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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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めくるめく知のフロンティア・学究達 =113= / 田村元秀(11/11)

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太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 田村元秀 : 第五回 これが新しい宇宙の常識だ =2/2= ◆◇

=最後に、太陽系外の生命の存在の可能性について=

 我々の太陽系外に我々と似た生命が存在する可能性は、どれくらいあるのだろう。これは系外惑星の専門家である田村さんにしてみても、最終的には推論するしかないわけだけれど、ぼくとしては、聞かずにはいられない。

 いや、ぼくだけでなくそういう人は多いらしく、田村さんも実になれた様子で回答してくれた。

「知的生命という意味ではかなり低いと思いますが、原始的な生命も含めてであれば、確率はかなり高いと思っています。今分かっている知識では、系外惑星100個のうち、2~3個ぐらいは、ハビタブルゾーンにある地球型惑星だ、と。そこは要するに水が液体で存在している可能性があるわけですね。あとは、そういう水を持った惑星でどれだけの確率で、生命が生まれるかという話になるんですよね。ほんとにそこはわからないです」

 分からないなりに、きっとどこかで生命は生まれているだろう、というのが田村さんの見立て。

 

   とはいえ……やはり知的生命というのはハードルが高いのか。宇宙人から発せられているかもしれない信号を探すSETI(地球外知的生命体探査)のような「賭け」の要素が強い研究に期待するしかないのだろうか。

「そうかもしれませんが、地球型惑星がハビタブルゾーンにある確率がパーセントのオーダーであるとわかってきたということは、賭けに期待する部分は少なくなってきたということなんですよ。ある程度のことをちゃんとやっていけば、必ず知識は深まっていくんですから」

 田村さんは、非常に前向きに、力強く述べた。

 1995年に始まったともいえる「若い天文学」、太陽系外惑星探査が明らかにしつつある新しい知識は、あきらかに「生命に満ちあふれた宇宙」を強く示唆している。その証拠が年々、積み上がっている。

 そのことと、我々がいつか太陽系外の生命と直接相まみえることとの間には、大きなギャップがあるけれど、科学的根拠も伴いつつ、「世の中」の常識として、「我々はきっと孤独ではない」と言えるのは、ぼくにはとてもうれしいことだ。

次回は“堀信行・ナショジオ=「米国地理学雑誌」?”に続く・・・・

■□参考資料: いる…いない…やっぱりいる? (2/2) □■

やっぱりいるんだ!太陽系外惑星に生命が存在する可能性を示す新研究

研究チームは、生命が存在する可能性のある惑星の候補であるプロキシマ・ケンタウリb、トラピスト1e、ロス128b、LHS 1140bという4つの惑星の表面の紫外線環境をモデリングしました。

その結果、現在の地球に似た環境の惑星もあれば、大気が侵食され無酸素状態に陥っている惑星もあることが明らかになりました。後者はオゾン層を持たず、紫外線放射をブロックすることができません。大気の層が薄くなり、オゾン濃度が下がると、高エネルギーの紫外線が地上に到達しやすくなります。

さらに、4つの惑星の紫外線レベルはどれも、初期地球より低いことも判明。これは、もっとも激しい活動を示す赤色矮星を公転する惑星を含めての話です。大量の紫外線が地上に届いていた初期地球にさえ生命が存在したのですから、赤色矮星を公転する惑星に生命が存在したとしてもまったく不思議ではありません。

◆ 人類の常識を遥かに上回る『異次元の能力』を持つ星たち ◆

・・・  https://youtu.be/sLSAXtD7zKA  ・・・

地球を知ることは宇宙を知ること

特に、プロキシマ・ケンタウリの年齢が太陽をおよそ2億年上回る4兆8,530億年であることを考えれば、プロキシマ・ケンタウリbの生命居住可能はさらに興味深いものになります。

地球上に最初の生物形態が出現したのは、地球誕生の約10億年後(およそ35億年前)だと考えれています。プロキシマ・ケンタウリの誕生直後に、原始惑星同士の衝突が生んだ破片円盤によってプロキシマ・ケンタウリbが形成されたと仮定すると、生命が生まれ地上に根付くまでに十分な時間があったとことになります。

生命とはいっても、単細胞の原核生物に過ぎなかったかもしれません。でも、太陽系の外にも生命が存在する可能性を示すだけでなく、どのような生命の痕跡を調べるべきかについてのヒントを与えてくれるという意味で、その意義は計り知れません。

宇宙における生命の探求は、常に地球の研究から始まります。なぜなら、生命が居住できる惑星として私たちが現時点で把握しているのは地球だけだからです。このため、地球の生命の歴史の中で、生命がどのようにして(どのような条件下で)、生存し、栄え、環境の変化に反応してきたかを知ることはとても重要なんですね。

「存在する・しない」の論議はまだまだ続きそうですが、私たちのホームである地球の変遷を探ることで、はるか彼方の異世界の様相が少しずつ明らかになりつつあります。

◆ 「第二の木星を写し、第二の地球を捉えよ! ~系外惑星天文学の最前線~」 ◆

・・・  https://youtu.be/wYmOrb_zW0Q  ・・・

・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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