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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =227=

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≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡ 

= 凝乳を塩水に浸して保存性をよくしたフェタチーズ =

- 見た目は白い色で小さな穴がぼこぼこと不均一に空いていて、木綿豆腐のような表面 - 

保存食として、紀元前からあったと言われるチーズ / そのままでは大変塩辛い

【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】

(文=中川明紀・ライター、編集者  イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ トルコ版「味噌」? 原料はあの野菜 =2/3= ◆◇

 日本の味噌のような感覚ですね。トルコの家庭の冷蔵庫には必ず入っています。こんな小さいものではなく10キロぐらいの大きなやつがね……。 10キロって業務用じゃないですか……?

しかし、それだけ常備しないといけないくらい頻繁に使うってことなのだ。一見、一般的なトマトピューレやトマトペーストと変わらないが、購入して開けてみると固さはそれらよりも味噌に近い。さっそく味見をする。おお、なんとも濃厚な味わい。トマトの自然な酸味や甘みが舌の上でとろけ、最後に旨みが残る。塩気や雑味はなく、トマトそのものがギューッと凝縮されている感じだ。

「そうそう、サルチャはまさにトマトを凝縮したペースト。1キロのサルチャをつくるのに6キロものトマトを使うんですよ。だから栄養もたっぷり」とメテさん。一般的なつくり方は、まずトマトのヘタを取って適当な大きさに切り、袋に入れて何日間か置き水分を出す。それを漉して潰したら大鍋でペースト状になるまで煮詰めていくのだという。煮詰めた後に数日間天日干しにすることもあり、この天日干しや袋に入れて放置している時に発酵がすすむようだ。

「もともとは保存食としてつくられたんです。昔は冬にトマトの栽培ができなかったから、夏のうちに収穫したトマトをそれぞれの家庭でサルチャにして保存した。この瓶詰はトマトだけでつくっているけれど、家庭では保存のために塩を入れることが多いですね」

今は都市部を中心にサルチャをつくる家庭も減っているようだが、「私の故郷は小さな町なのでつくっている人も多いですよ。サルチャだけでなく果物などのジャムも自分でつくります。私のお母さんは年を取ったので、最近はサルチャを買うようにしているみたいです。メーカーもいろいろあるけれど、うちで扱っている『PENGUEN』のサルチャは保存料などが入ってなくて美味しい」とメテさん。

 メテさんの故郷はトルコの首都アンカラから西に350キロほど離れたトカット県のニクサルという町。黒海が近く自然豊かな土地でワインが有名だという。今も母親はニクサルに住んでいて、夏は標高の高い避暑地の家に、冬は麓の町で暮らす生活を送っている。メテさんにサルチャを使った母の料理について尋ねる。

「思い出深い料理はいっぱいあります。ナスの煮込み、インゲン豆の煮込みは大好き。キャベツのドルマも美味しいよ。よく食卓に出たし、今もトルコに帰るとお母さんは僕の好きな料理をつくってくれるので、それを手伝って一緒に食べるのが楽しみなんです」

 ドルマとは米やひき肉、野菜をキャベツやブドウの葉で包み、スープで煮込んだトルコではポピュラーな料理。具を混ぜる時やスープの味付けにサルチャが使われる。以前、埼玉県の蕨駅近くでクルド人の料理教室に参加した時につくったことを思い出した=前回参照、ドルメともいう=。やはりトルコでよく食べられている、水餃子に似たマントゥのソースにもサルチャは欠かせない。

 せっかくサルチャを買ったのでメテさんにレシピを教わって、家でトルコ料理に挑戦した。つくったのはメテさんが大好きだというナスの煮込み「パトゥルジャン・イエメイ」。パトゥルジャンはナス、イエメイはごはんという意味らしい。「トルコの料理名はけっこうざっくりしているんですよ」とドアル店員の宮川好美(このみ)さんが教えてくれた。

・・・・次回に続く

◇ トルコ料理『Mercimek Çorbası』レンズ豆のスープ ◇

・・・https://youtu.be/Q7g1HL9vq-w・・・

//////参考資料///////

■□ 参考資料: 世界三大料理、トルコ料理(2/3) □■

トルコ料理の地方別特色

■地中海・エーゲ海沿岸

海に近いだけあって、シーフードが充実しており、イカのグリル、タコのサラダ、ムール貝のフライ、エビのバター焼きなどがおいしく食べられます。また、この辺りはオリーブの生産地ですから、オリーブオイルの冷菜も種類が多く、大変美味。ギリシャが近いこともあり、料理名や内容ともに重複するものが多々あります。

■中部アナトリア

肉料理が中心で、チーズやヨーグルトも盛ん。カイセリ名産のスジュックというスパイシーなソーセージやパストゥルマという肉の燻製のように、保存が効く料理も多いです。また、ユフカと呼ばれる小麦粉の薄生地にジャガイモや白チーズなどを入れて鉄板で焼いたギョズレメや、マントゥと呼ばれる水餃子風の料理のように、小麦粉を使った料理の種類も多数。

■南東アナトリア

夏は非常に暑い地域のため、料理の多くに香辛料やハーブが入っているのが特徴。また、乾燥野菜を使ったドルマも多種あります。このエリアに属すガージアンテップという町はトルコで一番料理がおいしい町として有名で、イスタンブールのケバブ店のほとんどがガージアンテップ出身だと言われているほど。ガージアンテップではどの店に入っても外れがないので、是非足をのばしてもらいたい町の一つです。

■東アナトリア

トルコの遊牧民的な料理要素を今でも守っている地域。巣のままのはちみつ、チーズ、山で育った羊や牛の新鮮な肉など、オーガニックな素材が豊富です。オーラックと呼ばれる子ヤギの肉の料理、サフランとエジプト豆を使った肉料理ピティ、横向きにしたドネルのようなジャーケバブなどが有名で、この地域に来ないと食べられない料理もたくさんあります。

■黒海地方

同じ海岸沿いの町でも、地中海・エーゲ海のシーフードとはかなり違った趣がある黒海料理。魚をトウモロコシ粉などにまぶして油で揚げ、レモンをかけて食べる、という素朴な料理が多いです。特にカタクチイワシがよく採れ、これと米を一緒に炊きこんだハムシピラウが有名。トウモロコシ粉を使ったトウモロコシパンや、黒キャベツを素材にしたドルマやスープなどもこの地域の郷土料理です。 

・・・・・明日に続く・・・・

トルコ料理『Kısır Salatası 』クスクスサラダ ◆

・・・https://youtu.be/KXJo1fHzPzg・・

 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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