〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』
◇◆ =094= ぐるぐると渦を巻くアリの群れに出会った ◆◇
熱帯に暮らす小さな昆虫たちの広い世界は、まだまだ知られていないことばかり。本年も『コスタリカ昆虫中心生活』の未知なる世界に、どうかお付き合いください。 今回は、夜の昆虫探しを終え部屋に戻る途中で出会った、ある「不思議な空間」を紹介しよう。
2016年12月のある日、夜10時ごろのことだ。雨がシトシト降り続き、時折強い風がビュー、ゴーッと森を駆け抜けるなか、ぼくは急ぎ足で家へと向かっていた。 家の前まであと10歩ほどのところだった。「さあ早く寝よう!」とラボの前のコンクリートの道を通り過ぎようとしたとき、ん? 何か黒いものが・・・地面を動いているように見えた。
2~3歩戻って懐中電灯で照らしてみると、「なんじゃこりゃ!!」 一気に目が覚めた。
それは高速で渦を巻いているアリの塊だった。小さなグンタイアリの仲間のようで、そのハリケーンのような渦の中央にはアリでできた「山」がある。眺めていると、なぜか吸い込まれそうになってくる・・・まるで地面に現れた「小さなブラックホール」のようだ(実際にみたことはないが)。早速撮影するも、衝撃のあまりか、カメラを持つ手が震える。
アリの中には、渦から出たり入ったりするものや、渦の外を見回っているようなものもいた。もしかして、女王アリが「アリの山」の中にいるのかもしれない・・・。 女王がいるかどうか確かめるために、中央の「アリの山」を細い枯れ枝で崩してみることにした。渦がなくなってしまわないよう気にかけつつ、「山」になったアリを渦の方へ、そっとそっとかき出してみた。
しかし、中央の山の中には女王らしきアリは見つからなかった。アリたちが女王に群がっているわけでもなさそうだ。 その後もアリの渦は回転を続け、いったん崩れた「アリの山」は、またスグに形成され始めた。グンタイアリは視覚があまりよくなく、先行するアリのフェロモンを追うように移動する。それぞれのアリが前を行くアリを追って歩くうち、先頭のアリが最後尾のアリに追いついてしまい、周回行動につながるのかもしれない。
数多くのアリが周回していれば、自然と中央のフェロモンが密になり、アリたちが中央で山のような塊になるのかもしれない。「山」の上を歩いては、また渦の中へと入るアリたちもいた。ネットの情報によると、このような行動はAnt mill(アント・ミル)と呼ばれているそうで、この渦行動に一度陥ってしまうと、死ぬまで走り続けるというが、実際はどうなのか?
この「グンタイアリの渦行動」について、アリの専門家のジャック・ロンジノ博士は、「動画では見たことがあるが、実際に見たことがなく、どういった行動なのか具体的なところはわからない」と言う。 ぼくがこの渦の「不思議な空間」に出会ったのは22時。観察していると、深夜0時を過ぎたころから、アリたちは渦があった周辺をバラバラにウロウロしはじめ、少しずつどこかへと消えていった。
何がきっかけで渦は消えたのだろう。長時間の走行後にアリたちの体内環境に変化が起き、行動が変わった可能性も考えられるし、なんらか外部からの作用が働いて(たいてい野外では何かが起こる)、自然に渦行動が途絶えたという可能性もあるだろう。
真相はまだわからないけれど、初体験の光景にとても興奮した夜だった。果たして、2017年は、どんなドキドキ、ワクワクが待ち受けているのだろう~
・・・・・つづく
_ Arenal Volcano Costa Rica _
・・・・・・ https://youtu.be/EM-hPmREkZY ・・・・・・
_ 魅惑の楽園コスタリカ 冒険と感動9日間 _
・・・・・・ https://youtu.be/91AgRx1xYXQ ・・・・・・
=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/b11dde3b58a6fe32c66cc967c89e9ec1
後節へ移行 :http://blog.goo._not-yet//095//
----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【壺公夢想;如水総覧】 :http://thubokou.wordpress.com
【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/
【疑心暗鬼;如水創作】 :http://bogoda.jugem.jp/
下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます=ウィキペディア=に移行
================================================
・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
================================================