたとおり。
「現時点においては、練習で培ってきたものをヨーイドンでぶつけ合いましょうっていう形ですね。でも、これからやろうとしていることが、まさにそれで、敵の動きを試合中に覚えようと。敵がどう動くかっていうのがわかると、プレイの成功率も上がっていきますから」
というわけで、今のチーム・ヘリオスは、個人戦術を持ったエージェントが、最初に動画でみたような即席のグループ戦術を持っているように見えるところまでは行っているが、ゲーム戦術の途中変更などには対応できていないという。というか、そこまでできるチームはいまのところない。だからこそ、中島さんは、今後の課題として、試合中での学習に力を入れていくという。
しかし、「ヨーイドンでぶつけ合う」現状でも、あれだけの試合が展開されるのはなぜなのか。事前の学習によるエージェント(選手)のスキルアップには、奥深い「何か」が潜んでいるようだ。
中島さん自身の体験としてこんなことを語ってくれた。
「僕の経験ですごかったのは、過去の優勝チームのドリブルがすばらしかったので、賢く真似てみなさいと、見取り稽古のようなことをエージェントにさせました。そうしたら、ドリブルの動きが優勝したチームと全く同じような感じになったんです。そのチームで大会に出て勝ち上がり、世界4位になれたんです。本当にドリブル以外は何もできないのに、よくそこまでやったなあ、と」
・・・・・・明日に続く・・・
■□参考資料: 国際ロボカップ大会 (6/6) □■
ダンスチャレンジ
子供達が製作したロボットによる自由演技ベースのダンスパフォーマンス競技。ロボットの動きだけでなく、全体のプレゼンテーション力も評価される。演技する床面は赤・黒・白のテープで矩形に区切られており、その範囲内でロボットに自律制御の演技をさせる。センサの活用度やプログラミングの高度さ、機構製作のアイデアなども審査の対象となる。
レスキューチャレンジ
ロボットに決められたコースを辿らせて、早く確実に被災者を発見していくという競技。被災した建物を模したコートは白色の床で、黒ビニールテープでラインが描かれている。このラインをトレースしてロボットを進ませるが、ラインは途中で20cm程度途切れた部分(ギャップ)が設けられており、また障害物やバンプが置かれていたり、木の棒が撒かれていたりする。2009年ルールまではライン上のところどころに緑と銀の「被災者」を模したシールが貼られ、それを発見して停止し光で知らせることとなっていたが、2010年ルールでは2階の缶型「被災者」を発見・救出するように変更された。コースには斜度20度程度の斜面があり、斜面と最後の部屋にはラインが設けられていないことが多い。2010年ルールではゴールがなくなり、被災者を避難エリアに救出して競技終了となる。
動画: New generation of soccer robot for RoboCup Junior Open https://youtu.be/fuTrGaSgjog
ロボカップ@ホーム /
ロボカップ@ホームは、サッカーで培われた技術を今度は日常生活で活用しようという試みであり、キッチンやリビングルームでの利用を想定して、ロボットがいかに人間と共に作業を遂行できるか、その技術を競技形式で評価する。
2006年ブレーメン大会で初めてエキシビションが行われた。
日本では2008年のジャパンオープン(沼津大会)から公式競技として実施された。
現在は非開催のリーグや企画
これまでいくつかのリーグが、提案されてきたがエキシビジョンのみ開催されたり、数年で終了したリーグなどがある。
RoboCup@Space
月面探査ロボットなどを想定したリーグで、2007年頃に企画されるが本開催には至らず。 概念はGoogle Lunar X Prizeに近いものだった。
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◆ ロボカップサッカー シミュレーション ◆
動画のURL: https://youtu.be/qlXGFfgCnjU
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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