≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡
= ナシクニンとは「黄色いご飯」の意味、インドネシア料理である =
- ウコンとココナッツミルクで炊いたご飯のことであり、日本の赤飯のような存在 -
インドネシア文化では黄色は幸運や繁栄を象徴している
【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】
(文=中川明紀・ライター、編集者 イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 幸福を招くインドネシアの「黄色いごはん」 =3/3= ◆◇
揚げたり炒めたりと、必ず加熱をして食べるもので、チャベのナシクニンに添えられていたのは揚げたテンペを小魚、ピーナッツと甘辛く和えたテンペテリという料理だった。さほどクセもなく、カリカリとして香ばしい。飲酒を禁じるイスラム教徒が多いインドネシアだけれど、テンペテリはつまみになるなあと思いながら、ついポリポリと食べ続けてしまう。
こうしたインドネシアの代表的な料理も添えられたナシトゥンパン。もとはスラマタンというジャワ島の供食儀礼の料理として発展してきたようだ。スラマタンはお祝い事や、誕生から入学、卒業、就職、引っ越し、葬送にいたるまで人生の節目において、隣人や知人を集めてともに安寧の祈りを捧げてもらい、食事を提供するというイスラム式の儀礼だ。
ナシトゥンパンはこのスラマタンでよくつくられる料理のひとつ。それが全国的に広がってより身近になり、ハートやボロブドゥルのかたちがつくられるようになったのだろう。試しに画像検索してみると、10種類ものおかずがナシトゥンパンを囲んでいたり、器用に人形をかたどったもの、黄色ではなく緑や紫のものまであっておもしろい。もはやアートです。
「ナシトゥンパンはまずイベントの主役が山の頂上部分を取り、主賓に渡すのが習わし。そうやって『来てくれてありがとう』という感謝の気持ちを表します。それからみんなで取り分けるんです」と大平さん。お店でもそんな光景をよく見るという。
インドネシアでは普段は家族で食事をとることにこだわっていないらしい。夜は一緒だが朝、昼は母親がつくり置きしたものを好きな時に好きな場所で食べる文化なのだという。「だからこそ一緒に食べる儀礼をより大事にするのかもしれませんね」と長くインドネシア文化に関わってきた大平さんがいう
スタミさんが話してくれたのは故郷で挙げた日本人のご主人との結婚式の思い出だ。「結婚式のナシトゥンパンは私のお母さんがお祝いにつくってくれたものでした。それを夫婦で食べさせ合うんです。これからの人生、2人で幸せになろうと願って。お母さんの愛情も感じられる忘れられない瞬間でした」
まるで、ウェディングケーキのファーストバイト。しかも、母親の手づくりナシトゥンパンで。インドネシアでは小さな頃から母の手伝いをして料理を覚え、味を受け継いでいくという。今はインスタントを使う家庭も増えているそうだが、合わせ調味料やソースにも家庭の味があるそうだ。両親がナシクニンを新郎新婦に食べさせる場合もあるようで、黄色いごはんがぎゅっとしているのは親の愛情がつまっているからなのかもしれない。
この日は私にとって何でもない日だった。しかし、何もないこともまた幸せなのだと思い直してナシトゥンパンの頂上部分を自ら切り取っていただいた。ゆっくりとその甘みをかみしめていたら、なんだか久々に母のお赤飯が食べたくなった。
cabe(チャベ 目黒店) 東京都品川区上大崎3-5-4 第1田中ビル2階 電話:03-6432-5748
ホームページ:https://www.facebook.com/IndonesianRestaurantCabeMeguro
=次回“サウナ以上に愛すべき存在?!フィンランドの国民食”に続く=
◇ Nasi Kuning (Indonesian Yellow/Turmeric Rice) ◇
・・・https://youtu.be/ycgsu17bXi0・・・
//////参考資料///////
■□ 参考資料:インドネシア料理(2/2) □■
インドネシア料理の特徴の一つは、揚げ物の種類が多い事である。テンペ、豆腐、鶏肉、干物、牛肉、魚、エビなどを油で揚げて調理する。調理方法は複雑なものもあり、例えばジャワのアヤムゴレンカラサン(ayam goreng kalasan)は鶏肉をサンバルという合わせ調味料で和えてから煮込んだ上、油で揚げる。
スープの種類によっては、鶏肉や牛肉などの具を油で揚げてからスープに入れる。西スマトラ州では長時間煮込む料理が多く、パダン料理のルンダンは出来上がりまで4時間程煮込む。これに反して、西ジャワ州のスンダ料理は生野菜にサンバルを付けてご飯のおかずとして食べるなどシンプルな料理が特徴である。
中部ジャワ州とジョグジャカルタの料理は、砂糖で甘く煮るものが多い。中部ジャワ州とジョグジャカルタの名物グドゥッはパラミツをココナッツミルクと鶏がらスープで煮込み黒砂糖で味付けしたものである。
中華料理の影響を受けた料理としてミー(mi)またはバッミー(bakmi)という麺料理、バッソ(ないしはバクソbakso、肉団子)、ルンピア(lumpia、春巻き)、バッパウ(bakpau、リョクトウまたは牛肉の饅頭)、ケチャップマニスがある。ヨーロッパ料理の影響(特にオランダ料理を受けたものとしてパン、ケーキ、クッキー、コロッケ、プルクデル(perkedel)などがある。ラピスルギ(lapis legit)はインドネシアの名物ケーキの一つである。
インドネシア人は米を主食とする。米の種類はインディカ種である。稲作に適さない地域ではキャッサバとサゴヤシが主食である。インドネシア語でナシプティ(nasi putih)という白飯として炊く以外に、米をココナッツミルクで炊いたナシウドゥッやちまきのようなロントン(lontong)、クトゥパッ(ketupat)、ナシゴレンなどの調理法がある。
インドネシア人は白飯を好み、白飯を食べて初めて「食事をした」と言う人が多い。KFCやマクドナルドのフライドチキンも白飯と一緒に食べる。パーティや祝い事ではナシクニン、ナシトゥンペン(nasi tumpeng)、クトゥパッ、ロントン、ルマン(lemang)などを作る。
餅米はルピスやクタンウラップなどの菓子の原料になる。米粉はビーフン(bihun)やクエティアウ(kwetiau、河粉)などライスヌードルの原料になる。小麦からできた麺はミーゴレン、ソトミー(soto mi、汁麺)、ミーアヤム(mi ayam、鶏肉入り汁麺)として食べる。
ご飯の替わりや軽い食事として即席ラーメンも食べられており、インドミー・ミーゴレンというインスタントのミーゴレンもある。東インドネシアのモルッカ諸島とパプア島では主食としてサゴヤシのデンプンを熱湯で溶いて食べる。
次回に続く
Cara Membuat Nasi Kuning Rice Cooker Gampang dan Simple ◆・・・https://youtu.be/WMSgD9Ei4SA・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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