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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「バックマン」と呼ばれる西田賢司 =062=

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〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇

= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =

【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】

☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠

曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』

◇◆ =062= 謎だったサナギから羽化、もしかして新種? ◆◇

 今年の雨季は雨が少ない。と思っていたら、先日、激しいスコールとともに雷がズドーンと近くに落ちた。

 だが、それ以来ネットが不通に。雷が近くに落ちると、いつもこんな感じだ。この原稿も、バイオロジカルステーション従業員のおばさん宅におじゃまして送っている。

  さて、あるガの羽化をきっかけに、ここ1カ月ほどデータ収集に標本作り、専門家とのやりとりなどで多忙になり、同時に「多望」にもなりつつある。

 羽化したのは、第79回で少し紹介した、剛毛の生えたサナギのガ(下左)。そこから右の写真のようなフサフサの成虫(メス)が現れた。

蛾-2

  幼虫はカレハガっぽかったのに、なぜか成虫はヤママユガのような姿。調べてみると、グロベリア(Gloveria)というカレハガのグループに属していることがわかった。しかし、さらに調べても、このガの詳しい情報、写真も飼育記録も見当たらない。

  そこで、コスタリカで昆虫の標本を最も多く保有する生物多種多様性研究所(INBio)の専門家に標本の写真を送って、調べてもらうことにした。INBioには約270万もの昆虫の標本があるので、これではっきりするだろうと思っていたら、意外な返事が届いた。

「写真で送ってくれた種の標本は、1個体もない。アメリカ国立自然史博物館の標本を調べる必要があるが、新種かもしれないぞ? とにかく、採集できるだけ採集しておくんだ!」

  こんなに大きなガなのにINBioに標本がひとつもないとは、とにかく不思議だ。これは面白くなってきた。 翌日、家のそばで写真撮影をして戻って来ると、玄関前がエライことになっていた。

 たくさんのガが飛び交っているではないか!

蛾-3

  もしかして・・・と玄関前の飼育ケースを見ると、案の定、飼育していたメスのカレハガが羽化していた。成虫になったメスが、オスたちを引き寄せていたのである。その数20匹ぐらいだろうか。

 翌日以降も、このオスの「襲来」を5回ほど観察することができた。いずれも午後2時前後。大型の夜行性のガが、こんな明るい昼間に飛行するという話はあまり聞かない。

  飼育ケースの蓋を開けると、オスが翅をぶるぶる震わせながら、すぐにメスのところまでたどり着き、交尾が始まった。1匹が交尾を始めると、他のオスたちはあれよあれよとどこかへ行ってしまった。メスのおしりからフェロモンが出なくなったのだろうか、この急展開には驚いた。交尾から2日ほどすると、メスは卵を塊で産み、その後数日で死んでしまう。

 このガは、いったい何ものなのか?

 これからは、生態をより詳しく調査しつつ、アメリカ国立自然史博物館やINBioにある標本と、この種を詳しく照らし合わせたり、古い文献を調べる必要がありそうだ。

蛾-5

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 今週のピソちゃん ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

piso

 =参考資料・文献=

フェロモン

 フェロモン(pheromone)は、動物または微生物が体内で生成して体外に分泌後、同種の他の個体に一定の行動や発育の変化を促す生理活性物質のことである。 蛾の雌が雄を誘引する様がファーブルの『昆虫記』にも記されており、フェロモンの存在は当時から推測されていた。 フェロモンは、極めて低濃度でその効果を果たすものが多い。それはホルモンなどと共通の性質である。その意味で、いわゆる臭いによる情報伝達とはまた異なったものである

 昆虫」から発せられるフェロモンの研究もよく進められている。昆虫の行動は、いわゆる本能行動であって、ごく限られた刺激に対して限られた反応を返すように組み立てられている傾向があり、その中で、フェロモンの果たす役割は大きい。下に述べるような多くの型のものの、ほとんどすべてが昆虫には見られる。

 社会性昆虫においての、社会構造を維持するための役割など、その詳細がわかってきている。 哺乳類や爬虫類についても、一部臭腺からのフェロモンの存在が確認されている。また、ヒトに対してのフェロモンの存在も見つかり、研究がなされている。 一般には、性的に発情(興奮)を誘発させる性フェロモンが知られるが、他にも幾つか種類がある。

 ハチやアリなど社会性昆虫は階級分化物質や女王物質と言われるものによって、階級社会の形成と維持をしている。女王バチが発する女王物質(queen substance)は、他の雌の卵巣の発育が抑えられて、働きバチとしての行動を起こすようにするよう働く。もし、女王が死んだ場合、この物質の供給が途絶えるので、働き蜂や幼虫の中から生殖能力のあるものが現れ、新たな女王となる場合もある。 なお、蛾の誘引フェロモン類似物質を分泌して雄のガを誘引し捕獲するナゲナワグモという蜘蛛が存在する。

蛾-4

 ・・・・・つづく

_  コスタリカ サンホセ San Jose Costa Rica _

・・・・・・https://youtu.be/l1NxWHCo3Ak ・・・・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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