〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』
◇◆ =057= 我が家にアリの軍隊がやってきた ◆◇
モンテベルデの我が家には、たくさんのオオアリが住んでいる。体長8ミリほどの大型のアリだが、人を咬んだり刺したりしないので、互いに干渉し合うこともなく、ひとつ屋根の下で共生している。
よく見かけるのはダンボールの中やコンロの下、壁の間や天井裏といった比較的温かい隙間。ポータブルMDプレーヤーの中や、外付けハードディスクの中を住処(巣)にしていることもある(汗)。
オオアリは夜行性。夜の7時を過ぎたころからちらほらと壁伝いに姿を見せ始め、小さな昆虫を捕食する。甘いお菓子などには一切興味を示さない。家の中に迷い込んだ昆虫たちの死骸なども夜の間にきれいさっぱり巣へと持ち帰ってくれる。ゴキブリなんかも家の中からいなくなるので、とても重宝している。
ところが事件が起きた。 野外調査から4日ぶりにモンテベルデの我が家へ戻った日のこと。玄関のドアを開けようとすると、なにやら森のほうからザワザワと、ゴキブリやバッタ、コオロギにキリギリスが家の周りへとやってくる。
何ごと?
足元を見ると、靴を上ってくるたくさんのアリが! グンタイアリの襲来だ!
そうか。昆虫たちがこちらへ向かっていたのは、グンタイアリから逃れるためだったのだ。こりゃのんびり構えていられない。グンタイアリに刺されると相当痛いので気を付けないと。
そうこうしている間に家の前がグンタイアリだらけになった。もしかして、家の中にも? とドアを開けると、すでに黒い粒々が床一面にうじゃうじゃ動き回っていた。
「こりゃいかん、しばらく家の中に入られへんなぁ~」
グンタイアリが通り過ぎるまで退散しようと思ったが、こんなの初めて!だったので、この様子を少しでも記録しようと、カメラで撮影を開始した。
グンタイアリの数はどんどん増え、家の中での狩りの勢いが増していく。どうやら我が家のオオアリを狙っているようだ。オオアリの幼虫やサナギをくわえているものが多い。
一方で、グンタイアリの狩りから逃れられたオオアリたちは、家のあちこちに散らばってじっとしている。振動をおこさないようにしているのだろう。グンタイアリは振動するものに反応して襲いかかる。直ちに大勢でやってきて、動いたり震えたりしている獲物に咬みつき、お尻の針でグサリ!とやられてしまう。
=このガのようにじっとしていると、グンタイアリは興味を示し確認はするものの、狩ることをしない。だから、ちょっとの振動も禁物だ。=
=最初の襲来の4日後、グンタイアリは家のスグ横を通り過ぎていく。家の中に入ってこなかったのでよかった(冷や汗)。軒先から滴り落ちる雨水に反応する兵隊アリとバックのマイコドリの声もお楽しみください♪=
天井から、壁からオオアリたちがポツポツポツと降ってくる。 ガサガサガサとワトソンキノボリネズミたちが屋根裏で動き回っている。
午後1時30分ごろに襲来したグンタイアリは、時間がたつにつれて徐々に列を作り始め、夕方には1本の列をなし、ほとんどが外へ向かっていくようになった。
足の踏み場もできたので、料理を始めることにした。包丁とまな板の振動のせいか、キャベツを切っているすぐそばをグンタイアリがまた徘徊し始めた。スリル満点の調理時間となった。
ここコスタリカの自然が残る町や村では、グンタイアリの襲来は、歓迎されるそうだ。なぜなら、家の中にいる隠れたゴキブリやほかの昆虫を退治してくれるから。刺されると痛いので、その場から数時間退いてグンタイアリが通り過ぎ、いなくなるのを待てばよいだけなのだという。
翌朝には、夜中まで台所で狩りをしていたグンタイアリも、すっかりすっきりいなくなっていた。同時にオオアリたちの数もずいぶん(おそらく1/100ほどに)減ったので、少し寂しくなった。
僕のベッドの掛布団の下、足の方に30匹ほどのオオアリたちがサナギをくわえて、休んでいたのを見て微笑ましくなった。
=歩いていると振動に反応し、靴を上ってくるグンタイアリ。ズボンの中に入られると、すぐさま咬みついてお尻の針を刺すので、早いうちに足をバタバタさせて落とす。=
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 今週の西田賢司 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・・・つづく
_ San Gerardo de Dota Costa Rica _
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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