『ナショナル ジオグラフィック』は直訳すれば「米国地理学雑誌」か
それなのに、ちっとも地理学誌らしくない記事を掲載 でも、そもそも地理学ってなんだろう
そんな疑問をたずさえて、世界で活躍する地理学研究者であると同時に
“ナショジオ”全巻の蔵書を誇り “ナショジオ”にまつわる展示会まで開催した堀信行
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 堀 信行 : 第二回 ライバルはチャールズ・ダーウィン!! =2/3= ◆◇
堀さんの地理学者としてのスタートは、サンゴ礁の研究だった。
サンゴ礁はもちろん、地球の表面にあるものであり、動物が形作るものであり、地形でもある。また、海の生き物にとって重要な環境であり、隆起して人が住む島になったりもする。
「沖縄に南大東島というサンゴ礁の隆起環礁の島がありまして、わたしがまだ学生の頃に、若くして故人となられた武永健一郎先輩についていったんです。サンゴ礁を見たことない人間がはじめて見ると、ため息が出るほど美しいんですね。美しいサンゴ礁を前にして調査をしながら、わたしは先輩に色々、質問するわけですよ。サンゴ礁ってどうやってできるんだとか、ほかの場所でも同じだろうか、とか。私の質問があまりに頻繁なもので、うるさい、しばらく黙れと言われまして──」
ここで堀さんは、自分の思考の特質を理解するようになったという。何かを見たらできるだけ普遍的な仮説を立てて、それが合っているかどうか追いたい。自然と話は大きくなりがちだ。堀さんは、沖縄の他の島のサンゴ礁をめぐるようになる。
東京都立大学の助手に招かれて着任した際、アフリカのケニアでの調査に参加することになった。アフリカの山岳地帯ケニア山の氷河からインド洋岸のサンゴ礁までの気候変化を見る、というのが大きな目的で、堀さんはこれまでの沖縄でのサンゴ礁調査の経験を買われ、サンゴ礁担当になった。
沖縄で研究してきたことを、アフリカでの研究にどう役立てるか。サンゴ礁の分布域の「北の端っこ」あたりに位置する日本のサンゴ礁と赤道付近のケニアのサンゴ礁はどう違うか。その違いの背後には一般的な法則があるのか。堀さんは世界中のサンゴ礁があるエリアの海図をすべて買いそろえた。
そして、サンゴ礁の縁の部分の幅や深さがどれだけあるかを計測した。赤道近くでは深いところからサンゴ礁が立ち上がり、積み上がった石灰岩(礁石灰岩)の厚さも水深に対応して厚い。それが北緯と南緯で20度を超えたところから浅く・薄くなりはじめ、30度近くの現在のサンゴ礁の北限・南限にいたるまでその傾向が続く。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□ 参考資料: 大重監督との記憶 (2/3) □■
the Earth of Free Green : 「神の島」に寄せた熱い心
―大重潤一郎監督との記憶を辿る
大重監督との偶然の出会いがあったその後、カルスト地形を活かした土地利用に、畑周辺の草木の風通しを良くするアブシバライという作業の様子(写真左)などを撮影した。「久高オデッセイ」の第一部と第二部を観たことがある矢野氏によれば、その時の映像の一部が出てくるとのことであるが、私はそれ以来ずっとその場面を見てみたいと思っている。不思議なもので、お会いしてすぐに監督のカメラの中に撮りこまれたためか、自分が大重監督の世界の一郭を構成しているような錯覚に陥ることがある。
この出会いの後、那覇の事務所に三回程伺い、旧交を温めた。また2013(平成25)年11月2日には、目黒区の生涯学習機構である「めぐろシティカレッジ」の講座「生きる知恵:古今東西」の講師としてお招きし、「生きる知恵:私の場合」という表題の講義をしていただいた。車椅子から声を絞り出すように語られる監督の姿を脇から眺めながら、講義を気持ちよく引き受けていただいた監督に感謝しつつ、私は感無量であった。この時も発病後の監督は、何回目かの手術を兼ねて上京されていたと思う。
以下当日の大重監督の言葉の断片を幾つか挙げてみよう。
「病気で倒れた時、ありありとある風景を見た。自分の祖先が出てきて「何とお前は自分勝手なことをしているのか。お前には俺たちもいるんだぞ。」と言った。」
「ある日、比嘉康雄から電話があった。「俺はもう死ぬ」と。…そして「血と肉を剥ぎ、骨だけにしてくれ」と比嘉は言った。…それを泣きながら編集した。」
「彼は言った。「男はウミンチュ、女はカミンチュ」「男は効率を求め、女は命を残し、命を繋ぐ」「争い中心の男、命中心の女」と。」
「沖縄を去ろうとしたら何かおかしい。本土と繋ぐ人が要る。私は去れないと思った。妻にも相談せずに沖縄へ行ってしまった。」
「私は脳の(?)がやられている。右半身激痛が走る。脳が勝手につくっている痛み。脳がいかに大切かとしみじみ思う。」
「(倒れて)最初の4・5年は話しても通じなかった。諦めないで努力して今に至っている。」
「美味いもの食べて、…つまり刺激を与えて蘇った。薬で治ったわけではない。」
「医者で半分。あとは自分で治さないといけない。…刺激が大切。実際の生活が一番のリハビリである。」
「自力本願だ。特に感覚は自分で治すしかない。」
「命の全うが重要。命の巡り、先祖からの流れが大切。」
「人頼みにするな。自分でやれ。無関心はいけない。」
「病気をすると、心の病気がついてまわる。」
「感動というものがある。『禁じられた遊び』を観て感動し、映画に走った。そして感動の背後に自然がある。小さい頃桜島を見てそう思った。」
「今の異常気象も罰が当たっているのではないかと思った方がよい。」
「大地は天からの授かりもの。」
以上、当日の大重監督語録の一部である。
・・・・・・明日に続く
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◆ 「沖縄 久高島のイザイホー-第2部-」東京シネマ ◆
・・・ https://youtu.be/QTjg_L1ZP7o ・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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