『ナショナル ジオグラフィック』は直訳すれば「米国地理学雑誌」か
それなのに、ちっとも地理学誌らしくない記事を掲載 でも、そもそも地理学ってなんだろう
そんな疑問をたずさえて、世界で活躍する地理学研究者であると同時に
“ナショジオ”全巻の蔵書を誇り “ナショジオ”にまつわる展示会まで開催した堀信行
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 堀 信行 : 第二回 ライバルはチャールズ・ダーウィン!! =1/3= ◆◇
企画展「ナショジオの世界 120年の軌跡」が開催されている図書館の一室から、堀信行教授の研究室に移動。企画展を離れた「地理学」についての話を伺うことになった。
実は、地理学についてインターネットで予習したところ、Wikipediaの記述では(誰が書いたか知らないが)、自然地理学、人文地理学、地誌学、地図学といった大分類を提示した上で、さらに細々とした諸分野が挙げられていた。
堀さんは、こういった細分化された諸分野ではなく、ただ「地理学」と名付けられた学科の教授だ。まさに、ザ・地理学者。
では、地理学、ジオグラフィとはなんだろう。
「ジオっていうのは、地面のこと、大地のこと、地球のこと。グラフィっていうのは記述するという意味。教科書的にはそこで終わっちゃうんですけど、もうちょっと食い込む必要があると思っています。ジオ(GEO)のOというのは、ギリシャ語で2つの単語をつなぐためのものなんで、GEに意味があるんですね。で、GE(ゲー)っていうのは、ガイアのことです。
つまり地面、地母神です。その地母神が生み出した世界を記載する。地面には生命体、植物や動物や人間、および社会や文化も皆含まれる。さらに地面との関係において発生する気候のような諸現象というのが全部、記載の対象になります」
非常に大きな説明である。植物や動物や人間、さらにその社会や文化も皆含まれた上での「地面」を記載するといえば、要するに森羅万象にも近くなる。地理学はそんなに「手広く」て大丈夫なのかと心配になるくらいだ。
それは、多くの人が感じる疑問であるらしい。
「人間の生活はもちろんのこと、「自然」と我々が言っているもの自体、ガイアの世界です。全部1つの学問でやれるのかと思われることが多いようです。しかし、ねらいとしては、そういうものを全て、とにかく分け隔てなく、丸ごと取り扱おうとすること。科学は、一般に、要素に分解することで発展してきた面がありますけれども、複雑なひとまとまりのまま、いわば複合体のままの状態で把握するというのが地理の理想ですね」
地球をまるごと理解する。
できるかどうかは別として、そのような欲望を持った学問なのだとぼくは理解した。
しかし、まるごと、と言われても、やはり具体的なイメージは湧かない。堀さん自身の研究史をもって、具体例とさせてもらおう。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□ 参考資料: 大重監督との記憶 (1/3) □■
the Earth of Free Green : 「神の島」に寄せた熱い心
―大重潤一郎監督との記憶を辿る
私(堀信行)は、2018(平成30)年7月22日、大峯本宮天河大辨財天社の奉納上映会で、長年の夢であった大重潤一郎監督の作品「久高オデッセイ第三部 風章」と「水の心」を鑑賞した。鎌田東二先生を中心に企画されたこの上映会は、3年前に大重監督が69歳で亡くなった命日でもあり、監督に再会できた日でもあった。
これまで大重監督の映画を観る機会を失ったままだった私にとって、今回は「長年」の夢が叶えられた日でもあった。「長年」とは、大重監督が「久高オデッセイ」三部作の製作を開始したとされる2002(平成14)年以来の年月のことである。というのは、私が大重監督と初めて出会ったのは、16年前の2002(平成14)年11月16日のことであった。思えば、監督が「沖縄映像文化研究所」をこの年の10月14日に設立されて、ほぼ一か月後のことである。
出会いのきっかけは、現在「大地の再生」家として全国的に活躍されている矢野智徳氏との縁であった。矢野氏とは都立大の地理学科の縁もあって、各地の環境改善に私も微力ながら関わっていた。矢野氏が大重監督を知り合ったのは、矢野氏が久高島を歩いている時に偶然出会い、そこで矢野氏が、環境への取り組みを説明したという。それを聴いた監督は、いたく感動したことに始まる。その後間もなく私は矢野氏から大重監督のことを聴き、久高島でお会いすることになったのである。初めてお会いした日の光景が今も忘れられない。
大重監督が写真に見るように、とてもお似合いの青いシャツに白いズボン姿で、カメラを片手に、我々の方に向かって歩いて来られる光景は、一コマの映像を見るようであった。初めての出会いであったが、お互いに、会いたい人に会えたような興奮がそこにはあった。瞬く間に大重監督ならではの人間的な空気に包まれていった。
私は、サンゴ礁地形を中心に自然地理学の研究をしていることを手短に自己紹介した後、すぐイシキ浜の南端の海岸に出た。すると、すぐに監督から、この島の自然地理学的特性を説明して欲しいといわれ、語り始めると、監督はすぐさま至近距離で手持ちのカメラを廻し始めた。私は、普段カメラを頻繁に使うことには慣れていたが、撮られることには不慣れなため、一瞬戸惑い、私の声も潮騒の音にかき消される感じがした。 ・・・・・・明日に続く
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◆ 「沖縄 久高島のイザイホー-第1部-」東京シネマ ◆
・・・ https://youtu.be/af0PEedYKNY ・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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