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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「バックマン」と呼ばれる西田賢司 =079=

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〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇

= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =

【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】

☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠

曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』

◇◆ =079= リスとグアバと森の生きもの ◆◇

 前回は、落ちたグアバの実にやってくる「森の宝石」モルフォチョウを紹介したが、今回はそのグアバの実を落としていく動物、リスちゃんたちを紹介しよう。 リスと言えば、ぼくには「北の国や寒いところに生息する」というイメージがあったのだが、ここ熱帯コスタリカで頻繁に見かける。 コスタリカではこれまでに5種のリスが確認されていて、今回ご覧に入れるのはそのうちの4種(と3亜種)。 家の周りでもよく見かける。

リスー2

  10月以降、グアバやヤマモガシ(マカダミアの仲間)の木々に実が成り、熟し始めると、毎日のように樹間をシュッ、シャシャシャと移動するリスたちに出会う。 実りの時期ならではのことだ。 頭上からパリポリパリポリと音がするので見上げると、そこにはグアバの実を食べるリスちゃんがいる。 2~3頭いることもある。

  直径が3~4センチのグアバの実の皮の部分を前歯で削り取り、地上へポトポトと落としていく。 半分ほど皮がむけると、今度は中身をムシャムシャ。そしてくり抜かれて器のようになった残り半分の実をボタッと地面へ落とす。 地上に落ちたグアバの実は徐々に発酵し、独特のにおいを放つ。 そこにやってくるのがモルフォチョウというわけだ。 ただし、このごちそうを目当てにやってくるのはモルフォチョウだけではない。

リスー3

  ラボの横に、ヒメハキリアリの一種のコロナトゥスハキリアリが巣を構えていて、夜になると葉を切りに出かける。 ある夜中のこと、ぼくが行列をまたいで横切るとき、ハキリアリたちが薄いピンクの粒を運んでいることに気づいた。 そのときは、花びらか何かを切り取って収穫しているのだろう、いつものことだと思ってあまり気にしなかったのだが、翌晩も同じ光景に出くわした。

リスー4

  あれ、なんか違う・・・? コツコツと運んでいるところをよく観察してみると、それはしっとりした丸い粒・・・もしや?   ハキリアリの列をたどってみると、そこには案の定グアバの実が。 そして周辺にはハキリアリたちが一面に広がり、あちこちに落ちているグアバの破片に群がっていた。 リスちゃんたちが地上に落とした「たくさんの恵み」に大喜びの様子のヒメハキリアリたち!

リスー5

  グアバの実から小さな粒を引きちぎるようにして収穫していた。 進んで収穫するということは、グアバの果肉はコロナトゥスハキリアリのキノコの栽培に適しているのだろう。 「ヒメハキリアリたちは一晩中、この恵みの収穫の作業を続けるんやろうな・・・」

 真っ暗な中、懐中電灯の明かりに浮かび上がる薄ピンクの丸い粒々。 それらがゆらゆらと揺れながら移動していくのを眺めつつ、ぼくはそんなことを思っていた。

リスー6

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 今週のピソちゃん ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

piso

 Ӂ 金箔レッドのオトシブミが揺りかごをつくるまで Ӂ

オトシブミ-1

  オトシブミは日本にもいて、ご存じの方も多いことだろう。メスが卵を産むときに、植物の葉っぱを折りたたみ、くるくると巻いて、幼虫が育つ「揺りかご」をつくる昆虫だ。 今年の4月から10月末まで、オトシブミの揺りかごづくりを研究されている成城大学の櫻井一彦先生がコスタリカへ調査に来られていた。 ここモンテベルデにもよくいらしていて、先生とは長年の付き合いになる。

  そこで今回は、モンテベルデで見つけた上の写真のオトシブミ(おそらく新種)との衝撃的な再会と、このオトシブミの揺りかごづくりを撮影した動画を紹介しよう。 動画は櫻井先生からお借りした貴重な研究成果の一部だ。 今から約1年前の2014年11月半ば、家の前の林道を歩いていると、1枚の葉の上にキラキラした小さなオトシブミがいるのを見つけた。 朱色の体に金箔を張り付けたようなその美しい色に圧倒されたぼくは、さっそくそのオトシブミの写真を撮ることにした。

  ところが撮り始めてまもなく、鮮やかな紅色がカメラの液晶画面に広がったかと思うと、そのオトシブミは、あっという間に空高く飛んでいった。 体の朱色よりも深く鮮やかなその紅色の正体は、オトシブミの後翅だった! 後翅があんなに鮮やかなのにはビックリで、すごく印象に残った。 あの体の朱色と後翅の紅色には何かの役割があるはず。 赤く色づく葉に関係している可能性が高いと予想し、似たような色の葉がないか探していると、それはすぐに見つかった。

オトシブミ-2

  ケルクス・インシグニス(Quercus insignis)というコナラの一種で、これ以外に考えられないようなそっくりな朱色と紅色の若葉をもっていたのである。 それからは、このコナラの葉をことあるごとに観察するようになった。 そうして3カ月が過ぎた2015年2月のこと。コナラの赤い若葉が一斉に芽吹き始めた。 そしてそこにいたのである! あのオトシブミが!

  ぼくの呼吸は止まり、とてつもない元気が湧き上がってきた。 また会えてよかった~♪ 思い続けていたことが現実になるって、うん、本当になんとも言えないエネルギーのようなものが胸の奥からこみ上げてくるものである。 観察していると、葉の上をゆっくり歩いたり、葉をかじって食事をしたり。  お!同じオトシブミをもう一匹見つけた!と思いきや、こんどはこのコナラの苞葉(ほうよう:新芽を包む葉のようなもの)のかけらだった。

  メタリックな光沢といい、赤い色といい、苞葉がこのオトシブミに擬態しているのか?と思えるほどだった。 実際はその逆なのだが(笑)。 オトシブミ分類学者のロバート・ハミルトン博士によると、今回のオトシブミ、よく似た種がいるがおそらく新種だろうとのこと。 櫻井先生からお借りし、編集したこのオトシブミの揺りかごづくりの動画をぜひご覧ください!

オトシブミ-3

 Euscelusオトシブミの揺りかごづくりの動画

 オトシブミという小さな生きものが一枚の葉を折ってたたんで揺りかごをつくる行動は、不思議でたいへん興味深い。昔から折り紙を愛してきた日本人の目には、より身近なものに映るのだと思う。 折り紙文化や、紙自体が存在する以前から行っていたオトシブミの文化をご覧いただきたい。

 櫻井先生によると、このオトシブミの揺りかごづくりには、点検、測定、裁断、傷つけ、折り曲げ、休止、折り重ね、産卵、巻き上げ、切り落としなど約15の工程があるそうだ。 見ていると、オトシブミがコナラの表面にある産毛のような細かい毛(毛茸/もうじょう/trichome)の塊を体につけているのが興味深い。 現在、櫻井先生が産毛の塊の機能も含め、このオトシブミの揺りかごづくりの行動を研究されている。

 動画: オトシブミの揺籃    https://youtu.be/bnckJQVW-1M

動画: カシルリオトシブミ.mov   https://youtu.be/wWuFsa_gW9E

 ・・・・・つづく

_ Arenal Volcano Costa Rica _

・・・・・・ https://youtu.be/EM-hPmREkZY ・・・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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