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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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消滅危機の日本語を守る_知の学究達=200=/木部暢子(01/mn)

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アイヌ語、八重山語、与那国語、沖縄語、国頭語、宮古語、奄美語、八丈語

ユネスコの発表によれば、これらは消滅の危機にある日本の「言語」だ

このユネスコの警鐘と連動する形で共同研究プロジェクトを立ち上げ 

日本の消滅危機言語を守るリーダーを務める木部暢子

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 木部暢子(01) / 消滅危機の日本語を守る_知の学究達 ◆◇

◆ 第1回 6000言語のうち2500が消滅する!? =1/2= ◆ 

2009年2月、国連教育科学文化機関、いわゆるユネスコが、衝撃的な発表を行った。

 今世界に存在するおよそ6000の言語のうち、2500もが消滅の危機にさらされているというのだ。生物の絶滅危惧種の連想でいうと、まさに絶滅危惧言語である。

 消滅が危ぶまれる程度には4段階あって、最も危険な「極めて深刻」が538言語、それに次ぐ「重大な危険」が502言語、「危険」が632言語、「脆弱」が607言語だった。

 さらにいえば、1950年以降消滅した言語がなんと219語にのぼったという。最近では2008年、米アラスカ州でイヤック語が消滅した。

 消滅というと、言語がぽっと消えて無くなるというふうに響くが、つまりは、最後の話者が亡くなり、この世界に誰一人その言語を母語として理解する人がいなくなった、ということだ。

 さて、こういった事実を書き連ねると、一応のところ1億人以上の話者がいる日本語は安泰、というふうに思える。しかし、その安易な思い込みに反して、ユネスコの発表の中には、日本国内で話されている「言語」が、いくつも挙げられていた。

 アイヌ語は、「極めて深刻」と評価された。つまり、消滅の危機に一番近い。

「重大な危険」とされたのが、沖縄県の八重山語、与那国語。

「危険」が、同じく沖縄県の沖縄語、国頭(くにがみ)語、宮古語、さらに、鹿児島県奄美諸島の奄美語、東京都八丈島などの八丈語である。

 これを読んで、おや? と思う人は多いと思う。これらはすべて、日本語の中の方言ではなく、独立した言語として扱われているのだ。アイヌの言葉は独立性が高いこと、沖縄の言葉は方言の範疇だが、それでも本土とはかなり隔たっていると聞いたことはある。しかし、東京都の八丈語というのは……なんと新鮮な響きだろう。

 ユネスコの警鐘と連動する形で、目下、国立国語研究所が中心となって、「消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究」という共同研究プロジェクトが進められている。プロジェクト名には「方言」とあるが、これはユネスコの立場からは消滅の危機にある「言語のことだ。独立言語と方言というのはどうやって決まるのだろう、という疑問は後の方で扱うつもりだけれど、今はその部分はスルーして進む。

 プロジェクト・リーダーである木部暢子教授を、立川にある研究室に訪ねた。

 国立国語研究所というと、日本語のコーパス(すごく荒っぽく言ってしまえば、日本語の用例を集めた膨大なデータベース)を構築しているところというイメージを持っていた。旧米軍基地にたてられた大学共同利用機関の一角であり、その中には、以前この連載で訪ねた国立極地研究所もある。さらに、統計数理研究所という知る人ぞ知る、日本の科学を縁の下の力持ちとして支える立場の(大げさではないと思う)機関もある。 

 天井までの書架に囲まれた図書館のような研究室で、木部教授はぼくを迎えてくれた。木部さんは、学生時代には九州北部の方言を研究し、その後、鹿児島大学の研究者として、いわゆる鹿児島弁・薩摩弁や、南西諸島、沖縄の言葉の研究を手がけてきた。ユネスコがリストアップした危機言語のかなりの部分をカバーしていることになる。

・・・・・・明日に続く・・・

■□参考資料: 日本の消滅危機言語 (1/3) □■

消滅危機言語の一覧は、英語・スペイン語など植民地主義の拡大に伴い広範囲で通用する言語に押され、使用人口(特に母語話者人口)が極めて少なく、近い将来の消滅が危惧される言語で、それらの諸言語(消滅危機言語)の一覧である。

現在、それを少しでも食い止めようとする様々な努力が世界中で行われているが、現在でもいくつもの言語の消滅が進行中である。

以下にその一例を示す(掲載はごく一部である。国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の発表では、2009年2月時点で、世界で約2500の言語が消滅の危機にあるとされている。それぞれの言語の詳細については、それぞれのリンク先を参照)。

因みに、日本国内に於いては・・・・・・

消滅の危機にある言語・方言

日本の言語・方言の中には,消滅の危機にあるものがあります。それには,ユネスコ(国連教育科学文化機関)が平成21年2月に発表した“Atlas of the World’s Languages in Danger”(第3版)に掲載された8言語・方言や東日本大震災の被災地の方言が該当します。

文化庁では,消滅の危機にある言語・方言の実態や保存・継承の取組状況に関する調査研究をはじめ保存・継承に資する様々な取組を行っています。

“Atlas of the World’s Languages in Danger”(第3版)には,世界で約2,500に上る言語が消滅の危機にあるとして掲載されています。日本国内では,8言語・方言が消滅の危機にあるとされており,掲載されている8言語・方言とそれぞれの危機の度合いは次のとおりです。

【極めて深刻】アイヌ語 【重大な危機】八重山語(八重山方言),与那国語(与那国方言) 【危険】八丈語(八丈方言),奄美語(奄美方言),国頭語(国頭方言),沖縄語(沖縄方言),宮古島語(宮古方言)

※ユネスコでは「言語」と「方言」を区別せず,全て「言語」で統一しています。

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◆ 「危機言語としての方言」木部 暢子(国立国語研究所 副所長)  ◆

動画のURL: https://youtu.be/OQyGPrg24Tc 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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