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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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めくるめく知のフロンティア・学究達 =164= /吉田憲司(05/mn)

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仮面ライダー? 月光仮面? なまはげ? それともプリキュア?

連想ゲイムで並んだ語彙の共通点は、顔面に装着する仮面であろう……

アフリカの仮面に魅せられて、ザンビアの秘密結社に参加したレアでディープな体験から、

アフリカの仮面の魂と真実にたどりついた吉田憲司

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 吉田憲司(05) / 割礼か、むち打ちか =3/3= ◆◇

 結社に入った男性だけが、仮面にまつわる秘密を共有する。結社に入るのは12歳から13歳くらいだそうで、それより小さい子どもと、女性のすべてが、仮面の踊り手を人ならぬ者として認識している。もっとも、ニャウの秘密を語ることを条件に交際を迫ったり、夫婦間で秘密が暴露されることはあるようなのだが、それが公になることはない。

「旅行者が大金を払って、仮面をつくる秘密の場所に行かせてもらうことがあると噂は聞いていました。ただ、そうやってしまったら、手順を踏んで秘密を知るプロセスがわからなくなります。だから、彼らが入れと言ってくれるまでは待つというのは、最初から大前提でした。日本を3月に出発して、ようやく彼らに加入の許可をもらったのは、その翌年の5月です。1年以上たってからのことです。村入りから丸1年たって、まだ加入の見込みのたたない段階で、うちのかみさんには謝りました」

 ちなみに調査に同行した吉田さんの「かみさん」は、いくつもの理由で、仮面研究の得難いパートナーだった。2年間のアフリカでの調査に同行する時点で、充分すぎるくらいにありがたいと言えるわけだが、それ以上のものを吉田さんにもたらした。

「かみさんはお能をやっていまして、プロを目指していたんです。私自身は、仮面の研究をしてきたとはいえ、自分で面をつけて人前で舞うという経験はないので、そのときにどんな心理的な変化が起こるのかとかいうような情報は、全部かみさんからきています。それと……やっぱり、プロを目指してる人間にとっては、2年間のブランクは決定的でした。だから、アフリカに行く時点で、彼女もプロになるのは諦めて、道を断って一緒に来てくれたのに、結局1年たっても、一番やりたい調査ができない。『ごめん。この調査は失敗だった』と謝った記憶があります」

 調査期間の半分以上が過ぎた。それなのに、仮面結社には入れない。

 吉田さんの焦燥感は、容易に想像できる。しかし、だからといって、「待つ」以外の選択肢はない。

 転機が訪れたのは、「ごめん」と謝った1カ月後くらいだったという。

次回は“第3回 ついにわかった仮面結社の秘密とは”に続く・・・・

■□参考資料: みんぱく吉田館長インタビュー (5/5) □■

みんぱくにも若い女性が多く来館してくれるようになりましたが、梅田や天王寺までは来てくれるものの、千里中央を超えて万博公園まで来てくれる人はまだまだ少ない状況です。潜在的にはどこにもないような情報がみんぱくには詰まっていて、その蓄積した内容は間違いなく世界第一級レベル。

しかし、情報の発信がまだまだできておらず、関西でも知名度がそれほど高くないという状況です。これだけ使い勝手のある機関なので、どんどん活用してほしいと思います。

そのために現在、「フォーラム型情報ミュージアム」というプロジェクトを進めていて、これはこれからのみんぱくの在り方を示しているものです。フォーラムとは人々が集まって、そこで交流して、新しいものが生まれていくものと定義しています。これは開館30年を経て展示を全面改修する際のコンセプトにもしました。例えば、モノや写真であれば、そのモノを作っていた、あるいは使っていたコミュニティ、写真であれば撮影した現地の人たちと共有して、新たに情報を出してもらいデータベース化。それを新しい共同研究や現地のコミュニティ活動にも利用してもらうことを考えています。

分かりやすい例でいうと、2013年に開催した「武器をアートに」という企画展が挙げられます。モザンビークの内戦後に民間に残った大量の武器を自転車やミシン、農具などと交換して、回収した武器でアートをつくって平和を訴えるというプロジェクト。現地のアーティストたちに、日本に住む人びとへのメッセージを込めて「いのちの輪だち」という作品を制作してもらいました。

このモデルとなったのは、モザンビークの同じ作家たちによるブリティッシュミュージアムに展示されている「ツリー・オブ・ライフ」という作品です。そして、この作品を見た南スーダンの文化次官のジョク・マドゥット氏が感激して、同じように武器を回収してモニュメントをつくりたいという意向を表明されました。その知らせを大英博物館からうけたとき、ちょうどプロジェクトの創始者であるディニス・セングラーネ司教を日本にお招きすることにしていたので、合わせてマドゥット氏も日本へお呼びして、お二人をひきあわせることにしました。武器でモニュメントをつくるというプロジェクトはもう南スーダンで始まっています。

結果的に、日本が橋渡し役を担うことで平和構築の新しい動きを広めることができました。我々研究者は、いくら論文を書いてもなかなか実際の平和構築に貢献することはできないのですが、博物館や美術館は展示物を通じて次の行動を起こさせるという力を持っていることを改めて知ることができました。これもフォーラム型の特性に当てはまるのではなないかと思います。みんぱくにはまだまだ潜在的な力が眠っています。これからもいろいろな新しいチャレンジを発信する拠点にしていきたいと思っています。

みんぱくバーチャルミュージアムはこちらから

http://www.minpaku.ac.jp/museum/news/20171206

◆ 国立民族学博物館 本館展示紹介 ◆

動画のURL: https://youtu.be/TCR6ghLp6Xw

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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