地球に生息するアザラシから、チョウザメ、ウナギ、ワニ、ペンギン
つまり 北極圏―中国深部―マレーシア―フロリダ―南極まで
インディ・ジョーンズばりに世界の極地を飛び回り、兵器“データロガー”で野生動物を狙う
驚くべきデータを次々に発表する / 大型捕食動物の生理生態学者・安藤寿康
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 渡辺佑基・学界のインディ・ジョーンズ =3/4= ◆◇
インディ・ジョーンズばりの強行軍で、各地を飛び回り、様々な動物にロガーを取り付け、回収してこられたのは、彼が開発したとある技術に負うところが大きい。
工学部を志したほどで、工作好きだったことも関係あるのかもしれない。
大学院時代のはじめてのフィールドで挑んだのはバイカル湖の固有種、バイカルアザラシだった。
人をあまり恐れない南極のアザラシと違い、北半球のアザラシは警戒心が強い種類が多い。バイカルアザラシも例に漏れず、なんとか捕獲してロガーを装着しても、広大な湖に離したら、二度と出会えなくなって、ロガーも回収できない可能性が高い。
そこで、渡辺さんは、データロガーに「うき」を付けた状態でアザラシに装着することを考えた。そして、市販のタイマーを使って24時間後にアザラシから切り離す。「うき」にはVHFの発信器が取り付けてあり、陸上から方向を確認したのちボートで回収する。
渡辺さんは、ロシアの共同研究者とともに刺し網で2頭のメスのバイカルアザラシを捕獲し、「うき」付きのデータロガーを装着した。そして、24時間後に自動的に脱落するようにタイマーでセットした。ちなみに、使ったロガーは、PD2GT、つまり、前回も紹介した、遊泳速度、深さ、2方向の加速度、温度を測定できるものだ。
24時間後、装置はアザラシから離れ、渡辺さんは無事にロガーを回収することができた。記録されたデータから、バイカルアザラシが昼夜を問わずほとんど絶え間なく泳いでおり、潜水深度は、最大で200メートル以上(平均70メートル弱)になることが読み取れた。さらに、昼と夜では、餌になる魚を食べる時の行動がまったく違うことも発見した。
昼間は比較的深い場所で下から上へ加速する動き(捕食の瞬間と解釈される)が多い。それが夜になると、比較的浅い場所で逆の動き、つまり上から下への動きで魚を捕らえる。これらのことは、ロガーを装着した2頭のバイカルアザラシで共にはっきりと示された。
研究は大成功だったわけだが、渡辺さんにとってはじめてのバイオロギングの現場仕事は、湖よりもむしろ「山にばかり登っていた」印象があるそうだ。
「指向性のあるアンテナで電波を拾うんですが、湖の水面の高さだと、せいぜい4~5キロくらいさきまでしか分からないんです。バイカル湖はバカ広いので、仕方なしに近くの山に登って、ひたすらアンテナを振って電波を探しました。アザラシの調査してるんだか何だかわからない。それで、電波を見つけたら急いで降りて、そっちの方向にボートで突き進んで探すという、湖の動物の調査とは思えないようなものでしたね」
・・・・・・明日に続く・・・・・
◇ 南極のオーロラ(特別編集) ◇
・・・https://youtu.be/9yyYgbrhiKA・・・
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//////参考資料///////
■□参考資料: 南極なう!/ 渡辺佑基「ペンギン調査終了」(1/2) □■
昨年12月末から40日間に渡ったペンギン調査と、それに続く昭和基地での土木作業手伝いが終わり、「しらせ」に戻った。これで南極観測隊における自分の役割は全て終了。ずっしりとのしかかっていた肩の荷がうそのように下りて解放感でいっぱいである。あとは3月17日のフリーマントル入港を、首を長くして待っていればよいだけ。目下の関心事といえば、大量に残っている私物の酒、つまみ、カップラーメン等を消費しきれるかということ(がんばらねば!、それから、これから見え始めるオーロラをうまく写真に収めることができるかということ。平和なものである。
ペンギン調査は面白かった。風呂もトイレもなく、小さな発電機を折に触れて動かすだけの簡素な小屋でキャンプ生活しながら、この奇妙な鳥の生態を飽くまで観察した。ペンギンたちはちょうど子育てに忙しい時期である。片方の親が小石を積み上げた巣でじっとヒナを守る間、もう片方の親は海でせっせと餌をとり、胃袋にためて持ち帰って口移しでヒナに与える。その役割を数日ごとに交代する男女平等の共働き家庭である。
明日に続く・・・・・
◆ 南極大陸 ◆
・・・https://youtu.be/kXG5p9GvQtM・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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