人と関わるロボットを作ろうと思ったら、見かけはどれだけ重要だとか
何をもって人を人らしいと認識するのかをまず研究しなくちゃいけないんじゃないか
そう考えて、自分自身を型にとり、自分そっくりのアンドロイドを作ってしまった
ATR石黒浩特別研究室 石黒 浩
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 石黒 浩 : 第2回 ジェミノイドができるまで =1/2= ◆◇
大阪大学教授で、ATR石黒浩特別研究室の室長でもある石黒浩さんは、客観的にみて「スター研究者」の類に入る。日本国内のロボット研究者で最も名が知られているうちの一人だ。2007年にはイギリスのシンクタンクが選ぶ「生きている天才100人」のうち26位に選ばれるなど、国外での評価はさらに高い。
自分自身のコピーロボットであるジェミノイドに象徴されるような、インパクトのあるロボット開発および研究を続けてきており、異彩を放っている。
石黒さんは、どのようにジェミノイドにたどり着いたのか。本人の弁を借りると「徐々に」だという。その「徐々に」の道のりとは──。
「まず、工場で働いているような産業用のロボット。研究者はそういうものを作ってきました。でも、日常生活の中で人とかかわって活動するようなロボットを作るとした時、人のことが分かってないのに、人と関わるロボットを作らないといけないという矛盾に直面してしまったわけです」
なるほど、工場の生産ラインに陣取っている産業用ロボットと、人と日常生活の中でかかわるロボットでは、本質的に違うというのは直観的に分かる。人間の日常生活には様々な文脈があって、それに対してロボット側がどのように情報処理して適切な行動をとりうるか、まったくもって難題だ。
そこで、石黒さんの興味は、そもそも「人のことが分かっていない」という部分に移っていく。
「例えば、人が人であるのに見かけはどれだけ重要だとか、何をもって我々は人を人らしいと認識するのか、とかですね。そういう発想ってロボットの研究にはまったくなかったんです。でも、人と関わるロボットを作ろうと思ったら、そういうことをやらなくちゃいけないじゃないですか──」
というわけで石黒さんは、とことんリアルに人間に似せたアンドロイドの開発に進んだ。見た目としても、動きとしても、できるだけ人間に近づけ、人間から語りかけられた場合も自動音声認識で、簡単なやりとりができるような、技術の粋をこらしたものだ。
「リプリー」と名付けられたアンドロイドは、インターネットで検索すれば動画を閲覧可能だ。石黒さんのチームと共同開発したメーカーは、現在、派生型モデルをイベントなどに貸し出しを行っている。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□参考資料: 石黒浩に聞く=未来予想図= (1/2) □■
大阪大学教授 石黒浩「人は死ねない恐怖に怯え、ロボットは ...
2050年、私たちの生活はどうなっているのだろうか。 / そんな疑問から、Forbes JAPANは、ビジョナリーなリーダー、学者、アーティストと「未来を見通すメソッド」を探る特集「BEST VISIONARY STORIES」を実施。 / 「暮らす」というテーマで京都大学学長の山極壽一氏、「買う」というテーマでメタップスの佐藤航陽氏など、各分野の有識者に未来予想図を聞いた。 / 「2050年の“死ぬ”」をテーマに話を伺ったのは、アンドロイド研究の第一人者で大阪大学教授の石黒浩氏。 / 人類にとっての「死」とは乗り越えなくてはいけない「壁」なのか。はたまた、長い旅路の末にたどり着く「目的地」なのか。2050年の未来を見通していただいた。
夏目漱石のアンドロイドは「社会的な記憶」を保存する?
──2050年に医療技術はどこまで進歩していますか?
「あなたは68日後の朝、80%の確率で肺がんで死ぬでしょう」。こんな宣告が当たり前になります。医療技術はますます進歩し、自分の死ぬ時期や死因が怖いくらい正確に予期できるようになるはずです。
──少し怖いですね。
お金に余裕がある人の中には、科学の力で可能な限り長生きようとする人も出てくるでしょう。2050年ともなると、調子が悪くなった身体の一部を人工臓器や機械に入れ替える技術も格段に進んでいるので、寿命は限りなく長くなり、「死ねない恐怖」で苦しむ人も出てくるかもしれません。必然的に尊厳死についての議論も盛んになるでしょう。
◆ Humanoid robot 『Geminoid F』 ◆
・・・https://youtu.be/0oorYRBH2x4・・・
──「死ねない恐怖」。まだ想像もできないですね。
僕は現在、文豪の夏目漱石や、2015年に亡くなった落語家の桂米朝、黒柳徹子氏など、偉人・著名人そっくりのアンドロイドをつくっています。きっと30年後には、故人を偲ぶために一般の人の中にも生前の姿そっくり、口癖や仕草も生き写しのアンドロイドをつくる人が出てくる可能性があります。
「死とは人々から故人の記憶が消えていくこと」だと考えることができます。そのような記憶には「個人的な記憶」と「社会的な記憶」があります。家庭や親しい友人たちとの間で培われた「思い出などの個人的な記憶」は、故人の周囲の人々が亡くなっていくことでこの世から徐々に消えてしまいます。
しかし、故人そっくりのアンドロイドや進歩した3D映像技術が普及することで、人の「社会的な記憶」はほとんど生前と変わらない形で「保存」されるようになるはずです。そうすると「死とは何か?」という定義も今とは違うものになっているでしょう。
──なるほど。「社会的な記憶」が今より保存されるようになるから「死」についての再定義が必要になる……。
「ロボットの葬式」が当たり前に
きっと2050年には人間だけでなく「ロボットの死」も身近にあるはずです。
なぜならロボットは他の機械と同じく、実は10年もすれば部品が摩耗して壊れてしまうからです。壊れたロボットを修理するより、買い替えたほうが安いのは今のパソコンと同じ。
しかし古くなった仏像をゴミ箱に捨てる人は誰もいないように、人間そっくりのアンドロイドも簡単には捨てられないのです。というのも、以前僕が壊れたロボットを捨てようとしたら、多くの人が「可哀想です!」と訴えてきたのです。 ・・・・・・明日に続く
◆ Hiroshi ISHIGURO [ 石黒 浩 ] - TEDxSeeds 2011 ◆
・・・https://youtu.be/G8tAAkYL5aY・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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