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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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めくるめく知のフロンティア・学究達 =169= /吉田憲司(10/mn)

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仮面ライダー? 月光仮面? なまはげ? それともプリキュア?

連想ゲイムで並んだ語彙の共通点は、顔面に装着する仮面であろう……

アフリカの仮面に魅せられて、ザンビアの秘密結社に参加したレアでディープな体験から、

アフリカの仮面の魂と真実にたどりついた吉田憲司

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 吉田憲司(09) / 性交や出産などの“生”は女たちの秘密 =2/3= ◆◇

 木製仮面が実はそれほど本質的ではないというのは、実はチェワだけではないそうだ。かなり広い範囲で木製仮面は、儀礼から日常に戻る最後の直会の部分ぐらいにしか出てこない。そのことにはっきり気づいたのが、実は吉田さんが最初だった。

「先行研究が多くあった西アフリカでも似た現象は見られるんですけど、ヨーロッパ、アメリカの研究者は、その部分について強く言っていないですね。結果的に木製の仮面がコレクターに集められて、博物館や美術館に集積されて、そこからアフリカの仮面、アフリカン・アートのイメージが作り上げられてきたわけです。西アフリカの場合も、重要な場面で出てくるのは、木製ではなくて樹皮製の仮面なんですが、一部に木を使っていることもあるために、チェワほどはっきりした形での差異が見えづらい。でも、実際に重要な役割を果たしているのは、明らかに樹皮製の仮面のほうが多く、儀礼が終わったら燃やしてしまう。それで私は、ヨーロッパやアメリカの博物館の仮面のコレクションのあり方が偏っていると、強く言い始めたんです」

 そんなわけで、今、欧米の博物館を含めて世界的に展示の見直しが進んでいる。吉田さんの所属する国立民族学博物館も、全館の展示の全面的な更新にあわせて、アフリカの展示について大きく変更した。

 不思議なことに、そこには儀礼の後、燃やしてしまうはずのニャウ・ヨレンバの「本物」もあった。

「私もメンバーですので、私が作ったものは本物です」と吉田さん。

 なるほど、である。

 さて、仮面結社は仮面舞踊の結社であり、つまりメンバーはニャウとして踊る。

 ただ、吉田さんはそこまではできなかったそうだ。

「私の場合、肌が問題でした。ニャウ・ヨレンバ(かぶりもの)なら全身隠れますが、重たくて、体力と技術がないとできないんです。村でもすべてのメンバーのうち1人か2人しか踊れない。仮面だけの舞踊は、誰でも踊れますけど、逆にそちらは肌を出すので、私の場合すぐわかってしまう……」

 しかし、あくまでニャウはニャウなのであるから、肌の色が違っても「あれはニャウである。中の人などいない!」で済んだのではないだろうか。

「いや、それは、ちょっと説明に無理があるんじゃないでしょうか……」

 というわけで、吉田さんには残念ながら、ニャウとして人前に出て踊った経験はない。稽古ならずいぶんして、下手だと笑われることは多かったそうだが。では、稽古で仮面をつけた場合、ある種、本物の精霊、死者の化身、となった精神の変容はあっただろうか。

「やっぱり視野が、狭くなりますからね。それからどんどん暑くなるので、呼吸もしんどくなる。彼らは仮面かぶって踊ると、体が熱くなるとか軽くなると言うんですが、たぶん軽い酸欠状態になっているんじゃないかなと思っています」

 なお、能のプロを目指していたという吉田さんの「かみさん」は、舞踊は得意だったわけで、儀礼の際、ニャウに相対して女性が踊るのに参加している。こちらは肌の色を気にする必要がないからだ。しかし、それを越えてさらに大切なことを、彼女がもたらしてくれたという。

・・・・・・・・・明日に続く・・・・・・・

■□参考資料: アフリカの仮面のデザインはなぜ美しいか (5/5) □■

8. ダン族(コートジボワール)

コートジボワールに住むダン族は、豊かな音楽と踊りの文化を持っており、冠婚葬祭、戦争、季節の儀式、スポーツイベントなど、あらゆるイベントで音楽と踊りがセットになっています。仮面も重要な役割を果たしており、踊り子が仮面をかぶって踊る他、戦争やスポーツでも仮面を被ることで精霊の力を得られて強くなると信じられています。

この仮面は女性用で、ダン族の最高の美である「唇がポテッと厚ぼったい」女性を表現しています。

まとめ

素朴で大胆で、いかにも土の匂いがしそうな原始的なものですが、その中にも高度な美意識が見て取れると思います。

またこれらはアフリカの社会の思想や社会、宗教、自然と密接に結びついており、仮面を見ることでこれら部族の社会構造が見えてきます。

画像じゃなくて実際に生でご覧になったほうが、迫力が全然違います。

大阪の国立民族学博物館では常設展示されていますし、結構頻繁にアフリカの仮面の展示会は巡回してきますので、興味を持たれた方はぜひとも足を運んでみてください!

国立民族学博物館   www.minpaku.ac.jp 

◆ 国立民族学博物館 Ⅱ ヨーロッパとアフリカ ◆

動画のURL: https://youtu.be/68Uh2uK-Elc

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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