生態がほとんどわかっていなかったオオサンショウウオ
驚くべきは国の特別天然記念物でありながら、その生態は謎だらけ
勤務する水族館でよく聞かれた素朴な疑問に答えようと研究をはじめた
子供たちに答えようと、ついには「日本ハンザキ研究所」を作ってしまった栃本武良
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 栃本武良: 第3回 オオサンショウウオの知られざる生態 =2/3=
オオサンショウウオの一生
幼生は、外鰓(がいさい)を持ち、巣立つ時点では全長4センチメートルほどで全身まっ黒。川底の礫の下などに潜み水生昆虫などを食べていると考えられる。4~5年かけて全長20~25センチメートルくらいになったところで、外鰓がなくなって変態が完了する。
変態後の成長速度は、1年あたり1センチメートルに満たない。水族館であえて多くの餌を与えて飼育したところ、5年で50センチメートルにまで成長した例があるが、野生の環境下では厳しいようだ。
繁殖に参加するようになる年齢は野生では分からないが、世界で唯一継続的な繁殖実績がある広島市安佐動物公園では、飼育下うまれの個体が16歳9ヶ月で産卵に成功している。
これまで知られている記録の中で、信頼できるものとして最大の個体は、2002年に死亡した広島県の150.5センチメートルのものだ(安佐動物公園の動物科学館に標本が展示されてあり、来園者は自由に見ることができる)。
といったところ。もっと様々な事例が観察されているし、いくらでも書き連ねることができそうだが、とりとめがない。
でも、重要なことをひとつ書かずにおいた。
栃本さんがかつて、子どもたちから聞かれた「何年生きる?」という素朴な疑問への回答は?
これについては、栃本さん自身の口で語ってもらった方がいい。
質問をすると、栃本さんは「いや、それがね」とかぶりを振った。
「100年以上は生きるんだと思うけど、はっきりとしたことはまだ言えない。ぼくはもう後何年かやれたとしても調査期間トータルで40年でしょう。人間1代で40年やると、2代で80年、3代で120年、4代から5代かけなきゃ駄目なんじゃないかな。まあ、ハンザキ研で孵化した幼生がある程度大きくなったら、マイクロチップを入れて放して追跡調査して、この川の環境で10年で何センチぐらいになるっていう、平均的な数値なら出てきますわ――」
なんと、素朴な質問に答えるのは、長寿の生き物ゆえ、なかなか難しいのだ。
「ここで調査をしているのをみても、80センチで何年も全然成長してないやつがいる。時々、測定の誤差かもしれないけど、縮むやつもいるし」
80センチメートルから大きくならない? おまけに、縮むやつがいる??
じゃあ、1メートルを超えるような個体は何が違うんだろう。
「運が違うんじゃないですかね」と栃本さんはあっさり言った。
ここで隣で話を聞いていた研究員の田口勇輝さんがツッコミを入れる。
「いや、実力もあるんとちがいますか。いい巣穴を押さえて、いい狩り場に出て──」
ひとしきり、運か実力かという楽しい議論をした後で、栃本さんの総括。
・・・・・・明日に続く・・・
■□参考資料: 見れば見るほど魅力あふれる「オオサンショウウオ」の特徴とは? (3/3) □■
【手】
オオサンショウウオの手。前あしと後あしで指の数が違います。
それぞれ何本あるでしょう?
写真-6
正解は、前あしは4本、後あしは5本あります。
指の裏はまるで肉球のような丸みがある可愛らしい手あし。この指のおかげで岩の上や川の流れの中でも、しっかりとふんばって進むことができます。
【口】
オオサンショウウオを「ハンザキ」と呼ぶ地域があります。
その名前の由来ともいわれているのが大きな口!
まるで顔の半分が裂けているように見えるほど口が大きいことから「半裂き」と呼ばれています。
しかし、ポイントはその大きさではありません。
正面から見てみると、なんだかにんまりと笑っているようにも。見れば見るほど可愛らしく思えてきます。
そんな可愛らしい口ですが、ごはんの時間になるとその可愛らしさはどこへやら、迫力満点の一面が見えてきます。
京都水族館のオオサンショウウオは、ウグイという魚の切り身を食べています。
棒の先につけた切り身を目の前で動かすと、一瞬で丸飲みに!
写真-8
大きな口はペロリとごはんを食べるのに大活躍。普段のようすとのギャップにも注目してみてください。
ごはんのほかにも大きく口を開くときが。
それは、「あくび」。
時々伸びをするかのようにあくびをすることがあります。そのときは口の中を観察できるチャンス!あくびをしていることがあれば、そっと覗いてみてください。
9月9日は『オオサンショウウオの日』
京都水族館では、オオサンショウウオの全身の姿が数字の「9」に似ていることや、9月頃に繁殖のためオオサンショウウオが活発になることから、「9月9日」を『オオサンショウウオの日』として、一般社団法人 日本記念日協会へ申請し、2018年4月18日に認定されました。
.-.-.- オオサンショウウオ とナマズの攻防 -.-.-.
動画のURL: https://youtu.be/5jL6btrI9Pk
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