2050年までに、サッカー世界チャンピオンチームに勝てる人型ロボットチームを作ろう!
小説『銀河のワールドカップ』のモチーフにもなったそのシミュレーションリーグ
1997年にスタートした「ロボカップ」大会、「チーム・ヘリオス」が完全優勝を果たした
ロボカップ サッカーシミュレーションリーグ 秋山英久・中島智晴
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂
(文・写真・動画=川端裕人 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 秋山英久&中島智晴(05) / 第3回 “スルッと抜ける”ドリブルの秘密 =1/3= ◆◇
大阪府立大学の中島智晴教授は、福岡大・秋山助教よりも、後になってからロボカップ・シミュレーションリーグに参入した。ことロボカップにおいては後輩ということになる。もともとはチーム・ヘリオスではなく、大阪府大の単独チームを率いていた。
「博士論文では知能システム的なものの手法を研究をしていたんですが、教員になってからは、その手法をどこかに生かしたいなと思っていたんですね。エージェントの研究がいいかなと思っていましたら、システム制御情報学会という学会でロボカップのシミュレーションリーグの研究が目に入りまして。じゃあ、やるか、と参加したのが、2002年福岡・釜山大会でした」
秋山さんとは、最初はライバルとして、国内大会でも国際大会でもしのぎを削る関係だったようだ。
「実は、全く及ばなかったんですが、追い付こうと頑張っていました。僕は、賢いエージェントを作りたいんですけど、実際やってみると、賢いものをつくる前の段階での、シミュレーション自体の作り込みもすごく大切な部分だったんです。僕のやりたいことは、まずつくり込んでからもっと賢くするという部分だったので、秋山さんが既につくってくれているものの上でやればいいということになりました。秋山さんも、賢いエージェントを目指していて方向性が似ていたこともあって、協力してやっていこうということになったんですね」
ここで言う「シミュレーションの作り込み」について、語ろうとすると、人工知能について非常に深いところにまで突っ込まなければならなくなる。この記事内で扱える範囲(ぼく自身の説明能力も含めて)を大きく超えてしまう。秋山さんが解説してくれたことをかいつまんでおく。
シミュレーションを作り込む際のポイント──
送受信の問題 エージェント(選手)は、サーバから飛んでくるセンサ情報を逃さず受信し、正確に処理した上で、今度はコマンドを送信しなければならない。 環境の認識 エージェントが観測した情報から、矛盾のない環境を再構築しなければならない。例えばゴールなどとの相対位置で、自分の位置を推定したり、移動する相手選手の個体情報が分からない場合は、過去の情報と照らし合わせて、整合性の取れるような「メンタルモデル」を再構築しなければならない。 意思決定 認識した世界の状態に応じて行動を決める。同時に複数のコマンドは実行しないような仕組み、さらに周囲を見渡す首振りなどのコマンドと整合性が保たれるような仕組みが必要になる。これらが賢い動作をさせるための土台となる部分。動画: OP-AmP 2017 RoboCup Small Size League Team https://youtu.be/yaFfWd6ZHGA
意思決定 認識した世界の状態に応じて行動を決める。同時に複数のコマンドは実行しないような仕組み、さらに周囲を見渡す首振りなどのコマンドと整合性が保たれるような仕組みが必要になる。これらが賢い動作をさせるための土台となる部分。といったふう。
この中で、「意思決定」はもちろんのこと「環境の認識(メンタルモデルの構築)」も、十分すぎるくらい知的な営為だ。人間の場合は、こういったことをかなり無意識に行っているわけだが、人工知能では、普通に生活している分には意識しないですむこんな部分を、プログラムで表現しなければならなくなる。
そして、その上で、我々が普通に想像する、学習などを通じた「賢さ」について語る段階に入ることができる。
どうやったら、エージェントのサッカー選手は賢くなるのか。
中島さんは言う。
「例えば、僕がやった研究の中でいうと、最初、真っすぐ行くのと、ターンするのしか教えていない状況で、動くボールを追いかけなさいっていう指示を出したことがあるんです。実は、動くボールを追いかけるのは結構難しくてですね、最初はうまくいかない。で、うまくいかないときに『駄目じゃないか』って怒ってやるんです。プログラムに怒るっていうのは変ですけど、マイナスの点数をあげる、と。で、ボールに近づけたら・・・・・」
・・・・・・明日に続く・・・
■□参考資料: 国際ロボカップ大会 (5/6) □■
サッカーチャレンジ /
改造可能な市販ロボット等を使って2対2のサッカー競技でロボット単体の性能や、チームプレイを競う。現在日本国内では、交流の機会が少なくなるとの理由から1対1は行われていない。2対2で使用するロボットについては、直径22cm×高さ22cmの円筒形に収まるサイズにしなくてはならない。部門はライトウェイトリーグとオープンリーグの二つに分かれ、ライトウェイトリーグは1.1kgの、オープンリーグは2.4kgまでの重量制限がある。赤外線パルスを発光するボールを使用するため、ロボットはボールを見つけるための赤外線センサや壁を探知するセンサなどを搭載する。
ほとんどのロボットがマイコンを搭載しており、パソコンでプログラムを作成して自律制御させる。小学生年代からこの様な制御技術を扱うため、実際には対応したロボットキットを使うケースが多い。が、最近では市販のマイコンボードで制御を行い、オムニホイールやソレノイドを用いたキッカーやロボットとボールを固定させるドリブラーを組み込んだ高度なロボットを製作する子供も増えてきている。又、ルール規定違反だが保護者の援助を受けて違反出場するチームも多々ある。
2008年のRoboCup 2008 Suzhouより、GEN2と呼ばれる従来のジュニアサッカーリーグのフィールドから内壁を無くしたフィールドで試験的に試合が行われている。GEN2のフィールドでは、従来、壁のあったスペースの外側に30cmのアウトエリアと呼ばれるゾーンが出来、ゴールが黄色と青色で着色されている。床は左サイド、右サイド、ゴール前で色分けされている。ゴールが黄色と青色で着色されるようになった事で、ロボットの混乱を避けるためルール上でロボットを黄色又は青色で着色する事は禁止され、その色の衣服を着用する事も禁止になった。
動画: OP-AmP Team Qualification Video RoboCup 2017 https://youtu.be/lTpneOC89tY
また2009年のグラーツ世界大会より、GEN2を改良したField Bという競技が公式に開始されている。Field Bは内壁が存在しない事や、ゴールが黄色と青色で着色されているのはGEN2と同様だが、床が緑色のカーペットになり、アウトエリアの境界線が20mmの白い線でマーキングされるようになって、画像認識などの新しい技術を取り入れる事が考えられるようになった。
2013年のアイントホーフェン世界大会からは、相手ロボットや審判に危害を加えうる強力なロボットを減らすために、アウトエリアにロボットが完全に出ると1分間退場のペナルティが課せられるルールが作られ高度な制御が必要とされるようになった。 2016年の世界大会では試験的に赤外線ボールに変わるオレンジボールでの試合が導入される予定。(両試合チームの同意が必要)
また、日本国内だけでの日本リーグでは、ビギナーズ(旧Aコート)という、アウトエリアと呼ばれるゾーンがなく壁である、駆動モーター(ドリブラーやキッカーは含まれない)が二つ、電力が9Vまでなど初心者にとって作りやすいロボットで戦う部門もある。なお、日本大会に出場したチームはこの部門には出場できない。 ・・・・・・明日に続く
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◆ ロボカップジャパンオープン2019ながおか【ダイジェスト】 ◆
動画のURL: https://youtu.be/VquzT-vL2_c
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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