人と関わるロボットを作ろうと思ったら、見かけはどれだけ重要だとか
何をもって人を人らしいと認識するのかをまず研究しなくちゃいけないんじゃないか
そう考えて、自分自身を型にとり、自分そっくりのアンドロイドを作ってしまった
ATR石黒浩特別研究室 石黒 浩
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 石黒 浩 : 第1回 「自分そっくり」のアンドロイド =1/2= ◆◇
少々世代を感じさせる話になって恐縮だが、藤子不二雄の代表作のひとつ「パーマン」には、主人公たちがスーパーヒーローとして活躍している間、学校に行ったり、家にいたり、アリバイづくりを担当してくれる「コピーロボット」が登場する。もしも自分にコピーロボットがあれば、そいつに勉強させて、自分は好きに遊んでいたい、なんて思ったことがある人は多い(断言)。
大阪大学基礎工学部教授で、ATR石黒浩特別研究室の室長である石黒浩さんは、パーマンの「コピー」と一見似たコンセプトの、しかし、本質的にはまったく違うロボットを創り出した。
ジェミノイド(いわば、双子もどき)と呼ばれるそれは、研究者である石黒さんから型を取り、石黒さんそっくりに作り上げられたものだ。遠目に見れば一卵性双生児に違いないとほとんどの人が思うであろうほどの仕上がりだ。
ぎょっとする人もいるかもしれない。自分自身とそっくりのアンドロイド(人間の姿に似せたロボット)を作るなんて、悪趣味! と。
実は石黒さんが、自身の似姿を製作するまでには、非常に筋の通ったストーリーがあるのだが、今はそのことは脇に置いておいて、とにかくぼくが、その「双子もどき」に会った時のことをまず書き留めておきたい。
関西地方に梅雨明けが宣言された蒸し暑い日、東京から京都経由で、けいはんなを訪ねた。文字通り、京都、大阪、奈良、三つの府県が境を接する地域で、緑が濃い環境に研究機関が散在している。石黒浩さんが客員室長を務めるATR石黒浩特別研究室の建物も多分に漏れず、広々とした緑の空間に突如立ち上がるように見えてきた。
案内されて、研究室の一角の部屋に入ると、奥に黒いシャツを着た気むずかしそうな表情の人物が座っていた。取材するにあたって下調べした際にウェブサイトやYouTubeで見た通りの石黒さんである。
「こんにちはー」と声を掛けそうになってから、おかしなことに気づいた。 その石黒さんは、動いていない。つまり、本人ではなく双子もどきたるジェミノイドなのである。気づくまでの間は、およそ2秒くらいであろうか。
というのは、嘘である。実は、最初からジェミノイドであることは分かっていた。そのように知らされて、案内されたからだ。
ただ、もしも、知らずにその部屋にいきなり足を踏み入れたら、という想定ならば、先に書いた描写が妥当だと思った。それほど「人間そっくり」だったのだ。
ちなみに、2秒というのは、石黒さんが以前製作したアンドロイドを、被験者にちらりと見せ、人間ではないと気づくまでの時間だと聞いていた。実際、最初、「人間だ」と認識してから、「あ、違うかも」と感じるまで、それくらいは優にかかるだろうと思われた。
「不気味の谷」という言葉があるそうだ。
HONDAのASIMOや「スターウォーズ」のC3POのように、ヒトの形をしているとはいえ機械であることを全く隠そうとしないものに人間は違和感を抱かない。また、完全に人間そっくりで見分けがつかないロボットがいれば、やはり違和感を抱かないだろう。なにしろ見分けが付かないのだから。
しかし、機械としてのロボットが、中途半端に人間に近い外観を持つようになると、とたんに「不気味」と感じる領域に落ち込むという。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□参考資料: 人造人間/アンドロイド □■
人造人間/アンドロイドは、人型ロボットなど人間を模した機械や人工生命体の総称。SFフィクション作品、漫画・映画・小説などで取り扱われることが多い。
概念としての人造人間
人造人間という語が広まる以前から「人造の人間」という概念は存在した。実在するものとしての「『R.U.R.』のロボット」のような人造人間は今のところ実現していないが、伝説上の存在や架空の存在としての「人造の人間」は古くから語られ、また作品として創作されている。それらの多くは大きく「人造人間」というカテゴリに分類されてはいるものの、個々の「人造の人間」の特徴や特性、呼び名は様々である。
伝説上の存在として、古くは、ギリシャ神話のタロース、ユダヤ伝説のゴーレム、ギルガメシュ叙事詩のエンキドゥなどが挙げられ、日本でも鎌倉時代の説話集『撰集抄』巻五に、西行が故人恋しさに死人の骨を集めて復活させようとして失敗する話「高野山参詣事付骨にて人を造る事」がある。SF関連作品に登場するものとしては、『フランケンシュタイン』以降、多数の「人造の人間」が創作されている。
実在のものとしては、日本では1928年に西村真琴が學天則を製作している。造られたのは上半身のみだが、腕を動かして文字を書いたり表情を変えたりすることができた。21世紀初頭の現在までには、ホンダの開発したASIMOや富士ソフトが開発したパルロなど人間の動きに近いもの、㈱ココロと大阪大学が共同で開発したアクトロイドのように瞬きや呼吸といった人の挙動を模倣したものなど、それぞれの分野に特化した形で実現しており、さらに研究開発が続けられている。
尚、ロボットの定義が明確に定め難いのと同様に、何をもって人造人間とするか、という明確な定義も事実上存在しない。フィクションにおいても、定義づけに関する対応は作品によって異なっている。
◆ 「なぜ、アンドロイドをつくるのか?」石黒浩氏インタビュー ◆
・・・https://youtu.be/7wVIveEY85U・・・
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