2011年3月11日 東北地方沖でのマグニチュード9の巨大地震による巨大津波
場所によっては波高10メートル以上 遡上高40メートル以上を記録
宮城県・岩手県・福島県を中心に 北海道から関東地方の太平洋岸に膨大な被害
近代都市を襲った史上はじめての巨大な津波
私たちは何を学び、これから何をすべきなのか / 津波研究者・今村文彦
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 今村文彦・車は危険! すぐに高台かビルの上階へ =2/3=◆◇
おそらく過去の経験や従来の評価結果で「ここまで津波は来ないだろう」といった日常性バイアス(安全の思い込み)のようなものが、働いていたのかとぼくは想像する。
実際、津波というのは、非常に「想像しにくい」災害なのだという。
「実は、沿岸部に我々が立ちますと、5メーター、場合によっては今回のような10メーター級の津波が来ても、水面がちょっと高い状況にしか見えないんですよ。周期が長くて通常の波ではないですから。しかもスピード感がわからないんですね。時速200~300キロで来ていても、遠くだと凄みを感じない。実際に感じるところまできた時には、もう足で逃げるには遅い。かといって、車で逃げようとしても、渋滞していると」
高台や建物の上で、住民が撮影したビデオが動画サイトなどに、たくさんアップされている。今村さんは、それらの多くに目を通し、この「実感のしにくさ」をまさに実感したという。
「よく住民の方が津波を見ているのも一緒に映った動画があるんですけど、津波が目の前に来てるのに、皆さんその場に立っているんですよ。あんまり怖さを感じないんですね。そして、もっと近づいてくると、「おお、おお、おお、おお、おお」っというふうなかんじになって、目の前に通過する段階になってものすごい悲鳴を上げるところまでいくんです」
そのような映像はビルの上や高台で撮影されたものなので、撮影した人、撮影された人は、津波を生きのびている。しかし、遠巻きに見ている間は、まだ実感が湧かず、町が破壊され始めて、おおっ、と声をあげ、足下を水流がさかのぼり始めて悲鳴に変わる。「ああ、ここもやばいかも!」と。
なお、このような現象を、いわば「安全の思い込み」ともいえる日常性バイアスだけに求めるのは乱暴だ。たとえば、気象庁は当初、防災無線で津波の高さを3メートルと伝えており、その後、10メートルにあらためた。しかし、最初のものだけが届き、上方修正したより重要な情報は聞こえなかった地域もあるという。3メートルなら、防波堤・防潮堤で対応できる、通常の避難場所で安全、と考えても当然だ。
更に言うと、10メートルの防潮堤を持っていた「防災の町」田老町(岩手県宮古市)のような自治体では、10メートルと言われても、「うちは大丈夫」と考えたとしても不思議ではない。結果、あまりに凄まじい津波のエネルギーのため、10メートルの防潮堤もズタズタに切り裂かれ、大きな被害を受けることになった。
こういった事例を念頭に置きつつ、津波の視認のしにくさが加われば、先に描写したような行動はごく自然ともいえる。むしろ、それをどう克服するか、という点こそ大事になる。
では、避難がうまくいった所は、どんな傾向、どんな状況だったのだろうか。校庭や体育館に留まらずに、建物の上階に避難すれば助かったのに、残念なことになったケースについては先に述べた。逆に、海に近すぎる避難場所で、危機を察知してさらに避難をし、生きのびた人たちがいる。
「まずは指定の避難場所に移動しても、そこもちょっと危険じゃないか、と気付いた人たちがいて、二次的な避難行動をされた、というのが大事な点です。あともう一つは、実は貞観の津波について少しずつ実態がわかってきたので、特に仙台平野だと津波が来ても避難する場所がないという問題提起をしていました。沿岸部にはせいぜい学校も1つ2つしかないんです。
それで常磐自動車道・三陸自動車道の一部、仙台東部道路を使いませんかと検討を始めてたんですよ。ここは、沿岸部から3キロ、4キロで、しかも地盤の高さとしては7~8メートルあったんですね。それが非常によくて、ここに逃げて、道路の上で助かった方がたくさんいらっしゃいました」
・・・・明日に続く・・・・
◇ 東日本大震災 南三陸町伊里前湾大津波 ◇
・・・https://youtu.be/XXxktSfVvSQ・・・
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//////参考資料///////
■□ 参考資料: “サイレント津波”とは (3/6) □■
= NHK_WEB 特集/ : 「40m巨大津波」の謎に迫る “サイレント津波”とは =
“揺れが小さい”のに巨大津波
今村教授が、この巨大津波の「謎」を調べるうえで注目したのが、揺れの大きさです。東日本大震災では、宮城県で、最大震度が7だったのに対し、高い津波が集中した宮古市では、震度が5弱から5強でした。
今村さんは、過去に、激しい揺れを伴わずに津波が発生した災害を知っていました。124年前の「明治三陸津波」です。
「明治三陸津波」の「津波地震」
このとき、三陸地方の沿岸各地では、「震度3程度」の揺れにもかかわらず、10メートル以上の巨大津波が押し寄せたとされています。今村さんは、このときの地震が、「津波地震」と呼ばれる特殊なメカニズムで発生したと分析しました。
通常、大きな津波が発生する時は、大きな揺れも伴います。しかし「津波地震」では、プレートの比較的やわらかい部分が、ゆっくりと大きく動くことで、大きな揺れが伴わずに、大きな津波が発生するというのです。
明日に続く・・・・・
◆ 東日本大震災 南三陸町歌津字伊里前壊滅の瞬間 ◆
・・・https://youtu.be/lEmmEWq53Hk・・・
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森のなかえ
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