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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =050=

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≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡

= 唐辛子(とうがらし、唐芥子、蕃椒)は、中南米を原産とする =

- ナス科トウガラシ族(Capsicum) の果実あるいは、それから作られる辛味のある香辛料である-

栽培種だけでなく、野生種が香辛料として利用される

ここに一つの未来図がある

【この企画はWebナショジオ_2014年4月~2014年12月期、35回記載に追記・補講した】

(=文=Rebecca Rupp/訳=小野智子  イラスト:涯 如水=)

◇◆ 脇役から主役へ、バニラの下剋上な歴史 =2/2= ◆◇

世界で2番目に高価なスパイス

1841年、インド洋に浮かぶ植民地レユニオン島で、12歳の奴隷の少年エドモンド・アルビウスがバニラの人工授粉の方法を編み出した。この技術がバニラ栽培に大きな変化をもたらし、バニラプランテーションはマダガスカルからインド、タヒチ、インドネシアと世界中に広がった。今日、世界のバニラの75%は、マダガスカルとレユニオンで生産されている。

 バニラの実は、さや豆のように見えることからバニラビーンズと呼ばれ、成熟したものは、ひとつひとつ手で摘み取られる。収穫した実はじっくりと時間をかけて、発酵・熟成加工されていく。やがて十分に乾燥して黒く艶やかに熟成し、芳醇な香りを放つようになったさやが、スパイス専門業者によって販売される。

 さやが熟すのに9カ月もかかる上に、収穫や収穫後の処理に手間がかかるバニラは、世界的にも生産量は多くない。世界の天然バニラ総生産量は2000トンで、需要には到底追いつかない。バニラ風味のウォッカやバニラウエハース、バニラプディングなど、市場に出回っているバニラ製品のほぼ99パーセントは、天然のバニラが使用されていない。

市場の99%は合成バニラ

 バニラは驚くほど複雑で繊細なスパイスだ。含まれる様々な風味と香りの成分は250~500種類に及ぶと推測される。その中で、バニラ特有の芳香を生む主成分がバニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)だ。舌を噛みそうな化学物質名だが、比較的容易に人工合成が可能で、木材パルプ製造や製紙工程で出る副生成物のリグニンや、丁子油の成分のオイゲノールなどから合成される。変わったところでは、ビーバーの肛門腺から分泌される海狸香(かいりこう)という糖蜜に似た物質も、バニリンの原料となる。

 合成バニリンの値段は、天然バニラの20分の1以下。年間2万トンものバニリンが製造・販売されている理由はそこにある。何かにバニラの味や香りを感じたなら、それは多分、天然バニラではなく合成バニリンの味や香りなのだ。

 いっぽう、国際環境保護団体「フレンズ・オブ・ジ・アース(FOE)」は、最近開始した「天然バニラを支持するキャンペーン」で、合成生物学を応用して作るシンバイオ・バニリンを槍玉に挙げている。シンバイオ製品は、DNA配列を人為的に操作し、藻類や酵母菌などの生細胞に組み込むことによって作られる。

 酵母の遺伝子を操作するこの方法で、香水にオレンジやグレープフルーツなど柑橘系の香りをもたらす化合物が作られている。また、合成生物学の技術を応用するベルギー企業、エコベール社は、遺伝子を組み換えた単細胞藻類を使ってシンバイオによるパーム核油を製造し、石鹸の原料として使用している(目的はアブラヤシを栽培するための伐採や破壊から熱帯雨林を守ることだ)。

 米国の評論誌はシンバイオ・バニリンについて、「マダガスカルやメキシコの農民たちが支配している、高価な天然バニラ市場と真っ向から競合することになるだろう」と指摘している。果たしてそうだろうか。

 シンバイオ・バニリンの競合相手になるのは、石油化学製品や木材パルプからバニリンを作る、合成バニリン産業のほうだ。合成生物学と合成化学という2つの手法から作り出されるバニリンは、どちらも同じ4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド分子である。シンバイオのバニリンだからといって、どこか薄気味悪いなどと考えるのは、まったくのおかど違いなのである。

 とはいえ、どちらのバニリンも、本物のバニラでないことに変わりはない。本物の“プレーン・バニラ”が食べたいのなら、バニラビーンズが必要ということだ。  (文=Rebecca Rupp/訳=小野智子)

次回“長生きするために、何を食べるか”に続く・・・

◇◆ Vanilla chai pound cake (vegan) ☆ バニラチャイパウンドケーキの作り方 ◆◇

・・・・・・ https://youtu.be/KEcRmt6s5gg ・・・・・

//////参考資料///////  

■□ 参考資料:バニラ(2/2) □■

2015年以降、取引価格は健康志向の高まりから天然原料への需要が伸びたこと、産地のマダガスカルが干ばつやサイクロンによる被害を受けたことから上昇を続け、2017年には一時的に2015年の7倍近くとなる1kg635ドルにまで高騰。サフランに次ぐ銀よりも高い香料となった。

一番よく利用されるのはアイスクリームである。単に「アイスクリーム」という場合はバニラアイスクリームのことを指すことがほとんどである。 ケーキなどの洋菓子の香りつけにも利用される。また珈琲、ココア、ワインなどにも入れられる。 バニラエッセンスは開封後も長期間の匂いを保つが、賞味期限は概ね未開封で一年である。加熱によって香りが揮発しやすいため、焼き菓子など高温で加熱するものにはバニラオイルのほうが適している。

◇◆ バニラ・レアチーズケーキの作り方 No-Bake Vanilla Cheesecake ◆◇

・・・・・・ https://youtu.be/dM_cdMrDWCQ ・・・・・

主な使用例 / アイスクリーム / カスタードクリーム / カスタードプディング / リキュール(ガリアーノストレガパルフェ・タムール) / 香水 / たばこ

香料 : バニラ・ビーンズ、バニラ・エッセンス、バニラ・オイルの三種類がある。

バニラ・ビーンズは、名称的には「バニラの種子」ではあるが、実際には種子を含んだ種子鞘ごと発酵・乾燥を繰り返す「キュアリング」を行うことによって初めて香料となり、通常「バニラ・ビーンズ」と言えばキュアリングを経たものを指している。原料として主に使用されるのはバニラ (Vanilla planifolia) の種子鞘で、この他に品質は少し劣るものの、同じバニラ属であるニシインドバニラ (V. pompona) も原料として利用される。

バニラ・エッセンス、バニラ・オイルは成分を抽出して溶剤にとかしたものであるが、バニラ・ビーンズは非常に高価(一本数百円)なため、人工的に合成された成分(人工香料)を大なり小なり溶かしたものが多い。 人工香料を使わず、酒類にバニラ・ビーンズを直接漬け込み作られたバニラ・エッセンスは特にバニラ・エキストラクトと呼ばれ区別される。

・・・・・・次回へ

□    □ □ □

_ Vanilla Cultivation _

・・・・・・ https://youtu.be/lIvIIoNCz28?list=PLVwk62Ea09t_os3Rwrm9ShrjSRxAhtuRC  ・・・・・・

 

_ The secrets of Vanilla _

・・・・・・ https://youtu.be/T0n-NSi_TkQ?list=PLVwk62Ea09t_os3Rwrm9ShrjSRxAhtuRC  ・・・・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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