生態がほとんどわかっていなかったオオサンショウウオ
驚くべきは国の特別天然記念物でありながら、その生態は謎だらけ
勤務する水族館でよく聞かれた素朴な疑問に答えようと研究をはじめた
子供たちに答えようと、ついには「日本ハンザキ研究所」を作ってしまった栃本武良
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 栃本武良: 第1回 激録・オオサンショウウオ夜間調査=1/3= ◆◇
兵庫県朝来市生野町、市川上流の渓流を歩く。それも夜、大きなライトを手にし、胴長を着た重装備である。
先導するのは日本ハンザキ研究所の研究員、田口勇輝さんで、片手にライト、もう一方の腕では雨樋のような器具と大きなたも網を脇に挟んでいる。
ライトで、水面下を照らしては、河床の陰影の間に、ある生き物の姿を探す。
ぼくが持っているライトでは、水面下でゆらゆら漂いまどろんでいるらしいカワムツやアマゴ、水底にへばりつくカワヨシノボリなどが見えた。
やがて、田口さんが岩の下に何かを見つけたようで、たも網をぐいっと差し込んだ。
何度か角度を変えて、岩の底をさぐり、ゆっくりと網を持ち上げた。
「いましたよ」とさりげなく言う。
中には、重量感のある生き物が、捕らえられていた。
オオサンショウウオだ。
夜の渓流を歩き始めてから10分と経っていない。
いかに生息数の多い場所と分かっているとはいえ、あっけない出会いだった。
ちなみに、田口さんが研究員をつとめるハンザキ研究所の「ハンザキ」とはオオサンショウウオの古い標準和名だそうだ。
それにしても、こんな小さな渓流に、これほどの大きさの生き物が潜んでいるとは……。ある種の感動を抱かざるをえない。
つい最近まで、ぼくにとって、オオサンショウウオとは、こういうリアルな生き物というより、物語に登場する寓話的存在だった。井伏鱒二の『山椒魚』やら、カレル・チャペックの『山椒魚戦争』やら、最近では映画で『パビリオン山椒魚』などというのもあった。
でも、今こうやって、目の前に体をくねらせるそいつを見ていると、ああ本当に野生生物なんだなあ、という実感が湧いてくる。
オオサンショウウオは、日本の岐阜県以西の本州と四国、九州の一部に棲息しており、分布の中心は中国山地の渓流だという。
3000万年前から、今と変わらない化石が出ており、両生類界のシーラカンス(?)ともいえる。かつては世界のあちこちにいたと見られるが、今では地球儀上の「点」のような狭いエリアにかろうじて生き残っている古代種だ。
・・・・・・明日に続く・・・
■□参考資料: オオサンショウウオ/大山椒魚 (1/3) □■
オオサンショウウオ (大山椒魚、Andrias japonicus) は、有尾目オオサンショウウオ科オオサンショウウオ属に分類される有尾類である。別名ハンザキ。
分布: 日本列島西部(岐阜県以西の本州、四国、九州の一部)における固有種である。和歌山県の個体群は過去に人為移入された個体に由来していると考えられている。青森県から鹿児島県にかけて捕獲例はあるが、誤認されたチュウゴクオオサンショウウオも含め人為移入と考えられている。
また、京都市域における外来種によるオオサンショウウオの遺伝子汚染の実態調査により、賀茂川では在来種は絶滅した可能性があり、別水系の上桂川でも雑種化が進行していることが確認された。オオサンショウウオの遺伝的汚染は予想以上に進行しており、何らかの方法で純粋な日本産を隔離保全していくことが早急に必要だとの報告書も存在する。種小名 japonicus は「日本の」の意味。
形態: 最大で全長150センチメートルにまで育つ。ただし野生個体では全長100センチメートルに達することは極めて稀で、一般には全長50センチメートルから70センチメートル程度。皮膚は無数の小さな疣状で覆われる。体側面や四肢の後部では襞状に皮膚が伸長する。背面の色彩は暗褐色で、不規則な黒い斑紋が入る。
上顎中央部に並ぶ歯の列(鋤骨歯列)は浅い「ハ」字状。卵は直径0.5 - 0.8センチメートルで、黄色い。同属のチュウゴクオオサンショウウオは吻端が扁平・黒色斑が大型で独立する・疣が2個ずつ並ぶことなどで区別できるとされるが、種間雑種では識別は困難とされる。
.-.-.- オオサンショウウオ -.-.-.
動画のURL: https://youtu.be/h-93zUrvML4
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