地球に生息するアザラシから、チョウザメ、ウナギ、ワニ、ペンギン
つまり 北極圏―中国深部―マレーシア―フロリダ―南極まで
インディ・ジョーンズばりに世界の極地を飛び回り、兵器“データロガー”で野生動物を狙う
驚くべきデータを次々に発表する / 大型捕食動物の生理生態学者・渡辺佑基
【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/バイオロギングで海洋動物の真の姿に迫る”を基調に編纂】
(文/写真=渡辺佑基= & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ アザラシの風変わりな休息法 =2/3= ◆◇
アザラシの背中に記録計を取り付けて放流し、数日後にタイマーで切り離されて浮かんできた記録計を、電波を頼りに回収する。回収の作業も大変ではあったが、それよりも大きな問題は、そもそも実験に使えるバイカルアザラシがめったに手に入らないことだった。
たとえば一度、毛皮目的で合法的にアザラシが狩猟されているチィビルクイ湾(湖の対岸にあり、車で片道27時間もかかった)を訪れ、漁師から生きたアザラシを買い取ろうと試みた。けれどもそこで見たのは、網を使って水中でアザラシを絡め捕るという、いささか乱暴な漁だった。
アザラシは哺乳類なので、水面で呼吸をしないと死んでしまう。それにも関わらず、漁師たちにとってはアザラシは魚のようなものであり、1日に一度しか網をチェックしない。すると当然のことながら、網にかかって上がってくるアザラシのほとんどは、既に溺死している。2週間以上現地に待機したが、生きたまま上がってきた幸運なアザラシは、わずか1頭しかいなかった。
一事が万事そんな調子だったので、大学院生としての5年間をフルに使っても、5頭分のデータを集めるのがやっとであった。自慢にもならないけれど、これほどのスローペースですすむ生態調査はめったにないと思う。
けれど少数ながらも集まったデータは、世界の誰も持っていない私だけの宝物であった。そしてそれをじっくり解析していくうちに、バイカルアザラシが上陸しないでどのように体を休めるのか、その答えが明らかになった。
バイカルアザラシは深さにして30~300m、時間にして5~15分ほどの潜水を昼夜わかたず繰り返している。深度のデータをグラフに表示すると、1回の潜水はアルファベットの「U」に似た形で表される。
ところが、たまに「U」ではなく、「V」の字にも似た、下に尖った三角の形をした不思議な潜水が含まれていることに気付いた。しかもその特殊な潜水は、5回以上連続して行われることが多いようだった。これは一体なんだろう? パソコン上で拡大して、詳細に調べる。
「V」潜水の前半、つまりアザラシが水面から潜り始めて深みへと潜っていく間、遊泳スピードの記録はゼロに近かった。
これは怪しい、と直感的に思った。だって深度は変化しているのだから、スピードがゼロであるはずがない。スピードが本当にゼロなのではなく、スピードを計測するための、水流を感知するプロペラがうまく回転しなかったと考えるのが妥当だろう。もしそうだとすれば、この結果の意味するところは、アザラシの体がプロペラの向いている前方とは違う方向に動いていたということである。
さらに加速度センサーの記録を見てみる。加速度というのは、動物の体の動きの度合いを示す項目であり、アザラシが左右に足ヒレを振って泳げば、それに伴う体の振動が記録される。
加速度の記録によると、アザラシは「V」潜水の前半、足ヒレの動きを完全に停止していることがわかった。
・・・・・・明日に続く・・・・
■□参考資料: アザラシ(海豹) (2/3) □■
アザラシ(海豹)の生態
繁殖
アザラシの夫婦形式は一雄一雌型のゴマフアザラシのような種もいる一方、ミナミゾウアザラシは一夫多妻型、ハーレムを作る種もおり多様である。 アザラシは陸上・もしくは海氷上で出産する。一産一仔で妊娠期間はほとんどの種で一年である。新生児の産毛は保護色になっている種も多い。すなわち海氷上で出産する種(ゴマフアザラシ・ワモンアザラシなど)は白色の産毛を持って産まれてくる。
感覚
視覚: アザラシを含む鰭脚類の眼球は陸生の食肉類に比べて大きい。南半球ではロスアザラシ・北半球ではクラカケアザラシが特に大きい。網膜には色を識別する錐体はなく明るさを感じる桿体だけなので彼らに色の概念は無い。 なお陸上にアザラシがいる際、目の下が濡れて泣いているように見えるときがあるが、これは涙を鼻腔に流す鼻涙管が無いためでヒトのように泣いているわけではない。
聴覚:両極地方の暗い水の中で魚を取らなければならない種もおり、視覚以外の感覚も鋭い。アザラシには耳たぶは無いが目の横に耳の穴がある。ゴマフアザラシなどのいくつかの種では水中でクリック音を発してエコロケーションを行っている。また飼育下のアザラシでも周囲の物音に敏感に反応する様子を観察する事ができる。
嗅覚:アザラシの母親が自分の子供を見分けるための重要な情報が匂いであると言われている。なおアザラシと近縁のアシカ科でも親が子を確認するのに嗅覚が使われている。
アシカとアザラシ
アシカとは外見がよく似ているが、いくつか明確な相違点が見られる。 アシカ(海驢、葦鹿)は、鰭脚類アシカ科の海生動物である。ただし現状、その範囲は文脈により揺らぎがある。最も広義にはアシカ科の総称であるが、アシカ科には一般的にオットセイ、トド、オタリアも含まれ、これ等(特にオットセイ)を別扱いとする場合もある。さらに狭義の意味で、アシカ属1属を意味することもある。
因みに、北海道を除く日本本土近海に生息するアシカ類は、絶滅したと見られるニホンアシカのみであり、この語も本来はニホンアシカを指したものである。 「あしか」の語源は「葦鹿」で「葦(アシ)の生えているところにいる鹿(シカ)」の意味であるという。古くは「海(あま)鹿」説もあったが、アクセントから否定されている。
奈良時代には「みち」と呼ばれていた。他に異名として「うみおそ(うみうそ)」「うみかぶろ」がある。うみおそは海にいるカワウソ、うみかぶろは海にいる禿の意である。佐渡島ではこの「うみかぶろ」(海禿)の名で妖怪視されており、両津港近辺の海でよく人を騙したという伝承がある。
・・・・・・明日に続く
◆ バイカアザラシ ◆
・・・https://youtu.be/aVhnYpdhZBI?list=PLYCrcPtYVnQpMrhjIq7y9QwjtMhXyRXwA・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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