生態がほとんどわかっていなかったオオサンショウウオ
驚くべきは国の特別天然記念物でありながら、その生態は謎だらけ
勤務する水族館でよく聞かれた素朴な疑問に答えようと研究をはじめた
子供たちに答えようと、ついには「日本ハンザキ研究所」を作ってしまった栃本武良
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 番外編1 中国でオオサンショウウオは「高級魚」 =3/3= ◆◇
さて、ぼくたちが向かうことになっていたのは、貴州省銅仁市という地方都市だ。北京からは早朝便しかなく、仕方なく1泊することになっていた。
なにはともあれ、ホテルに向かい、荷物を置いた途端に、「調査に行きましょう」と田口さんが述べた。
さすが、オオサンショウウオの専門家。一時たりとも無駄にしようとしない。
しかし、どうやって? CGSがいるのは、中国南東部。北京にはいないはずではないか。動物園というスジもあるのだが、ホテル着はもう夕方だった。とっくに閉園だろう。
などと思い巡らせていたところ、タクシーでたどり着いたのはまったく違う場所だった。
背の高いホテルのロビー階にレストランがあった。江南料理の店で、高級なたたずまいからして、とても我々が食事をするようなところではなさそうだ。
その入口で、「ワーワーユー?」と田口さんが聞いた。
ぼくも、一緒にワーワーユー、ワーワーユーと唱えた。
漢字で書けば、娃娃魚。中国語でオオサンショウウオ、つまりCGSのことだ。「娃娃」は赤ちゃんの意味だから、「赤ちゃん魚」である。赤子に似た声で泣くからと説明を受けたが、実際に泣くのかは知らない。
「日本でも、首を縛って火あぶりにするという調理法があったんですが、そのときに断末魔かなにかで赤ちゃんのようなオギャーという声を出すという話を聞いたことがありますけど。僕はそんな声は聞いたことないですね」
と田口さんが言う。田口さんは、日本で歴代でも10指に入る(?)ほど多くのオオサンショウオに接してきた人物だ。それでも聞いたことがないというのだから、少なくとも日本のオオサンショウウオでは、あまりなさそうな話だ。
なにはともあれ、ワーワーユーと連発しているとなんとか通じて、店員さんが、メニューをもってきてくれた。
なにはともあれ、ワーワーユーと連発しているとなんとか通じて、店員さんが、メニューをもってきてくれた。開かれていたページには、長寿魚、と書いてあった。
500グラムで、980元。1万5000円から2万円といったところか。
「やっぱりあるんですね、こういうの」と田口さんは感慨に耽っているようだった。
いや、たしかに、強烈な違和感である。
レストランのメニューに「姿」の写真付きでオオサンショウウオメニュー!
日本でも、昔はオオサンショウウオを食べる地域があったそうだが、昭和26年に天然記念物(昭和27年に特別天然記念物)になって以降は、食用にはされていない。しかし、中国では今も健康食的な高級食材になっている。それが、メニューにでかでかと、かつ、あっけらかんと、まさに健康イメージを振りまくように描かれているわけだ。
ああだ、こうだと、英語で質問してみたが、あまり理解してもらえず、なにを勘違いしたのか、奥から銀色のたらいにのせた、本物のCGSがやってきた。
あわわわ、こんなところで、中国における「本物」とご対面となるとは。
暗い照明のせいか、日本のものよりも体色が濃く感じる。プロポーションも、ちょっと違う気がするが、素人として、この時点では言語化できなかった。
それでも、うねうねとたらいのなかで身をくねらせるそいつを見ながら感動し、また複雑な気分にもなったのだった。
とにかく、CGSをめぐる冒険は、レストランから、である(その夜、ぼくたちは、フツーに北京ダックを食べました)。
次回は“番外編2 これがチュウゴクオオサンショウウオだ”に続く・・・
■□参考資料: オオサンショウウオって??? (3/3) □■
オオサンショウウオって飼えるの?3000年変わらない生きた化石!
オオサンショウウオに会えるおすすめスポット1: 京都水族館
京都水族館は、オオサンショウウオを強く推し出しています。 そんな京都水族館のショップにはオオサンショウウオグッズが売っています。 なかでもおすすめなのは170cm抱き枕サイズのオオサンショウウオのぬいぐるみです。
最大全長150cmを記録したオオサンショウウオにちなんで、170cmサイズがあるのが凝っています。 サイズ展開も豊富で、オンラインショップでも買うことができます。(イラスト図-1) 公式オンラインショップHP: 京都水族館
<京都水族館>
住所 : 〒600-8835 京都府京都市下京区観喜寺町35−1 電話 : 075-354-3130
HP : 京都水族館
料金 : 大人2050円 大・高校生1550円 中・小学生1000円 3歳以上600円
営業時間 : 10:00-18:00 (年中無休)
オオサンショウウオに会えるおすすめスポット2: 日本サンショウウオセンター
赤目四十八滝に併設されている日本でも珍しい施設です。 こちらでは、美しい自然の中に自生しているオオサンショウウオを見ることができます。
住所 : 〒518-0469 三重県名張市赤目町長坂861-1 / 電話 : 0595-63-3004 FAX : 0595-63-8400
HP : 日本サンショオウウオセンター
入場料 :大人400円 子ども200円(赤目四十八滝内の複合施設です。)
営業時間 : 4月 1日~11月30日 午前8時30分~午後5時 / 12月 1日~3月31日 午前9時~午後4時30分 / 12月28日~12月31日 休館
オオサンショウウオに会えるおすすめスポット3: はんざきセンター
岡山県にある施設です。オオサンショウウオを飼育・保護しています。 ちなみにハンザキ(半裂)とは、オオサンショウウオの俗称です。 「半分に裂いても生きていそう…」ということから呼ばれるようになりました。
<はんざきセンター>
住所 : 岡山県真庭市豊栄1530 / 0867-62-2011(真庭市役所湯原支局総務振興課)
HP : はんざきセンター
入場料 : 無料 (営業時間 / 9:00~17:00 休館日 年末年始 )
・・・・・以上がオオサンショウウオについてのご紹介でした。 「もっともっと詳しくオオサンショウウオについて知りたい!」 という方はこちらのHPも参考にしてみてください。
⇒ 日本ハンザキ研究所ホームページ https://www.hanzaki.net
.-.-.- オオサンショウウオ 脱皮 Japanese Giant Salamander -.-.-.
動画のURL: https://youtu.be/lNcuZmugX5w
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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