生態がほとんどわかっていなかったオオサンショウウオ
驚くべきは国の特別天然記念物でありながら、その生態は謎だらけ
勤務する水族館でよく聞かれた素朴な疑問に答えようと研究をはじめた
子供たちに答えようと、ついには「日本ハンザキ研究所」を作ってしまった栃本武良
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 番外編2 これがチュウゴクオオサンショウウオだ =3/3= ◆◇
それはそれとして、案内された建物は、ぼくには中国地方都市にある古いビル、というふうにしか見えなかった。建物の上に据えられた丸い看板にくねっとしたオオサンショウウオらしき姿が描かれていなければ、なにがなんだか分からなかっただろう。
北京のレストランにいたCGS。
一方、野生の生息地であるはずの川にはいないこと。
それらの事実関係が、ここですーっと収束する。
CGSは、高値で取引される食材だ。
しかし、ワシントン条約でも国際取引が制限される絶滅危惧動物でもある。
よって、国内流通とはいえ厳しい規制があり、野生個体は出荷できない。ただし、養殖場で飼育した第3世代(野生から連れてきた孫の世代)以降なら、食肉として流通させてよいのだそうだ。
その結果、なにが起きたかというと……。
野生の個体がどんどん減った。
今では、中国全体でも、新たな野生個体は滅多に見つからなくなってしまった。最初は野生のものを出荷していた時期もあっただろう。しかし、規制ができてからは、養殖場に野生個体が集められるようになった。銅仁地区でも昔は211の河川にいたことが確認されているが、今は事実上見つからない。
従って、CGSを中国で見ようとすれば、それこそ大都市のレストランで聞いてみるか、養殖場を訪ねるか、ということになってしまう。
いよいよこれまで日本では紹介されたことがない(多分)、オオサンショウウオ養殖場の中に潜入するのだが、はっきりいって、なにがなんだか分からなかった。暗いのである。照明がまったくなくて、ひんやりした水っぽい雰囲気は、鍾乳洞に迷い込んだようでもあった。
手渡されたヘッドライトで照らすと、コンクリートの生け簀がいくつも連なっていて、蛇口からたえず水が流れているのがやっと分かった。
真っ暗で、ぽたぽたと水のしたたる音。
鍾乳洞どころか、お化け屋敷!
そして、ヘッドライトで照らした水底には、黒々とした塊が、もぞっと動く。
これがCGSだ。
飼育されているとはいえ、生まれ故郷の川に一番近いところにいる「地元」の生き物としての。
養殖場の主が、ある個体を選んで白いプラスチックケースにいれ、そのまま目が痛いほど眩しい屋外に持ち出した。主は素早く闇と光の世界を往復して、結局、3頭が表に出てきた。
ぼくたちのグループの中では、調査の主力である田口さんや魏教授が、鋭意、作業に取りかかった。
CGSをめぐる、中日英・混成隊の調査がやっと始まった瞬間だった。
次回は“番外編3 チュウゴクオオサンショウウオの保護に日本の技術を活かす” 及び
“番外編4 ヨウスコウカワイルカの二の舞を防げ” に続く・・・
■□参考資料: オオサンショウウオへの環境保全対策 (3/3) □■
【ダム貯水池下流側】
オオサンショウウオが身を隠すための寄せ石を整備します。
オオサンショウウオが身を隠すための隠れ家として、水際部に寄せ石や置き石の整備を行うこととしています。
ダムからの放流水温による影響を低減するための設備を設置します。
ダム建設後、ダムから水を放流する際は、水質保全設備(選択取水設備、流入水バイパス)を運用することにより、放流水温による影響を低減することとしています。
これらの環境保全対策を実施し、オオサンショウウオを上位とする河川域の生態系を維持できるよう努めていきます。
オオサンショウウオのモニタリング調査の概要
オオサンショウウオの生息環境への影響を把握するために、孵化幼生及び成体の生息を確認する調査を行います。また、保全対策の効果を把握するために、遡上路や人工巣穴の利用状況を確認する調査を行います。
これらの調査結果により、有識者の意見を伺いながら、よりよい保全対策を検討し実施します。なお、ダムの完成後もモニタリング調査を継続して行います。
オオサンショウウオの保全対策やモニタリング調査は、文化庁より現状変更の許可を得て実施しています。
.-.-.- 推定80~100歳 オオサンショウウオ発見・・・山口 -.-.-.
動画のURL: https://youtu.be/JcBSS3D2Lls
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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