宇宙にも天気予報があることを知っている人は少ないのでは
天気予報を知る人でも、宇宙天気予報がないと困る人たちが、たくさんいる
日々予報を発表し、「太陽嵐」によるさまざまなキケンから人類の安全と安心を守る
華やかな宇宙開発の影で宇宙気象の研究にいそしむ長妻努
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 長妻 努(02) / 情報通信研究機構 宇宙天気予報 ◆◇
◆ 第1回 ずばり、宇宙天気予報とは =02/02= ◆
さて、そんな研究所の中にある、宇宙環境インフォマティクス研究室の長妻努研究マネージャーを訪ねた。
来年、2013年5月頃に、太陽の活動が2000年以来、久々の極大期をむかえるという予測があり(平均11年周期なので、2011年くらいまでには次の極大期が来てもおかしくなかったそうだ)、ここ数十年の極大期では、人工衛星が壊れたり、都市で大規模な停電が起きたりしたことがある。100年以上前の極大期では、地上で電信機が火を噴いたこともあるそうだ。かなり物騒である。そこで、「宇宙天気」を日々観測して予報している現場のお話を伺いたかったというわけだ。
招き入れられた会議室は、宇宙天気予報の読み合わせに使われるものであり、たまたま、その日常業務の様子を目の当たりにできたのは幸運だった。
宇宙天気をめぐって様々な要素を検討する場だから、情報がリアルタイムで確認出来るモニタ類が部屋の3面を囲んでいる。NASAの太陽観測衛星SDOからの極端紫外線での観測画像がリアルタイムで写し出されていたり、太陽から放出される高速のプラズマがいかに地球に到達するかシミュレーションで示す画面があったり、いたるところ「太陽づくし」だ。
そんな部屋の中、なにはともあれ、長妻研究マネージャーに、宇宙天気予報について非常に基本的なことを尋ねた。
そもそも何を予報するのだろう、と。
「地球のまわりの磁場の状態や、太陽から飛んでくるプラズマの風、エネルギーの高いプロトンや電子の状況などを予報します。これらはすべて太陽の活動にその源があります。重要な項目が、幾つかありまして、1つはまず太陽フレア、太陽表面での爆発現象です。さらに、フレアに伴って、非常にエネルギーの高い粒子が生成・放出されて、地球に到来することがあります。プロトン現象と呼んでいるんですけども、その予報。それから、太陽から到達するものの影響で地球の磁場が乱れるんですが、それが激しいときには地球周辺の宇宙環境にも色々な影響が出るので、地磁気の乱れの予測も行っていますね」
フレア予測、プロトン現象の予測、地磁気のじょう乱予測。以上が、宇宙天気予報の3本柱だ。
長妻さんたちが運営する宇宙天気予報のウェブサイトでも、たしかに、それら3つが大きく併記してある。
それでは、なぜ、このような「予報」が必要なのだろうか。
極大期に起こりえる「物騒なこと」はともかく、日常的な予報が必要な理由は何なのか。
実際のところ、人工衛星の運用関係者、航空会社、電力会社、アマチュア無線家、オーロラ愛好家、様々な方面で予報は活用されているという。考えていた以上に、我々の日常に密接に関係しているようなのだ。
そのあたりを理解しようとするなら、まずは太陽の活動に目を向けなければならない。
次回は“第2回 太陽嵐でパソコンのデータが消失する?”に続く・・・
■□参考資料: 情報通信研究機構と宇宙天気予報 (2/2) □
宇宙気候学(Cosmoclimatology)とは、地球の気候変動に対する宇宙現象の影響を研究対象とした学問分野。用語は2007年にスベンスマルクによって考案された。
宇宙天気予報(space weather report, etc.)とは、宇宙天気(太陽フレア、太陽プロトン現象、磁気嵐等の状況)を観測・把握し、それに伴う影響を予測して、地球上上の天気予報と同じように予報するものである。…具体的には「太陽風の乱れが到来しました。磁場が大きく南向きに揺れていて、磁気圏は大きく乱れそうです」などといった表現で予報される。
人工衛星の運用者や、漁業無線やアマチュア無線愛好者など、短波電波を使った通信の利用者などにとっては重要な情報となっている。 磁気嵐によって、人工衛星の電子機器の損傷、通信障害、電磁誘導による送電線の異常電流の発生、宇宙空間にて作業する宇宙飛行士の健康被害などの悪影響が発生する。宇宙天気予報によってこれらの被害が軽減されることが期待されている。
日本では、情報通信研究機構 (NICT) 傘下で宇宙天気情報センターが設立された1988年に情報提供を開始された。NICTが独立行政法人化された2004年以降は、公式ウエブサイト上で公表されている。
宇宙線の影響
宇宙気候学における仮説の一つに、付加的な雲核の核形成による下部対流圏における雲量の変化に対する銀河宇宙線の影響がある。その考えは提案中のもので、まだ証明されていない、地球の気候変動に対する太陽変動の影響に関する仮説の一つである。
雲に及ぼす銀河宇宙線の影響を実験的に調べるため、CERNでは2006年に陽子シンクロトロンから発生させた荷電π中間子の加速器ビームを用いてチャンバー内における核形成の測定が予備段階の実験として行われている。
一方、顕生代にわたる長期の気候変動におよぼす銀河宇宙線の影響を調べた研究によれば、地球は1.35億年の周期で銀河系のらせん状の腕を通過し、その銀河系の腕から多量の宇宙線を浴びたときに寒冷化傾向を示しており、過去5億年にわたって地球が浴びた宇宙線量の変調と気温変化の間に強い相関が見出されている。
銀河宇宙線だけでなく、軌道要因等を含む太陽活動の変動、太陽紫外線の変調、太陽フレア、地球外揮発性物質、流星煙粒子、惑星間塵、宇宙塵など、様々な因子がそれぞれの時間スケールにおいて気候に摂動を与える可能性として提案されているが、いずれも定説として評価が定まっているわけではなく、特に惑星間塵等が気候に及ぼす寄与や影響に対する定量的評価やメカニズムに対して確立された段階に至っているとは言えない。
◆ 宇宙天気予報 (NICT) ◆
動画のURL: https://youtu.be/PqbNGIXqc9M
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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