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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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NICT/ 宇宙天気予報_ 知の学究達 =193= / 長妻 努(05/mn)

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宇宙にも天気予報があることを知っている人は少ないのでは

天気予報を知る人でも、宇宙天気予報がないと困る人たちが、たくさんいる

日々予報を発表し、「太陽嵐」によるさまざまなキケンから人類の安全と安心を守る 

華やかな宇宙開発の影で宇宙気象の研究にいそしむ長妻 努

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 長妻 努(05) / 情報通信研究機構 宇宙天気予報 ◆◇

◆ 第3回 太陽嵐で大規模停電が起きるわけ =1/2= ◆ 

 長妻さんは、現在、「宇宙天気予報」を行う研究室の研究マネージャーであるわけだが、もともとは、大学で人工衛星を使ったオーロラの研究をしていたという。オーロラといえば、極域で見られる夜空の一大ページェントであり、地球上でもっとも幻想的な現象の一つだろう。

 しかし、長妻さんは、オーロラの研究の中で、太陽活動と宇宙環境の関係に関心を移していく。

「実はオーロラ現象のもとになっているのがやっぱり太陽活動なわけです。しかもその太陽活動によって電離層や磁気圏が乱れたりとか、実際に衛星が壊れたりするということがわかってきまして、その方面の研究に進みたいと思ったわけです」

 というわけで、オーロラ研究から発した長妻さんの研究領域は、今は地球の磁場に捉えられた高エネルギーの電子や陽子からなる帯状の構造、放射線帯(ヴァン・アレン帯)に移っているという。「宇宙天気予報」の中で、地上に直接影響を与える「磁気嵐」にも関係してくる分野だ。「磁気嵐」の後に放射線帯の電子が増加することがあり、それによって、前に見たプロトン現象とは別に、衛星の故障や誤動作が引き起こされることもあるらしい。

前提として、高校の理科をちょっと復習。

 地球は(実は太陽も)大きな磁石であり、周囲には磁気圏と呼ばれる磁場の広がりがある。太陽風、つまり太陽から吹き付けてくるプラズマは帯電しているので、この磁気圏が楯になって大部分が地球から逸らされたり、捕捉されたりする。高エネルギーのプラズマが補足されている領域が放射線帯だ。特に強い太陽風が吹き付けてくると、地球の磁気圏そのものがじょう乱を受ける。大きなじょう乱は磁気嵐と呼ばれる。極地方ではオーロラが活発になり、非常に幻想的な光景が繰り広げられる。

 と、ここくらいまでは高校で地学を履修した人は知っているのではないか、という話。

 ちなみに、強い太陽風は、CME現象が起源だ。加えて、これまでふれていなかったけれど、太陽を覆うプラズマ、コロナの中で、特別温度が低い部分、コロナホールと呼ばれる部分も強い太陽風の発生源となっていて、地球での磁気嵐の原因となる。

 そして、極端に大きな磁気嵐が来ると、地上にも様々な影響があるのだ。

「地磁気の大きな乱れ、磁気嵐は、地球の電離層や、それよりもちょっと外側の磁気圏に電流が流れることによって生じるんです。本当に大きなものになりますと、地上にも直接的な影響が出ます。送電線ですとかパイプラインなどに誘導電流が流れて、問題が起こることがあります」

・・・・・・明日に続く・・・

■□参考資料: 太陽嵐 (1/2) □■

太陽嵐(solar storm)とは、太陽で非常に大規模な太陽フレアが発生した際に太陽風が爆発的に放出され、それに含まれる電磁波粒子線粒子などが、地球上や地球近傍の人工衛星等に甚大な被害をもたらす現象である。

太陽は、太陽黒点数の変化周期である約11年のほか、約200 - 300年などのいくつかの活動周期を持つと言われている。最も顕著なのは11年周期であり、およそ11年ごとに、活動が活発な極大期とそうでない極小期とを繰り返す。極大期には、人工衛星に搭載される電子機器などに被害をもたらすような強い太陽フレアが発生することがある。また、強い磁場、高密度のプラズマを伴った太陽風が磁気圏に衝突することで、強い電気エネルギーが磁気圏内に生成され、それが原因となって短波通信障害や地上の電力施設などにも被害をもたらすことがある。太陽活動に関する研究が発展した近年、大規模な太陽フレアによって上記のような様々な影響がもたらされることが考えられるようになり、「太陽嵐」と呼ばれている。

なお、一般的な用法として太陽フレア全般のことを太陽嵐と呼称する場合もあるが、ここでは主に大きな被害が懸念される格段に強い太陽フレアについて記述する。

影響と対策

太陽嵐が発生すると、普通の太陽フレアよりも格段に多い電磁波(紫外線、可視光線、赤外線、電波)、磁場の波、粒子線、粒子などが放出される。これらは通常、地球の磁気圏大気圏を通過する際にほとんどすべてが減衰してしまう。例えば、紫外線は上部大気やオゾン層に吸収されるし、磁場、粒子線や粒子はまず磁気圏に捉えられたあと、上部大気を構成する粒子と衝突してエネルギーを放出し無害化される。唯一地表に届くのが大気の窓領域の電磁波、つまり可視光線や赤外線である。

太陽嵐のように規模が大きな場合でも、これらの防御機構は機能するため、プラズマ粒子などが直接地上に達することは考えにくい。一方で、間接的な影響は起こる可能性がある(ただし、2008年12月にテミスが観測したように磁気圏の穴=薄い場所があればそこから上部大気に直接影響が及ぶ可能性もある。この場合人工衛星等への影響が懸念される)。

太陽嵐により到達したプラズマ粒子等が溜まって磁気圏内に生成された電気エネルギーは、電離層に強い電流を流し、それによって激しい地磁気変動が発生する。さらにそれによる誘導電流が送電線に生成されると、この誘導電流が正弦波交流電流を乱し、電力関係の機器が壊れたり、発電所や変電所などの電力施設が破壊されて停電になるなど、大規模な被害が発生する。

太陽嵐により放出される電磁波などは、その速度の違いによって、3段階に渡って別々に到達する。まず、斉所に到達するのが電磁波で、これは光速度で伝わるためわずか8分程度で到達する。これは主に電波障害を起こし、多くの通信システム(人工衛星、飛行機の無線など)が使用できなくなってしまう。

◆ 【ドキュメンタリー2021最新】宇宙天気 =宇宙天気予報= ◆

動画のURL: https://youtu.be/VmdM8GjCQp4 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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