地球に生息するアザラシから、チョウザメ、ウナギ、ワニ、ペンギン
つまり 北極圏―中国深部―マレーシア―フロリダ―南極まで
インディ・ジョーンズばりに世界の極地を飛び回り、兵器“データロガー”で野生動物を狙う
驚くべきデータを次々に発表する / 大型捕食動物の生理生態学者・安藤寿康
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 渡辺佑基・ペンギンカメラの衝撃 =2/3= ◆◇
先に描写したペンギンの動画は、渡辺さん自身が、2010年11月から2011年3月にかけて、4ヵ月間にわたり南極観測隊に参加し(南極大陸の実質滞在は2ヵ月)、昭和基地近くの袋浦と呼ばれる海岸で、アデリーペンギンにビデオロガーを取り付けて得た成果なのである。
ペンギンに「くっついて」撮影した動画は、それ自体、非常に楽しく、わくわくさせられる。ペンギン好きを自認しているぼくは、ニュージーランドやフォークランド諸島や南米や南アフリカや亜南極でもペンギンを見てきたけれど、当たり前だがすべて陸上かボートからだ。ペンギンがいきいきと活動している知られざる海中の世界を垣間見させてくれるだけでも単純に嬉しいし感動する。
ただ、実際のところ、動画撮影のデータロガーが単独で使われることは滅多にない。遊泳速度、深さなどの基本データを収集するロガーも束ねて同時に装着されていて、のちに動画と照合され行動の分析に使われる。
よく使うデータロガーは? と聞くと、渡辺さんは黒く細長い筒を差し出した。「小型」というのはとても大切なポイントで、直径2センチ程度、長さ11センチほど、重量60グラム強、だという。水中だと浮力が生じ、20グラムそこそこになる。
PD2GTと暗号めいた文字がプリントされていた。製品名であると同時に、記録できるデータをそのまま示しているそうだ。
Pはプロペラ(遊泳速度が分かる)、Dは深さ、2Gは2方向の加速度、そしてTは温度。たったひとつの小さな筒を装着するだけで、これだけの種類のデータを時系列に取得することができる。
遊泳速度や深さ、温度については、直観的に分かりやすい。たとえばペンギンがどんな環境(海水温度や深さ)で、どんなスピードで泳いでいるのか、というのはすごく興味がそそられる。加速度については、ペンギンの姿勢や羽ばたきといった動作を検知できるので、さらに理解が深くなる。
日本のメーカーと研究者が協働して、デジタル式のデータロガーを開発したのは1991年のことだ。以来、ロガーの小型化、観測できるデータの種類の多様化と多機能化(ひとつのロガーで複数の種類のデータを記録できる)、そして記録容量の増強、3つの方面での進歩がとどまることを知らない。データが大きくなりがちな動画を記録する小型ビデオロガーが最近になって実現したのは、記憶容量の増強が追いついてきたからだ。
・・・・・・明日に続く・・・・・
◇ 世界初、海中の餌取りを撮影 南極のアデリーペンギン ◇
・・・https://youtu.be/V68LzKDF1ko・・・
動画再生不能の時は上記URL(⇑)をクリックしてください
//////参考資料///////
■□参考資料: 南極なう!/ 渡辺佑基「空の王者」登場 □■
毎月1回くらいの頻度で載せていただくと前回書いてから5日しか経っていないのだが、心躍るハッピーな出来事があったので報告せずにはいられない。
ワタリアホウドリが出た!
といって私ひとり興奮しても何のことかわからないので、順を追って説明したい。
「しらせ」はオーストラリアのフリーマントル港を出て以降、東経110度のラインにピタリと沿って真南に航行している。地球を縦に進むということは、季節が早回しに巡ってくるのと同じである。船内はほぼ一定の快適な温度に保たれているものの、船外の気温はあれよあれよという間に下がっていく。出港時は照りつける太陽光が暑かったが、翌日には涼しい風が吹き、その翌日にはひんやりと肌寒くなり、きょう5日目にしてセーターが要るようになった。あと数日のうちに身を切るような風の吹く猛烈な寒さがやってくる。
気温が変われば生物相が変わる。船上から見られる鳥の種類が変わる。出港時に見られたカモメが翌日にはミズナギドリに取って代わられ、さらにここ2日でアホウドリが加わった。アホウドリは種でいうならハイイロアホウドリ、ハイガシラアホウドリ、マユグロアホウドリ、そして、ワタリアホウドリ。
ワタリアホウドリ――この特別な鳥を見ると私は高ぶる気持ちを抑えられない。翼を広げると3mにもなる世界最大の空飛ぶ鳥である。長い長い翼を目いっぱい広げ、グライダーのようにゆったりと風に舞う様子は威風堂々「空の王者」の貫録。他のミズナギドリやアホウドリに混じって飛んでいると、コウモリの群れの中にプテラノドンがいるようである。あまりの迫力にワァと思わず見とれてしまう。
そして巨躯に似合わぬアヒルのようなとぼけ顔。いいよ、そのままで、きにしなくても――そんなことを言っているようなおだやかなる表情。「空の王者」は全てを包み込む懐の深さをもち、泰然自若としているのである。フリーマントルの街で購入した「プリングルス」のポテトチップスを早くも2箱平らげてしまい、ああもっと買っておけばよかったと後悔している私のなんと卑小なことか。
15ノットの速度で南下する「しらせ」では見まわす限り水平線の光景が出港以来ずっと続いている。果てなく見えるこの大海原でさえ、彼らにとっては庭のようなものだろう。2羽のワタリアホウドリが船の周りを舞い、付いたり離れたりしていたが、やがて飽いたのかどこかへ行ってしまった。
次回”渡辺佑基「記録更新」”に続く・・・・・
◆ 【情熱大陸_2/3_渡辺佑基▽生物学界のインディ・ジョーンズが持つ世界初の映像が満載】 ◆
・・・https://youtu.be/xEaVb1krLAM・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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