○◎ Great and Grand Japanese_Explorer ◎○
○ 世界中を飛び回り、恐竜の姿を求める / 小林快次 ○
◇◆ 第4回 「恐竜研究者」に向いている人 =1/2= ◇◆
恐竜化石の調査でフィールドを歩いていると、ふと思うことがある。「いつからこんな“探検家”のようなことをするようになったのだろう?」
現在、米国アラスカ州とモンゴル南部を中心に、毎年3~4カ月間は恐竜化石のフィールド調査に出ている。 5月くらいになると準備に追われるようになり、6・7月はアラスカ、8・9月はモンゴルに向かう。
アラスカでは、夏のフィールドといっても雪に見舞われることも多く、グースダウンの寝袋やウールのシャツ、GORE-TEXのジャケットなどで、寒さ対策をしなくてはならない。 しかも、かなりの僻地に、限られた物資を持って少ない人数で行動するため、しっかりとした準備が必要だ。
数十キロの荷物を担ぐので、自分の体にあったバックパックを用意しなくてはならないし、足下の悪いツンドラを延々と歩くには、自分の足に合ったブーツを探さなければならない。
小川がたくさんあるので豊富に水があるように見えるが、川の水には、氷河によって削られて運ばれてきた泥やランブル鞭毛虫(べんもうちゅう)という寄生性の原生生物が含まれているので、濾さなければ飲めない。 準備するものが山ほどある。
一方、モンゴル南部の調査はゴビ砂漠で行う。夏は猛暑で、昼間外に出続けていると、熱中症になってしまうほどだ。 しかも、洗濯がほとんどできないため、1カ月間、なるべく少ない衣服で過ごせるように準備する。
砂対策も欠かせない。 特にカメラやパソコンといった精密機器に砂は御法度なので、密封できるような工夫をする。アラスカとはまったく異なる準備を強いられる。
真の探検家からすると、そんなの当たり前だと言われそうだが、そもそも私は恐竜化石を発掘するのが目的なので、このような調査が続くとは思ってもみなかった。
日々、怪我をしないかと心配し、一緒に調査する研究者の安否を気遣い、野生動物に襲われないように注意する。 こういった緊張感の中で、恐竜化石を見つけ出さなければならない。
フィールド調査の魅力
毎年、アラスカのフィールド調査が終わりに近づくと、「今年も生きて帰れる」と思うし、モンゴルのフィールドでも、「やっと家に帰れる」と思う。 そのくせ、帰りの飛行機に乗ると、「早く来年の夏にならないかな」と切望する。
フィールド調査の良さは何か?
まず何と言っても、誰も足を踏み入れていない、未開拓の地を調査できる快感がある。 大げさな表現ではあるが、宇宙飛行士のニール・アームストロングが人類で初めて月面に第一歩を踏み出したときのような感覚だ。・・・・・・おそらく、多くのハイカーがアラスカのほとんどの地域に足を踏み入れているだろうし、モンゴルでは現地で暮らしている遊牧民がゴビ砂漠のほとんどを歩いているだろうが、ま、そこは目をつぶるとして・・・。
一歩足を踏み出すたびに現れる風景。 目の前の岩は、もしかしたら人類で初めて目にするものであるかもしれない。 化石が見つかろうものなら、それは間違いなく人類初となる。 このような“大発見”を自分の足と目で達成できるというのは、間違いなく快感だ。
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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