太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか
私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか
国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む
太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 田村元秀 : 第四回 系外惑星探査の大革命が進行中! =1/3= ◆◇
ここまであえて書いてこなかったのだが、今年2011年は、太陽系外惑星探査の「第二の革命」の年かもしれない。田村さんは、そう感じている。
第一の革命は、もちろん1995年、最初の系外惑星が発見されたこと。
そして、第二の革命は、2010年までに見つかった系外惑星候補が500あまりだったのに対して、2011年だけで1200を超える新候補が見つかったこと。
残念ながら、すばる望遠鏡での発見ではない。アメリカが打ち上げた系外惑星探査専用の宇宙望遠鏡、「ケプラー衛星」が、2009年の初観測から最初の4カ月間分のデータをまとめて発表したことによる。2010年までの系外惑星候補数と並べて描いてみると、その突出ぶりがよく分かる。
「ケプラー衛星は、ハッブル望遠鏡と同じく可視光で宇宙を見ていて、方向ははくちょう座のごく一部だけに固定しているんですね。10度×10度ぐらい、つまり月の20倍×20倍ぐらいの領域です。そこに太陽と似たような星が15万個もあって、その中から1235個惑星候補がみつかった、と。惑星が主星の前を通る時に少し暗くなるのを見るトランジット法(間接観測の一種)ですから、観測期間が長くなると公転周期の長目の惑星候補もみつかってくるでしょうし、地球型でハビタブル(居住可能)ゾーンにあるもものも増えていくでしょう。生命の発生のことを考えると、非常にインパクト大きいと思いますね」
ケプラー衛星が発見した系外惑星の特徴を示してもらった。これだけの数があると統計性が出てきて、非常に興味深い。
1235個の惑星候補のうち、地球サイズが68個、地球の10倍くらいまでの「スーパーアース」サイズが288個、海王星サイズが662個、木星サイズが165個、超木星サイズが19個となるそうだ(ただし、地球サイズ、スーパーアースサイズは、まだ観測期間が短いため不確定要素がある)。
また、恒星100個につき、惑星は34個はみつかっており、いわば「惑星存在割合」は34%。
さらに、宇宙における生命の誕生に必須と考えられている「ハビタブルゾーン」にある惑星候補は、なんと54個も見いだされた。
ちなみに、ハビタブルゾーンとは──
「惑星の表面で、水が凍らず、蒸発もせず、液体で存在する可能性がある、ということです。恒星に遠すぎると寒すぎるし、近すぎると熱すぎる。ケプラー衛星の、最初4カ月の観測でも、ハビタブルゾーンにある惑星はありふれているとわかってきたわけです」とのこと。
圧倒的なケプラー衛星の成果の前にくらくらするほどなのだが、では、すばる望遠鏡での直接観測は、どのようにこれから活きるのか。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□参考資料: さよならケプラー宇宙望遠鏡、大量の惑星を発見 (1/3) □■
宇宙に対する私たちの理解に革命をもたらした
太陽系外の惑星探査で屈指の実績を上げてきたNASAのケプラー探査機が役目を終えた。NASAは10月30日、星空を10年近く観測してきたケプラーの燃料が尽きたと発表。今後、ケプラーは地球を追う軌道に留まり、太陽の周囲を回る。故郷の星に161万キロより近づくことは二度とない。
「NASAオリジナルの惑星探査機、ケプラー宇宙望遠鏡は燃料を使い果たしました」。NASAの天体物理学部門ディレクター、ポール・ハーツ氏は記者会見でこう述べた。「予期しなかったことではありません。これにより、ケプラーの探査機としての運用とデータ収集は終わりを告げます」
ケプラーは、宇宙に対する私たちの理解に革命をもたらしたと言っても過言ではない。太陽系の外にある恒星にはたいていその周囲を回る惑星(系外惑星)があること、そのうちおよそ5分の1が地球に似た大きさや軌道をもつことが判明した。言い換えれば、惑星は恒星が形成されるときのよくある産物であり、けっして珍しいものではないことを、ケプラーは私たちに教えてくれた。
◆ 生命体がいるかもしれない地球に似た惑星5選 ◆
・・・https://youtu.be/kys9cF_erzo・・・
米ワシントン大学のビクトリア・メドーズ氏は、「ケプラーのおかげで、他の恒星のハビタブルゾーン(生命が存在しうるエリア)を周回する惑星が豊富にあることがわかっています」と話す。「系外惑星科学の未来は大きく開かれています」(参考記事:「【解説】宇宙生命探査、次はこうなる」)
このあと天文学者たちは忙しくなる。ケプラーが収集した山のようなデータをふるいにかけ、理解し、新たなミッションを構想し、新しい装置を設計する必要があるからだ。そして次世代の系外惑星探査機を使い、科学者たちは空に隠された惑星の特徴を明らかにする仕事に力を注ぐことになる。
何しろ、天文学の採石場とも呼べるこの分野で、「生命の兆候を持つ惑星が地球以外にあるのか」という最大の謎はまだ残されたままだ。
「こうした系外惑星が何でできているのか、これから描き出していきます。惑星内部から大気まで、これまでにないレベルで詳しく示せるでしょう」と話すのは、米カリフォルニア工科大学のジェシー・クリスチャンセン氏だ。「ケプラーは、惑星と惑星系の多様性を覆っていたベールを外してくれました。今から本当の探究が始まります」
・・・・・・明日に続く
◆ 銀河系 2000億個の大集団 2/4 ◆
・・・https://youtu.be/b448CFl0LyQ・・・
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