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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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「バックマン」と呼ばれる西田賢司 =037=

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〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇

= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =

【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】

☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠

曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』

◇◆ =037= 蜂?それとも蛾?ハラハラドキドキの採集 ◆◇

モンテベルデの森にある自宅の前で、ヒメバチを見かけた(上の写真は別の場所で見つけたヒメバチ)。 ほかの虫の幼虫やさなぎに寄生するタイプの、細身のハチだ。

  写真に撮ろうと、家からカメラを取って戻ってくると、その間にヒメバチの姿は消えていた。ちょこまか動き回る虫なので仕方がないか・・・と思っていたら、再び現れた。

 細身の体とオレンジ色の足、白い模様のある触角。

 あれ? でも何かおかしい。おしりの針がないし、翅の模様もなんとなくちがっている・・・。

ハチ-2

 蛾~やっ!  これはヒメバチ以上に撮影せねば!と、必死になってシャッターを切った。動画も撮影した(下に掲載)。

 おっと、これは蛾像を撮るだけではなく、蛾自体を捕らなければ!

 ところが網を手に戻ってくるまでのほんの数秒の間に、この蛾も姿を消してしまった。ガーン。

 植物を軽く揺さぶってみるが、何も飛ぶ気配はない。あきらめきれずに、家の前の植物をあちこち探し続けること30分。半ばあきらめかけていたその時、同じ場所の同じ植物の葉の裏から、このヒメバチ風の蛾が現れた。さらに手こずったが、なんとか捕獲に成功した。

 衝撃的な出会いとハラハラドキドキの捕獲劇で、頭の中がパンパン、エネルギー消耗が大、体はくたくたになっていた。

虫好き-1

 Ӂ 日本から虫好きの男たちがやってきた Ӂ

  6月初旬、日本から虫好き男たちがコスタリカにやって来た。  ご存じ養老孟司さん(ゾウムシ好き)、日本甲虫学会会長の新里達也さん、自然番組などを制作している伊藤弥寿彦さん(このお二方はカミキリムシ好き)、そして自然写真家の佐藤岳彦さんだ(佐藤さんはガやヘビがお好きだそう)。

  目的は当然ながら、カミキリムシとゾウムシを中心にした甲虫の調査。ぼくが得意とするガや虫こぶの出番はなさそうだったが、案内役として同行させてもらった。

虫好き-2

  一週間に満たない滞在なので、コスタリカ北西部、世界自然遺産に登録されているグアナカステ保全地域の一角、サンタ・ロサ国立公園に焦点を当てる。そこは、以前にカミキリムシやゾウムシが比較的多く確認されている場所の一つで、世界的にも珍しい熱帯乾燥林があり、近くには熱帯雲霧林もある、多様な環境に恵まれた場所だ。

  雨季が始まって間もない、新緑がまぶしい国立公園。 虫三昧の日々が始まった。

 日中は、大きな網やビーティングネット(叩き網)を使って花や新芽などに来ている昆虫たちをすくうように採集。夜になると今度はライトトラップ(灯火採集)や建物の明かりに集まってくるのをどしどし採集していく。

  毎日ダニやツツガムシ、蚊なんかに咬まれ、夕食前は「今日は2匹」「ぼくは3匹」と、みんなで体についているダニを探すのが日課のようになったが、それさえなんだか楽しそうだ。宿や国立公園内には温泉があったけれど、だれも興味を示さず虫に専念していた。

虫好き-3

  調査終盤には、サンタ・ロサ国立公園内にあるダニエル・ジャンセン博士(熱帯生物学の草分け。第13回京都賞受賞)のお宅を訪問し、コスタリカの自然保護や国立公園の現状などについて話を聞いた。でも、家の中の状態があまりにも強烈だったので(下の写真)、みんなあちこちをキョロキョロ見まわしていた。

  今回はあまり昆虫を撮影できなかったけれど、採集も良好だったとのこと、昆虫三昧で楽しそうなみなさんのようすを観察することができ、ぼくは満足だ。

虫好き-4

 =参考資料・文献=

グアナカステ保全地域

 グアナカステ保全地域(Area de Conservación Guanacaste)は、コpスタリカの保全地域の一つである。コスタリカは、全国の国立公園や自然保護区を11の保全地域にグループ分けして管理を行うSINAC(Sistema Nacional de Areas de Conservación de Costa Rica)という制度を導入しているが、グアナカステ保全地域は、そのうちコスタリカ北西部グアナテステ州一帯に位置する保全地域である。1986年9月に設立され、後にはフンキリャル湾国立野生生物保護区が加わった。

 1999年には、保全地域内のグアナカステ国立公園、サンタ・ロサ国立公園(海域を含む)、リンコン・デ・ラ・ビエハ火山国立公園、フンキリャル湾国立野生生物保護区、オリソンテス試験森林がユネスコの世界遺産リストに登録され、2004年にはサンタ・エレナ地区が拡大登録された。

 サンタ・ロサ国立公園(Parque Nacional Santa Rosa)はコスタリカ北西部の国立公園で、東端にはパンアメリカ・ハィウエーがあり、向い側にグアナカステ国立公園がある。中心地は、グアナテステ州リベリア市の北方36 km に位置している。 設立は1971年のことで、元々はサンタ・ロサの戦いの戦場を保護する目的で設定されたが、当初から史跡だけでなく、良質な自然なども保護対象に含んでいた。

 面積は約 495 km2 で、コヨーテ、ペッカリー、バク、ハナグマ等の多様な種が棲息している。サルの仲間としてはアカグモサル、マントホエサル、ノドジロオマキサルという3つの種が棲息している。そのほか、ウミガメやリクガメの種類も豊富である。なお、ジャガランディ、オセロット、ピューマ、ジャガーなどネコ科の動物も棲息してはいるが、目撃されることは稀である。

 虫好き-5

 ・・・・・つづく

◇◆ 蜂のような動きをする蛾 ◆◇

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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