ちょっと間抜けで憎めない、いや、愛すべき容貌をしたクマムシ
低温にも負けず、高圧にも負けず、乾燥にも放射線の照射にも負けず
2700メートルの海底から標高5000メートルくらいの山まで、頑健丈夫な体で生き抜く
華の都パリでそんな“かわいいけど最強”の生物・クマムシを研究する栃本武良
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=川端裕人・堀川大樹 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ クマムシ/堀川大樹 : 第1回 かわいい。けど、地上最強? =1/2= ◆◇
クマムシは知る人ぞ知る人気動物で、「かわいいけど地上最強の生物!」というイメージが流布しているようだ。特に、乾燥に強く、体から水分が失われても「乾眠」という状態で何年も耐えることができるのは「有名」だ。
徐々に乾燥し、体が縮こまり樽型と呼ばれる形状になっていく様子、そして、水を与えられ「復活」する様子は、何度見ても驚きを禁じ得ない。なにはともあれ、それらの様子をまとめた動画を見てほしい。
樽型になった状態は、およそ動物には見えない。
水分を失って徐々に「樽」に近づいていく様子、さらに、ただの小さな「樽」から「動物」へと復帰する際のもぞもぞとした動きは絶妙である。「クマムシ最強、ブラボー」とぼくは叫びたい。
とひとりで盛り上がっても(また、思いを同じくする人がかなりいたとしても)、いきなりこの動画を見ただけの人にとっては、やはり、頭の中は疑問符だらけだろう。最強って、何? と。
実際、いかにぼくのまわりの世界で多少「有名」であっても、日本の中で「知っている人」の割合はまだ少ないはずだ。
◆ クマムシ、乾眠からの復活(スマホ顕微鏡で撮影) ◆
/ 動画のURL: https://youtu.be/qrojoTTW55Y
そこで、順を追って、クマムシについて、説明すると──
0.1~1ミリメートルくらいの大きさの動物で、「ムシ」と呼ばれるが昆虫ではない。脚は4対で8本。脚の先はかぎ爪のようになっている。 緩歩(かんぽ)動物門という分類群に属する。「門」というのは非常に大きな分類で、人間が属する脊索(せきさく)動物門は、哺乳類、鳥類、は虫類、両生類といったお馴染みの脊椎動物すべてを含む。さらに、ホヤやナメクジウオまでお仲間だ。なお、緩歩動物門に属するのは、クマムシ類だけで、これまでに1000種以上が知られている 海、淡水、陸上に棲息する。2700メートルの海底から標高5000メートルくらいの山まで、地球上のありとあらゆるところにいる。当然のごとく、我々の日常生活のすぐ近くにも普通に棲息している。苔の中に潜んでおり、また、小さすぎて目につかないだけ。 「緩歩」の名称通り、のんびり動く。我々に一番近しい陸棲のクマムシは、どことなくクマに見えなくもない、ちょっと間抜けで憎めない、いや、愛すべき容貌をしている。これらに加えて、動物として最強の防御力! と言いたくなるほど、様々な過酷な環境に耐えることができる。生物のくせに、一時的に「生きるのやめました」ともいえる無代謝状態(クリプトバイオシス)になってやりすごす。
具体的には──
乾燥に強い。動画でもみた通り、体から水分が失われても、無水生命状態(アンハイドロバイオシス)、つまり乾眠状態となって生きのびる。乾眠してから9年後に「復活」した信頼できる記録がある。かつては120年という「伝説」も流布された。 放射線耐性がすごい。7000グレイのガンマ線(人間への影響で考えると、7000シーベルト相当! 人間は10シーベルトも浴びると確実に死亡)照射後も生存できる。また、最大8000グレイの「ヘリウム重イオンビーム照射」にも耐える。 絶対零度に近いマイナス200度以下の極低温や150度の高温、真空に近い低圧や7万5000気圧もの高圧に耐える。 アルコール、有機溶媒のアセトニトリル、殺虫剤の臭化メチルなど、化学物質への耐性が確認されている。 FOTON-M3という科学実験人工衛星で、宇宙空間に10日間晒されても生きのびた(もっと長い間晒されても、生きのびたかも)。・・・・・・明日に続く・・・
■□参考資料: 「クマムシ」/ウィキペディア(Wikipedia) (1/3) □■
緩歩動物(かんぽどうぶつ、Tardigrade)は、緩歩動物門(Tardigrada)に属する動物の総称である。4対8本のずんぐりとした脚でゆっくり歩く姿から緩歩動物、また形がクマに似ていることからクマムシ(熊虫、Water bear)と呼ばれている。また、以下に述べるように非常に強い耐久性を持つことからチョウメイムシ(長命虫)と言われたこともある。緩歩動物の最初の化石は、カンブリア紀の岩石から見つかっている。
肉眼では確認しにくい微小な動物であり、熱帯から極地方、超深海底から高山、温泉の中まで、海洋・陸水・陸上のほとんどありとあらゆる環境に生息する。堆積物中の有機物に富む液体や、動物や植物の体液(細胞液)を吸入して食物としている。
およそ1000種以上(うち海産のものは170種あまり)が知られている。
外部形態
体長は50マイクロメートルから1.7ミリメートルの微小な動物である。体節制をもち、基本的には頭部1節と胴部4節からなり、キチン質のクチクラで覆われている。真クマムシ目のものは外面がほぼなめらかだが、異クマムシ目のものは装甲板や棘、毛などを持ち、変化に富んだ外見をしている。
胴部の各体節から出る4対の脚を持ち、前の3対は体節の両腹側に備わり、最後の1対は体節の後端を占める。脚は丸く突き出て関節がなく、先端には基本的に4-10本の爪、または粘着性の円盤状組織が備わっている。
頭部に眼点を持つものがあるが、持たないものもある。口の近くに口縁乳頭などの小突起を持つ例もあるが、外部に出た触角や口器などはない。
内部形態
体腔は生殖腺のまわりに限られる。口から胃、直腸からなる消化器系を持ち、口の中には1対の歯針(stylet)がある。排出物は顆粒状に蓄積され、脱皮の際にクチクラと一緒に捨てられる。
呼吸器系、循環器系はない。酸素、二酸化炭素の交換は、透過性のクチクラを通じて体表から直接行う。神経系ははしご状。通常、1対の眼点と、脳、腹側の2本の縦走神経によって結合された5個の神経節を持つ。
生殖と発生
多くの種では雌雄異体だが、圧倒的に雌が多い。雌雄同体や単為発生も知られる。腸の背側に不対の卵巣又は精巣がある。産卵は単に産み落とす例もあるが、脱皮の際に脱皮殻の中に産み落とす例が知られ、脱皮殻内受精と呼ばれる。
幼生期はなく、直接発生して脱皮を繰り返して成長する。その際、体細胞の数が増加せず、個々の細胞の大きさが増すことで成長することが知られる。
生態
陸上性の種の多くは蘚苔類などの隙間におり、半ば水中的な環境で生活している。樹上や枝先のコケなどにも棲んでいる。これらの乾燥しやすい環境のものは、乾燥時には後述のクリプトビオシスの状態で耐え、水分が得られたときのみ生活していると考えられる。
水中では水草や藻類の表面を這い回って生活するものがおり、海産の種では間隙性の種も知られる。遊泳力はない。
・・・・・・明日に続く
◆ 宇宙生命体 クマムシ First Animal to Survive in Space ◆
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動画のURL: https://youtu.be/dqDS-jNZjzI
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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