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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「バックマン」と呼ばれる西田賢司 =076=

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〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇

= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =

【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】

☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠

曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』

◇◆ =076= 頭がお尻でお尻が頭?!びっくり幼虫 ◆◇

  みなさま暑中お見舞い申し上げます。 日本に一時帰国しました。 大阪暑いです! 今回は、ちょっとは涼しくなるかな?との期待もこめつつ、上の写真の「得体の知れない生物」を紹介します。 さて、ぼくは上の写真の生物に、これまでに2回出会っていて、最近まで飼育していた。 じつはこれ、ガの幼虫。 全体像がこれだ。

   シャチホコガのニスタレア(Nystalea)という仲間で、幼虫のお尻の部分が膨らんでいる。 そう、頭のように見える部分は、お尻(!)なのだ。 この種の場合、お尻の膨らみがトカゲかカメの頭のようになっている。 初めて見つけたのは夜中だったが、ぼくは驚きと喜びのあまり、目を大きく開けたままこの得体の知れない生物をじっと見入っていたのを覚えている。

幼虫-2

  観察していると、このガの幼虫は後ろ向きによく歩く。 つまり頭に見せかけたお尻を前にして歩くのだ。 そして危険を感じると、さも「こちらが あ・た・ま だよ」と言わんばかりに、お尻をグイッと持ち上げる。 納得だ!

  そういえば、この幼虫の偽の頭から思い出した生物がいる。 ブラウンアノールというトカゲの仲間だ(右)。 2003年に撮影したものだが、どうだろう、なんとなく似ているような。 ん~、お尻はブラウンアノールの頭の擬態なのか・・・?

 動画:ニスタレアの一種(シャチホコガ科)の幼虫が後ろに歩くようす https://youtu.be/QE--ADBOqlk

幼虫-3

  ちょっと専門的になるが、もう一つ驚かされたことがある。 頭に見せかけたお尻ではなくて、この幼虫の本当の頭部についてだ。 その本当の頭部を正面から見たのが上の写真だが、葉っぱをつかむようにしてピンク色の牙のようなものが生えている。

 おそらく食べ物の「質」を感じ取るセンサー機能を持つ、小顎鬚(しょうがんしゅ/こあごひげ)と呼ばれる器官の一部だと思うのだが、牙のように見えるものは、これまでに見たことがなかった。 この幼虫について調べてみると、ニスタレア・モンタナという種に似ているが、どうやらそれに似た新種の可能性が出てきた。

幼虫-4

 Ӂ  ナナフシを放し飼いにしたら、交尾しながら葉を食べた Ӂ

ナナフシ-1

  現在帰国中で、東京にいる。 イベントやら取材やらでバタバタしているなか、ふとコスタリカに残してきた昆虫たちのことを思う。 特に、放し飼いにしているナナフシたちのことを・・・。

  7月下旬にコスタリカを出発する早朝も、ナナフシたちを見届け「元気にしててや〜」と伝えてきた。 今ごろ、どうしてるんかな? ナナフシたちとの出会いは5月下旬のこと。コケがたくさん生えている木の枝に近づいたとき、風もないのにコケが動いたのに気づいた。

 「おっ? ナナフシが2匹!! コケそっくりや!」  すぐにトゥリコペプルス・ラキニアトゥスのメスの幼虫とわかった。以前にメスを2回飼育したことがあったからだ。 今回は、このまま自然のなかで成長の様子を観察してみようと思いたち、ぼくはほぼ毎日2匹のナナフシを確認するようになった。

  面白いことにこのナナフシ、毎日同じ枝にいる。 30センチぐらいの範囲だ。以前、自宅で飼育したものは、ランやウコギの葉を与えると食べていたのだが、もしかすると、コケも食べるのか?

ナナフシ-2

  ただしこのナナフシ、そこにいることがわかっているのに、探しても見つからないことがよくある。 1匹だけ見つかって、もう1匹が見つからないと、不安になる。 翌日確認してみると、またちゃんと2匹いる。

  そんなある日、ナナフシたちがいる枝から1メートルほど離れた所に、つる性のサルトリイバラという植物があって、葉のかじられた痕があるのに気付いた。 また別の日にサルトリイバラの葉に目をやると、「コケ」が葉からぶら下がって、ムシャムシャやっていた。 なるほど! コケの枝からここまで食事の旅をしていたわけだ!!

ナナフシ-3

  それにしても、ちゃ~んと自分の居場所に戻ってくるなんて、大したもんだ!

  6月下旬、2匹の幼虫は成虫になった。 メスの成虫には翅がなく、飛べない。 そんなメスの異変に気付いたのは、7月半ばのことだった。

 動画: 歩くコケ(トゥリコペプルス・ラキニアトゥスというナナフシの一種 https://youtu.be/6RNfjvM4TXU

  メスたちが成虫になって2週間ほどが経った7月半ばのある日、1匹のメスの様子がおかしいことに気付いた。 何かがおかしい・・・メスの形を認識しようと脳が一生懸命なのだが、なぜかくっきりと認識できない・・・いつもとちがう

ナナフシ-4

  観察すること15秒(体感)。ハッと目が覚めた! 「うぉおお! オスがくっついている!! 交尾中やん!」  こんなかたちで、オスと出会うとは!「これは、すごいわ!」 かなりの想定外だった。 オスには翅が生えていて、細身。 どこからか飛んできたのだろう。

  観察していると、テクテクテクテク・・・メスがオスをくっつけた状態で歩き始めた。 コケにぶら下がるようにして進み、植物の茎を伝い、葉のところまでやってきて・・・、メスが葉を食べ始めた。 友人であるナナフシの分類の世界的権威、オスカー・コンレによると、ぼくが以前飼育していたメスが産んだ卵や、孵った赤ちゃん、今回観察できた生態などの記録は、世界で初めてとのこと。

ナナフシ-5

  モンテベルデに戻ったら、まず最初に元気な姿を見てみたいものである。

 動画:そよ風に合わせて体を揺らすコケに擬態した交尾中のナナフシ https://youtu.be/ulgUqfMm6IQ

 大阪の夏といえば、クマゼミの夏! 7月末、大阪市立自然史博物館の特別展「たまごとたね」を観に行ったら、博物館がある長居公園の木々に、たくさんのクマゼミたちがいた。 小型の哺乳類や鳥たち(捕食者)が、暑い大阪の夏を乗り越えるための「貴重なスタミナ源」(食糧)となっているのだろう。

ナナフシ-6

 ・・・・・つづく

 

_ Costa Rica diving at Guanacaste Coast Pacific _

 ・・・・・・ https://youtu.be/vKduIggPd38  ・・・・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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