地球に生息するアザラシから、チョウザメ、ウナギ、ワニ、ペンギン
つまり 北極圏―中国深部―マレーシア―フロリダ―南極まで
インディ・ジョーンズばりに世界の極地を飛び回り、兵器“データロガー”で野生動物を狙う
驚くべきデータを次々に発表する / 大型捕食動物の生理生態学者・渡辺佑基
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/バイオロギングで海洋動物の真の姿に迫る”を基調に編纂】
(文/写真=渡辺佑基= & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 神子元島のシュモクザメの調査は大成功 =3/3= ◆◇
毎日のように潜水しているダイビングショップの人たちでさえも、不思議なことに、シュモクザメがエサを捕る様子は一度も見たことがないという。 私が気になっているのは、シュモクザメの夜の行動パターンだ。海底に設置した受信器で神子元島周辺におけるサメの詳細な行動パターンがわかるはずだ。
ひょっとしたら、シュモクザメは昼間は神子元島周辺で群れているものの、夜になるとどこか別の場所へ移動し、エサをとっているのかもしれない。そしてまた翌朝、何かしらの理由のために神子元島の周辺に戻ってくるのかもしれない。そのような仮説が、来年の今頃、きっと検証できているだろう。
そしてもっと楽しみなのは、2匹のサメに取り付けた人工衛星発信器の結果である。人工衛星発信器は6カ月後に自動で切り離されて海面に浮かび、人工衛星経由でサメの居場所を知らせてくれる。6カ月後にサメはいったいどこにいるのだろう? じつは私は、とびきり面白い仮説を持っている。
日本でシュモクザメの集団が見られる有名なダイビングスポットが、神子元島の他にもう1カ所ある。それは、沖縄は石垣島のさらに西、台湾を指呼の間に臨む日本最西端の島、与那国島だ。与那国島には神子元島と同様、シュモクザメを見せるためのダイビングショップがいくつかあって、私はまだ行ったことがないけれど、全国のサメファン、ダイビングファンが集まってくるらしい。
興味深いことに、神子元島と与那国島とでは、シュモクザメが一番よく見られるピークのシーズンが真逆である。神子元島では夏(7~9月)がベストシーズンなのに対し、与那国島では冬(1~3月)に多くのシュモクザメが見られる。
これは1つの可能性を暗示している。
そう、神子元島で見られるシュモクザメと、与那国島で見られるシュモクザメは、同一の集団である可能性がある。つまり夏の間、神子元島に滞在したシュモクザメは、冬の到来とともに南下し、暖かい与那国島で冬を越した後、また翌年の夏に神子元島に戻るのかもしれない。
なるほど神子元島と与那国島は、同じ日本国内といえど、千里の隔たりがある。試しにグーグルアースを使って距離を測定してみると、直線距離にして1900キロも離れている。けれども私はかつて、海洋生物の回遊距離を比較したことがあり、その経験からすると、1900キロという距離はシュモクザメにとって不可能な距離とはまるで思えない。
というわけで、6カ月後の2016年2月末に位置情報が送られてくるのが、今から待ち遠しくてしょうがない。もしもその位置が与那国島の周辺だったら――私は狂喜乱舞するだろうなあ。
次回“ニシオンデンザメと優しいイヌイット ”に続く・・・・・
■□参考資料: 大絶滅を生き延びた角のある古代ザメ (2/2) □■
◆“大絶滅を生き延びた古代のサメ”3種のそれぞれの特徴
これらのサメは小型で、体長はおそらく20センチ程度と考えられる。歯も小さく、幅1ミリほどしかない。 それでも捕食者であることに変わりはなく、現在のイカの祖先や小型の魚類を食べていたのではないかとギノー氏は言う。
チームが発見した新種の1つは、さらに古いファルカタスというサメに似た歯を備えていた。ファルカタスのオスは頭の上に平たく長い剣のようなヒレを持ち、求愛行動に使っていたと考えられている。
新種の2つ目は、背中に2つのヒレを持つサメの仲間で、今日オーストラリア沿岸部で見られるポートジャクソンネコザメに似ている。
新種の3つ目は歯の先端が整っている。クラドドント類ではこれまで確認されたことのない特徴で、むしろ現代のサメに近い。またこの歯は現代のサメと似たエナメル構造を備えている。これも驚きだとホドネット氏は言う。
「こうした特徴が(サメの)進化において登場したのは1度ではないということが明確にうかがえる」とホドネット氏は言う。つまり、進化においては途中経過は違っても、同じ歯の形状にたどり着くこともあるという指摘だ。
◆大絶滅を生き延びるために
論文の著者であるギノー氏によると、これらのサメの歯の化石が見つかった石灰岩の地層は、1億2000年ほど前には深い海の底であったという。 この事実からうかがえるのは、海中の酸素の減少が大絶滅の原因の1つであったにしても、一部の限られた海域ではサメやそのエサとなる生物が生き延びていたということだ。
これらの小型のクラドドント類は、おそらく食生活を柔軟に変化させられたおかげで、深海でも沿岸部でも生き延びられたのだろう。 「捕食者として頂点に立つものではなく、さまざまなものを食べたのだろう。おそらくほかのサメも食べたかもしれない」とギノー氏は言う。
クラドドント類の新種のサメに関する今回の研究は、「Nature Communications」誌に10月29日付で掲載された。 Image courtesy Alain Beneteau 2013 文=Dan Vergano,
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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