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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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めくるめく知のフロンティア・学究達 =165= /吉田憲司(06/mn)

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仮面ライダー? 月光仮面? なまはげ? それともプリキュア?

連想ゲイムで並んだ語彙の共通点は、顔面に装着する仮面であろう……

アフリカの仮面に魅せられて、ザンビアの秘密結社に参加したレアでディープな体験から、

アフリカの仮面の魂と真実にたどりついた吉田憲司

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 吉田憲司(06) / ついにわかった仮面結社の秘密とは =1/3= ◆◇

 吉田さんが調査のために住み込んだザンビア東部、チェワの仮面は、主に葬儀に関わる局面で登場する。といっても、亡くなった人を埋葬する際にはキリスト教の方法が浸透していて、今では仮面の出番はない。農閑期である乾季に、死者の魂を送り出す喪明け儀礼「ボナ」の際に、仮面が大活躍するのだという。ボナの儀礼は大がかりで、開催だけでも1週間、準備期間も含めたら優に3週間はかかるものだという。

 仮面結社に属さない「女性と子ども」(そして、当初の吉田さん)にしてみると、それはこんなふうに映る。

 まず、ある夜にかがり火が焚かれ、広場で何組かの仮面をつけたニャウが、女たちの合唱にあわせて踊る。この際、ニャウはあくまでニャウであり、「誰かが仮面を被っている」のではない、と認識される。村のニャウの指導者が「明日からは、女は村でトウモロコシをつき、男は森でダンブヴェを開く」と宣言する。これが儀礼の開始の宣言となる。

 ダンブヴェとは、儀礼に登場する重要な「かぶり物」ニャウ・ヨレンバ(これも仮面の一種である)を作る秘密の場所のことだ。「女性と子ども」は、ニャウ・ヨレンバを「水から釣り上げる」と説明されているそうだ。

 翌日から1週間かけて、女たちは村でトウモロコシの酒造りをし、男たちは森の中でニャウ・ヨレンバの制作に従事する。この間、まったく没交渉になるわけではなく、酒造りの節目節目に森からは仮面をつけたニャウの踊り手がやってきて、作業を手伝ったり、女たちと儀礼的かつ猥雑な会話を交わしたりするそうだ。一方、荒々しいニャウの踊り手もいて、そいつが来ると、「女性と子ども」は家の中に逃げ込まなければならない。

圧巻は、いよいよ酒が出来上がる前の晩だ。

 ニャウによる仮面舞踊が続き、合間を縫うように、森から次々とニャウ・ヨレンバがやってくる。かぶりもの、時には着ぐるみと表現したくなる大型の「仮面」であり、ライオン、ハイエナ、カメ、エランド(アンテロープの一種)など、森の動物をかたどったものが中心だ。もちろん、儀礼の中で、これらは「本物」の動物として扱われる。とりわけ、エランドをかたどったニャウ・ヨレンバは、死者の魂を森に運び去る重要な役割を担っている。

 さらに、自動車(明らかに森の動物ではない)、牛(牧畜民と接触するまで、チェワの人びとは知らなかった)などの、新しい要素も加わるから不思議だ。

 徹夜の舞踊は夜明けまで続き、翌日は、出来上がった酒を飲みながら、日常に戻るためのいわば「直来(なおらえ)」に入る。ここでは木製の仮面をかぶった踊り手たちの舞踊が披露される。なぜあえて「木製」と注記するかというと、かぶり物であるニャウ・ヨレンバを含めて、仮面が「木」で出来ているケースは少ないのだそうだ。博物館のコレクションだと木製仮面が中心になっているが、実は仮面(かぶり物も含め)一般には、「仮面」と言う言葉からすぐにイメージされるような木製のものでなく、樹皮などで作られたもののほうが多い。ニャウ・ヨレンバの場合はトウモロコシの皮だ。

・・・・・・明日に続く・・・・・・

■□参考資料: アフリカの仮面のデザインはなぜ美しいか (1/5) □■

素朴で大胆、生命力溢れるアフリカの仮面の世界

アフリカの仮面が好きなのです。

東京近郊でアフリカの仮面の展示会があると絶対に見に行くし、学生時代にエジプトに行った時は古代エジプト芸術はそっちのけで、黒人行商人がカゴにかついで売る仮面に夢中になって、同行人を呆れさせたものです。

何がいいって、生命エネルギー溢れる造形、色使い。味わい深い表情。芸術品として作られているわけではないから、どこまでも素朴・純朴。

洗礼の対極にあると思われがちですが、むしろ無駄なものをとことん削ぎ落として、造形としてこれ以上ない完全なバランスに落ち着いている逸品も少なくありません。

アフリカの仮面の愛好家は世の中に数多くいますが、まだ知らない人も多いかと思うので、これを機会に是非、アフリカの仮面について興味を持っていただきたく、是非おつきあいのほどよろしくお願いします。

 1. 仮面とはなにか

仮面というのは世界中そこらにあるように思いますが、実はそうではありません。

日本は世界に冠たる仮面大国でして、縁日でお面屋さんが出るほど仮面がありふれているのですが、これは世界的に見るとかなり珍しい部類に入るのです。

仮面がポピュラーな地域は、日本を含む東アジア、東南アジア、太平洋諸島、西アフリカ、ラテンアメリカ。

キリスト教圏では、貴族の仮面舞踏会のようなものが流行ったりしましたが、文化の主柱を担うことはなかったし、偶像崇拝を排斥するイスラム圏では仮面などあってはならぬものでした。

では、それらの地域でなぜ、何のために仮面が発達したかを見ていきましょう。

1-1. いつから作られたか

地域によって様々で、いつと断定するのは困難ですが、おおよそヒトが狩猟から農耕に移行した頃から始まったと考えられています。

農耕の成功はおおよそ天候や自然現象に支配されたため、豊作と子孫繁栄を祈って、自然崇拝、先祖崇拝、精霊崇拝などの抽象的思考が発展していく。

それと並行して、そのような目に見えない畏怖の対象を「見える化」したのが仮面でありました。

◆ Dogon Mask Dance (日本語字幕版) ◆

動画のURL: https://youtu.be/KndbWp3IZms

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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