≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡
= 美しい森や湖、サウナ、サンタクロース、ムーミンなど、愛らしいものが =
- フィン人の言葉はウラル諸語との類似し、アジア人特有の染色体が見出される -
覇国スウェーデンと強国ロシアからの侵略と占領が長く続いた
【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】
(文=中川明紀・ライター、編集者 イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ サウナ以上に愛すべき存在?!フィンランドの国民食 2/3 ◆◇
「フィンランドは森が多く、18万以上の湖がある美しい国です。フィンランドのパンを伝えたくてお店を開くとき、山と海に囲まれた鎌倉の雰囲気がフィンランドに少し似ていたのでこの地を選びました」
ライ麦ハウスベーカリー店主のラッパライネン・アキさんはそう言って迎えてくれた。様々なパンが並ぶ店内で、パンづくりの合間を縫ってフィンランドのパン文化を説明してくれる。
「フィンランドではライ麦、小麦、大麦、オートミールの4つの穀粉をメインにパンをつくります。私は世界のいろいろな国を旅したけれどフィンランドはパンの種類が多いと思う。その中でもライ麦パンは特別ですね」
紀元前3000年頃にはヨーロッパに麦の農耕文化が定着していたといわれるが、小麦は北欧のような寒冷地での栽培が難しかった。そのためフィンランドでは小麦よりも低温で発芽することができ、干ばつにも強いライ麦パンが昔から食されてきたという。「小麦などほかの穀物を混ぜるものもありますが、フィンランドではライ麦の割合が50%以上のものをライ麦パンといいます」とアキさん。中でも伝統的なライ麦パンがあるといって指をさした。
「レイカレイパです」
直径18センチほどの円盤形のパンで、真ん中に穴が開いている。ライ麦100%のレイカレイパだという。さっそく購入して店の奥にあるイートインスペースでいただこうとトングで持ち上げると、パンとは思えないほどずっしりと重い。切り分けてみると表面はかたく、中はぎゅうっと目が詰まっていた。これはずっしりするわけだ。
口に入れると香ばしいライ麦の香りが漂った。ふわふわのやわらかいパンを食べ慣れている私にはなかなかの噛み応えだがじわーっと舌に乗る甘みに顔がほころぶ。しかし、甘みはすぐ酸味に変わった。いや、変わったのではなく甘みの上に酸味が覆いかぶさってきたというべきか
最初はその酸味の強さに驚いたが、噛めば噛むほど甘みと酸味が交じり合って深い旨みが広がっていく。なんだか「食べている」ということをしみじみと実感した。
「ライ麦にはパンをふっくらとさせるグルテンが少ないので、ライ麦の割合が多いほど密度が高くなってずっしりとするんです。だから適度な弾力性を持たせるためにイースト菌ではなくサワー種で発酵させます。このサワー種が独特な香りと酸味を生む。小麦粉にくらべてビタミンB群や食物繊維などの栄養素が豊富で腹持ちもいいので最近は健康食としても注目されています」
アキさんがいう。ドイツパンとの違いを聞くと「フィンランドのほうが酸味がストレートですね。ドイツパンは詳しくないけれど、ビネガーを加えたりもするようなので違いがでるのでしょう」と教えてくれた。サワー種は発酵種(天然酵母種)の一つで、主にライ麦粉あるいは小麦粉と水を混ぜてつくる。
そしてこの発酵種こそがライ麦パンをつくるハードルを上げているらしい。サワー種をつくるのに数日から2週間ほどの時間を要するのだ。さらに元種は生地にサワー種を加えて何時間も発酵させなければならない。元種は一部残して酵母を生かしながら保存し、発酵種として次に利用する。つまりとても手間がかかるのである。
「昔の家庭には必ずサワー種があり、ライ麦パンにもそれぞれの家庭の味がありました。でもいまは忙しいし、ライ麦パンは店で気軽に買える。サワー種も毎日ケアをしないと長期保存ができないからつくる人はとても少ないと思いますよ」とアキさん。なるほど、と頷きながら「昔」という言葉でふと思った。伝統的だというレイカレイパはなぜ穴が開いているのだろう。
・・・・・・明日に続く・・・・・
◇ 北欧の国から 魚のスープ ◇
・・・https://youtu.be/2uAJY1-gEog・・・
//////参考資料///////
■□参考資料: フィンランド料理(2/3) □■
フィンランド料理はライ麦や大麦、オート麦など全粒穀物のほか、ブルーベリーやコケモモ、ホロムイイチゴ及びシーバックソーンといったベリーを用いることで知られる。また、牛乳・乳製品(バターミルクなど)も食品や飲料はもとより用途は幅広い。伝統的な料理ではカブが重宝されてきたが、18世紀以後はジャガイモを用いることが多い。なお現代のフィンランド料理は、上述の料理に高級フランス料理を組み合わせたものが主流であり、一般の家庭料理も西欧化が進んでいる。
地域別に見ると、フィンランド東部では伝統的に魚や肉をふんだんに使った料理が多い一方で、西部では野菜やマッシュルームを古くから利用しており、とりわけ後者については第二次世界大戦中にカレリアからの難民によりもたらされた。
伝統的なフィンランド料理は、隣接するスウェーデンやドイツ、ロシアの影響を大いに受けているものの、差異が若干存在する。例えばスウェーデン料理よりも甘くなく、ロシアと比べて料理にサワークリーム(スメタナ)を用いることがほとんど無い。
伝統料理: カーリカーリュレート(kaalikääryleet) - ロールキャベツ / カラクッコ(Kalakukko) - 小魚と肉をライ麦の生地で包んで焼いた料理 / ヘルネケイット(Hernekeitto) - エンドウ豆のスープ / レイパユースト(Leipäjuusto、juustoleipäとも) - 雌牛のチーズ / ヴィーリ(Viili) - ヨーグルト様発酵乳製品 / マッシュポテト / リハプッラ(Lihapullat) - ミートボール / ニシンの塩漬け(ジャガイモを添えることが多い) / 冷燻製品
この他にも、イースターのマンミやクリスマスのヨウルポユタ(クリスマスメニュー)に含まれる人参・じゃがいも・ルタバガのキャセロール(porkkana-, peruna- & lanttulaatikko)など、祝祭日用の特別料理がある。
パン: マイトリエスカ(Maitorieska) - 扁平なミルク入りパン / ルイスレイパ(Ruisleipä) - ライ麦パン / リエスカ(Rieska) - 大麦パン
飲料: ピーマ(Piimä) - 発酵乳飲料
酒類: ラッカ(Lakka) - ホロムイイチゴ酒 / グロギ(Grogi) - グロッグ、グリューワイン / マルスキンリューッピュ(Marskin ryyppy) / ヤロヴィーナ(Jaloviina) - カットブランデー / キルユ(Kilju) / コスケンコルヴァ(Koskenkorva) - ウォッカ様スピリット / サルミアッキコッス(Salmiakkikossu) - コスケンコルヴァとサルミアッキのカクテル / シマ(Sima) - 蜂蜜酒 / サハティ(Sahti) - 伝統的なビール
デザート: プッラ(Pulla) - コーヒーとともに供される甘いパン / コルヴァプースティ (Korvapuusti) - シナモンロール / マンミ(Mämmi) - イースターで出されるライ麦粉とライ麦麦芽粉を練って焼いたプディング
菓子: サルミアッキ - 塩化アンモニウム風味のキャンディ / リコリス菓子
次回に続く
北欧の国から ベリー料理 ◆・・・https://youtu.be/pC1E0KHwDF0・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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