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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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霊長類学者_D.フォッシーの学究達=183= / カリソケ研究所(09/14)

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世界に800頭ほどしかいないマウンテンゴリラ、ルワンダ共和国には約500頭が生息

1967年にダイアン・フォッシーが設立した「カリソケ研究所」はゴリラ研究で世界的中心のひとつ

映画「愛は霧のかなたに」や、自著『霧のなかのゴリラ』で世界中で認知される 

設立から約半世紀がたつ今なお、D.フォッシーの情熱が受け継がれる

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=川端裕人 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ カリソケ研究所(09) / マウンテンゴリラ ダイアン・フォッシーの後継者たち ◆◇

◆ 第4回 ゴリラにみる「イクメンの起源」 =1/2= ◆ 

  もう1人の常駐女性研究者は、アメリカ出身のステイシー・ローゼンバウムだ。

 アメリカのウィスコンシン大学マジソン校で心理学を専攻していたステイシーは、ちょっとした興味で霊長類学の講義に出た。教授は開口一番こう予言した。「この授業は、ここにいるほとんどの者には他の授業と変わらない〈その他大勢〉の一つだが、1人か2人にとっては人生を変えるものになる」

 そして、ステイシーは、霊長類、つまり猿に魅せられ、人生が変わった1人になった。

 卒論のテーマには、大学の研究室で飼育していたワタボウシタマリン(南米の小さな猿)の子育て行動を選んだし、卒業後も博士論文のための研究をしている先輩学生の助手として、マダガスカルの東部遠隔地でシルキーシファカという原猿類の調査に参加した。半年にわたって、外部との連絡もとりにくい山岳地帯での生活だったが、ステイシーは大いに楽しんだ。

 2002年にアメリカに戻ってから、スタンフォード大学の神経科学系の研究室に所属し、実験室での手技の数々を身につけた。有意義な時間だったものの、「実験室は退屈! フィールドに出たい! アフリカに戻りたい!」との想いが日に日につのっていったという。

 同じ年に開かれた、ジョージア工科大学での「フィールドの動物行動科学連続講座」に出席したことが転機になった。講師のタラ・ストウィンスキーは、連続講義の翌年からカリソケ研究所で「ゴリラのオスの相互行動」の研究を始め、その際、非常に熱心に講義に参加していたステイシーを思い出して声を掛けた。「あなた、アフリカに戻りたいんでしょ。調査助手としてルワンダに来ない?」と。

 ちなみに、ステイシーを誘ったタラは現在、カリソケ研究所の主任研究者になっているのだが、常駐しているわけではなく、普段はアメリカにいる。

 ステイシーは今のところ博士号を取得しておらず、学位論文にするための研究を進めている。初期の研究成果はすでに論文として発表されており(※)、優位のオスが未成熟個体(つまり赤ちゃんやコドモ)の相手をよくすることなど、1970年代からの知見が、群れのサイズが大きくなり、複オスの群れが増えた今もそのまま有効だと裏付けた。

 実はステイシーが学部生時代に研究したワタボウシタマリンは、オス・メス1頭ずつのカップルと子どもたちからなる群れをつくって、オスも育児をするので知られている。ゴリラも、父親は、母親ほどではないけれど、子どもとかかわるので有名だ。だから、彼女にとって、ワタボウシタマリン→マウンテンゴリラという流れは、自然なものだったようだ。

 現在、ステイシーはこのテーマをさらに推し進めて、成熟オスとコドモの関係を、行動だけではなく生理学的な指標を使った評価が出来ないかと考えている。

「やっていることといえば、見た目はウィニーと同じ。朝、山に入って、その日の群れを4時間追いかけて、行動を記録して、糞や尿を採集して、帰ってきたらサンプルを処理したり、記録をコンピュータに吸い上げたり」

 本当にフィールドでの活動は、ウィニーとほぼ同じだ。

・・・・・・明日に続く・・・

■□参考資料: 有名なシルバーバック・ゴリラ、密猟者に殺される ウガンダ □

アフリカ東部・ウガンダで特に有名だった雄のマウンテンゴリラ「ラフィキ」が殺害された。ラフィキは25歳だったとみられている。

ブウィンディ原生国立公園で暮らしていた「ラフィキ」は、銀色に見える白い毛を背中に生やした「シルバーバック」と呼ばれる雄で、17頭の群れのボスだった。鋭利な物体で内臓を刺されて死亡しているのが見つかったという。

男4人が逮捕されており、絶滅危惧種の殺害で有罪となれば終身刑、もしくは540万ドルの罰金刑を科せられる。

世界中にマウンテンゴリラは1000頭余りしかいない。ウガンダ野生生物保護庁(UWA)は、ラフィキを失ったことは「大打撃だ」と話している。

ラフィキが率いた群れは、人間との接触に慣れていた。

「ラフィキが死亡したことで群れは不安定になる。バラバラに離散してしまう可能性もある」と、UWAのバシール・ハンギ氏はBBCに話した。「リーダーを失った状態で、野生のシルバーバックにのっとられるかもしれない」。

そうなった場合、群れは人間との接触を避けるようになり、その場合は観光に影響するという。

マウンテンゴリラは観光客に人気で、UWAは観光収益に依存している。

ラフィキはブウィンディ原生国立公園を訪れる人たちに人気だったと、ハンギ氏は言う。

6月1日に行方不明になり、捜索隊が翌日に遺体を発見した。

UWAの追跡チームが容疑者を近隣の村で発見した。UWAによると、狩猟道具を持っていた容疑者は、他の3人と国立公園内でもっと小さい動物を狩っていたところ、ラフィキに襲われ自衛のために殺したと話しているという。

4人の容疑者はウガンダで昨年成立した野生動物保護法にもとづき、起訴される見通し。

マウンテンゴリラはウガンダのブウィンディ原生国立公園のほか、ウガンダ、コンゴ(旧ザイール)、ルワンダ、ウガンダの3カ国にまたがるヴィルンガ・マシフ山地にのみ生息する。

国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストで長く、絶滅の恐れが最も強い「絶滅危惧1A類」に分類されていたものの、密猟取締りを含む徹底した保護活動の成果で個体数が増えたとされ、2018年には絶滅の危険度のランクが1段階下げられ、「絶滅危惧1B類」に分類された。

◆ The Brave Gorilla King | Mountain Gorilla | BBC Earth ◆

動画のURL: https://youtu.be/RGLyG9qGjTk 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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