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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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めくるめく知のフロンティア・学究達 =141= / 栃本武良(17/mn)

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生態がほとんどわかっていなかったオオサンショウウオ

驚くべきは国の特別天然記念物でありながら、その生態は謎だらけ

勤務する水族館でよく聞かれた素朴な疑問に答えようと研究をはじめた

子供たちに答えようと、ついには「日本ハンザキ研究所」を作ってしまった栃本武良

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 番外編1 中国でオオサンショウウオは「高級魚」 =2/3= ◆◇

  オオサンショウウオのライフスタイルも興味深い。あの巨体で活発に動き回っていると大変なエネルギーが必要だ。徹底的に省エネの待ち受け型のハンターで、夜、のっそりと川底に現れては、鼻先にやってきた魚などを丸呑みにする。繁殖の季節だけは川を遡ったり、巣穴をめぐって闘争したり、いろいろ派手なことがあるようだが、基本的にのっそり生きている。何千万年も姿が変わっていないとよく言われるが、ぼくの目には何億年も前の原初の両生類の姿を今に留めているようにも思える。

 人文的なトリビアもたくさんあって、日本では井伏鱒二の「山椒魚」や、つげ義春の「山椒魚」など、それぞれオオサンショウウオを題材にして、なにやら説話的な物語や、シュールな物語に仕立てている。人の想像を掻き立てるところがオオサンショウウオにはあるようだ。ぼくも2013年に「二百年の孤独」というタイトルでオオサンショウウオ小説を雑誌発表した(単行本未収録)。

 それを言うなら、現生のオオサンショウオがおらず、化石だけが知られていたヨーロッパでは、「洪水で死んだ人間の子の化石」と誤解されていた時期がある。旧約聖書の記述を裏付けるものとされていたとか。両生類の化石であって、人間ではないという決定的な証拠は、19世紀、シーボルト事件で日本を追われたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが生きた標本を持ち帰るのを待たねばならなかった。その時の個体は、オランダ・ライデン市の博物館でアルコール液浸標本として、今も保存されている。

「ロボット」という言葉を創ったことで有名なチェコのSF作家カレル・チャペックの「山椒魚戦争」では、知能を持ち人間を凌駕するオオサンショウウオが登場するが、背景には「人間だと思われていた」という連想がある。実際にチャペックの本には実在する化石標本の図版が挿入されている。これはスイスで発掘されたもので、今はオランダのハーレムの博物館にある。

  実を言うとここまで書くと、バレバレかもしれないが、ぼくもハンザキ研究所を訪ねて以来、オオサンショウウオにはまっている。折に触れて、あちこちオオサンショウウオに関係ある土地を訪ねている。

 そんなわけで、世界最大のチュウゴクオオサンショウウオを、生息地である中国で自分の目でたしかめてみたいと感じるのはごく自然な流れだった。研究員の田口さんが行くならば、是非! とばかりについて行くことになったのである。

 さて、田口さんは広島から、ぼくは羽田から、それぞれ飛行機に乗り、夕方、北京国際空港で落ち合った。田口さんは、オオサンショウウオの生態や保全についての研究で博士号を取り、飼育繁殖経験も豊富、また、各地にフィールドを持っている、オオサンショウウオ研究・保全界のオールラウンドプレイヤーの1人だ。ハンザキ研究所と栃本さんを紹介してくれて、オオサンショウウオに興味を持つきっかけを与えてくれたのも実は彼だ。

 さっそく田口さんによるレクチャー。

「CGSと、僕たちは呼んでます。チャイニーズジャイアントサラマンダーを略して。日本のオオサンショウウオは、ジャパニーズジャイアントサラマンダーでJGSですね。それで、CGSが住んでいるのは中国の南東部でして、これから行く貴州省では、ハンザキ研の岡田純・副理事長が野生個体の調査に協力しているんです。貴州省にCGSの保護区をつくる計画があるそうでして」

 ハンザキ研究所はNPO法人で、理事長で所長の栃本さん以外にフルタイムの職員はいない。野生調査を主導している岡田さんにせよ、今回の田口さんにせよ、オオサンショウウオで博士号を取った強者たちが、副理事長、理事などとして活動しているわけである。

・・・・・・明日に続く・・・

■□参考資料: オオサンショウウオって??? (2/3) □■

オオサンショウウオって飼えるの?3000年変わらない生きた化石!

<サンショウウオとオオサンショウウオの違い>

「オオサンショウウオってサンショウウオを大きくしただけ?」という疑問抱く方もいらっしゃると思います。 サンショウウオとオオサンショウウオは生物上違う分類です。 

サンショウウオ亜目サンショウウオ科には、日本固有の種も含めサンショウウオが属します。

オオサンショウウオ科には、世界に3種しか存在しません。 オオサンショウウオ、チュウゴクオオサンショウウオ、アメリカオオサンショウウオです。 

<特徴的な違い> 次は、特徴的な違いをご紹介します。 

【オオサンショウウオ】 = 大きさ : 平均全長50-70cm / 色 : 茶黒 / 体表 : 大小のイボで覆われている / 目の大きさ : 小さい / その他形状 : 頭の語りが平坦 

【イモリ】 = 大きさ : 全長10cm前後 / 色 : 腹に赤や黄が入る / 体表 : ざらざら / その他の形状 : 皮膚に毒を持つ種が多い。

 【ウーパールーパー】 = 大きさ : 全長10-25cm / 色 : 白、黒 / 体表 : なめらか / その他の形状 : 頭に3本の外鰭 

オオサンショウウオは他に比べ大きい種です。色は河底の岩と同系色の暗褐色です。平坦な顔、ごつごつした体表はまさに岩の様です。 ちなみに両生類、有尾目である3種は共通点も多いです。

指の本数は、前足4本後ろ足5本です。 また、3種とも食性が同じ動物食です。 

魚類、 カエル 、甲殻類、貝類、ミミズなどを食べます。 共食いをすることもあります。

イモリ・ウーパールーパーと違い、オオサンショウウオの生態については未だ不明点が多いです。

 2.オオサンショウウオが抱える問題

世界に3種しか存在しないオオサンショウウオ。(※ヨーロッパの個体は以前に絶滅しました。)  

現在それぞれ固有種が絶滅の危機に瀕しています。 大きな理由の一つに”交雑”問題があります。

日本ではオオサンショウウオとチュウゴクオオサンショウウオの”交雑”が問題です。

 チュウゴクオオサンショウウオは、1972年前後に京都鴨川に食用として持ち込まれました。

その個体が野生化し、日本固有種との交雑が深刻化しているのです。 近年の調査からも、”交雑”問題が見て取れます。 京都鴨川で捕獲された111匹のオオサンショウウオの内44%が交雑種であることが分かりました。(イラスト-2 参照)

しかし、チュウゴクオオサンショウウオも含め、サンショウウオ全種がワシントン条約によって保護されています。 単純に外来種として処理できないのが現状です。 

交雑種が増えている現状は問題です。 しかし、交雑種によって私たちにオオサンショウウオを飼える可能性もでてきました。

国の特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオは法律上飼うことはできません。 しかし、「交雑種」ならば法律上飼育しても問題はないのです。 ですが、固有種、交雑種は外見上の違いがなく判断がつきません。

 DNA鑑定が必要なのです。 そのため(可能性はありますが)、事実上「飼えない」のです。 そこでペットとして飼えなくても、「どうしてもオオサンショウオを愛でたい!」という方におすすめの施設3つを紹介します。

.-.-.- Japanese Giant Salamander:2 -.-.-.

動画のURL: https://youtu.be/DzMbLlIBw4I

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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