地球に生息するアザラシから、チョウザメ、ウナギ、ワニ、ペンギン
つまり 北極圏―中国深部―マレーシア―フロリダ―南極まで
インディ・ジョーンズばりに世界の極地を飛び回り、兵器“データロガー”で野生動物を狙う
驚くべきデータを次々に発表する / 大型捕食動物の生理生態学者・安藤寿康
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 渡辺佑基・ペンギンカメラの衝撃 =1/3= ◆◇
水面に浮かぶ黒いドーム状の物体。その向うには、氷山が見える。
南極? と想像がつくものの、それだけでは、何がどうなっているのか疑問符だらけの映像だ。
黒い物体がふいに消えると泡がわきたち、いつの間にか水中が映し出されている。
画面を紡錘形の物体が横切る。それにはしっかりと頭部と呼べるものがついており、顔つきは我々が動物園・水族館、そして写真集・映像などで見慣れたものだ。
ペンギン好きなら一目で見分けるだろう。南極大陸で子育てをするアデリーペンギン
◆ Movie -1- : ペンギンカメラの衝撃1(提供:国立極地研究所) ◆
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・・・https://youtu.be/1yC9HMyrsiA・・・
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まるでこちらを誘うように力強く羽ばたき前を進む。
──さあ一緒に漁場へ行こうぜ!
そんなふうに言っているみたい。
とすると……さきほど見えた、ドーム状物体も……ペンギンの体の一部に見えてくる。(下の動画)
実は、ペンギンの背中に超小型カメラを装着し(つまりペンギンにカメラマンになってもらい)撮影したものなのだ。南極の氷の下、人間は長時間潜水できないし、潜水艇を用いても、ペンギンは素早すぎて追い切れない。ならば、いっそ、小型カメラをくっつけてしまえ、という発想でものにした貴重な映像だ。
◇ Movie -2- : ペンギンカメラの衝撃2(提供:国立極地研究所) ◇
・・・https://youtu.be/7hDj6wzj3RQ・・・
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それにしてもなんとダイナミックにペンギンは水中を「飛ぶ」ことか。陸上の愛嬌ある姿からは想像できないほど、素早くオキアミを追う様をみて、ぼくはめまいにも似た衝撃を受けたのだった。
小さなセンサーとデータ記録装置を組み合わせたもの(データロガー)を、動物に装着し(つまり、くっつけて)データを取り、行動を分析する「バイオロギング」の最新の成果のひとつだ。人間には追いにくい水の中の生き物の行動を理解するために、バイオロギングはこの20年ほどで飛躍的な進歩を遂げている。
「ロガーをつけられるなら、どんな生き物にだってつけてやれ、って思ってやってます。バイオロギングでは、取れてきたデータから何が分かるか、とにかくやってみないと分からないんです」
そう述べるのは、国立極地研究所の助教、渡辺佑基さん。
東京都立川市にある研究室は、「生物学」でイメージしがちな「白衣で顕微鏡を覗いている」といったものと対極にあるものだった。白衣どころか、カジュアルなジーンズ姿であり、棚にはヘルメットが並べてある。顕微鏡はないが、小さなマグライトを思わせる形状の「データロガー」や、それを海上などで回収する時に使う「浮力体」などが無造作に置いてある。まさにフィールドで仕事する研究者の拠点というのがふさわしい。
・・・・・・明日に続く・・・・・
//////参考資料///////
■□参考資料: 南極なう!/ 渡辺佑基「出港」 □■
オーストラリア大陸の南西部に位置するフリーマントル港で砕氷艦「しらせ」に乗り込んだ。第53次日本南極地域観測隊の一隊員として明日(11月30日)出港し、昭和基地へ向かう。4カ月間という長い旅の始まりである。正月を向こうで迎え、桜前線が日本列島を縦断している頃に帰国する。
今回、南極からのレポートを毎月一回くらいの頻度で載せていただくことになった。「しらせ」船上ではインターネットはできないものの、専用のアドレスによる電子メールの送受信は可能なので、文章とサイズを縮小した写真なら送ることができる。つまり私は原稿を送るだけで、ウェブとしての完成品を見ることはできないのだが、逆に気楽でいいかと割り切ってのびのび書かせていただこうと思う。心弾ませて読んでもらえるようなライブ感あふれるレポートにしたい。
まず簡単に自己紹介しておきたい。私は東京都立川市にある国立極地研究所という研究所で助教(ひとむかし前でいうところの助手)を務めており、ペンギン、アザラシ、魚などの海洋動物の行動、生態研究を専門にしている。とりわけ、小型の計測機器を動物の体にとりつけ、動物自身に行動を計測させる「バイオロギング」と呼ばれるアプローチに力を入れている。
【動画資料】 上記参照/ Movie -1- : ペンギンカメラの衝撃1(提供:国立極地研究所)
南極の海を泳ぐペンギンの視点から撮影された映像が今年の3~5月頃にテレビや新聞で報道されたので、ひょっとしたらご記憶のかたもいらっしゃるかもしれない。それを担当したのが「52次」南極観測隊員であった私。つまり私は52次(昨年度)、53次(今年度)と連続で南極に行くリピーターである。今回も前回と同じように、ペンギンが海の中でどのような生活をしているか、背中にのせた小型ビデオで直接観察しようという大変わかりやすい計画をたてている。
【動画資料】 上記参照/ Movie -2- : ペンギンカメラの衝撃2(提供:国立極地研究所)
さて、前述のとおり「しらせ」は明日フリーマントルを出港し、4カ月もの長い旅がいよいよ始まる。日本を発つ前、南極の経験が豊富な上司に挨拶にいったところ「お勤めごくろうさま」と言われた。刑務所に入るわけじゃないんだから、と言いたくなるが、確かに世間とのつながりはプッツリ途切れるし、生活は不自由になるし、おまけに頭も丸めていたので「ハイ」と答えて退出した。
その伝でいうなら今日が最後の「シャバ」生活。南極で恋しくなるものは前回の経験からあらかじめわかっている。パリパリのレタス、プリプリの魚介類、バターをたっぷり塗った焼きたてのトースト――
今から一人で街に繰り出して腹いっぱい食べようと思う。そうして目の前に迫った南極航海に胸を躍らせよう。
次回” 「空の王者」登場“に続く・・・・・
◆ 【情熱大陸_1/3_渡辺佑基▽生物学界のインディ・ジョーンズが持つ世界初の映像が満載】 ◆
・・・https://youtu.be/0cXEPVzOY5k・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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